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チラシの裏の裏には書けない  作者: 吉田 晶


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2025.7.16 片雲の風にさそはれて

 みなさん、こんにちは。


 昨日の夜は台風の影響か、雨が強かったですね。

 南風もひどく湿っていて、アマゾンの熱帯雨林に足を踏み入れたかのようでした。

 もちろん、そんなところに行ったこともないんですけど。へっへっへ。


 そう言えば、年に数回、やたらと「いい風」が吹く日がありませんか?

 真夏の暑いさなかに、不思議と涼しい風が吹く日。

 あるいは、真冬なのに春のような温かい風が吹く日。


 そういう時の風は、えもいわれぬ良い香りがして、やたらと心が踊ります。


(この風に吹かれるまま、行けるところまで行きたいなあ)


 けれど、そんな時に限って忙しいのはどうしてでしょうね。

 学生の頃であれば試験日だったり、社会人であれば繁忙期であったり。


(せめて、この風が明日まで続かないだろうか……)


 ところが、その風は決まって一日きりしか吹かないのです。

 だから毎回、決断を迫られる。


 ――いま背負っているものを全部ほっぽり出すか、否か。


 まあ、ほっぽり出したことなんて一度もないんですけどね。

 背負っているものが人生を左右するくらい大事だと思っていましたから。

 ただ、今になって振り返ってみると、どいつもこいつも、そんなに大したものじゃなかったなあ。

 それだったら、風の吹くまま流されてみるって選択肢も、アリだったのかもしれません。




 で、数年前に仕事を辞めました。

 あ、これは「風」とは全く関係ありませんよ。

 単純にストレスが極限状態だったからです。

 やってられるかバカ野郎! ってやつです。そもそもどうして


 【以下4,000字検閲により削除】


 朝何時に起きて、そのためには夜の何時までには寝て、

 雨が降ろうと槍が降ろうと毎日通学通勤――


 そんな「逆ハメハメハ暮らし」から、初めて解放されました。

 つまり、いつでも好きな時に、どこに行ってもいいんです!


 そうして私は、あの風が吹くのを心待ちにしていました。

 けれど、一年たっても、二年たっても吹くことはありませんでした。


 なんだったのでしょうね、いったい。

 そもそもあの風が、実際に吹いていたのかさえ怪しくなってきました。





 どんどはれ?

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