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チラシの裏の裏には書けない  作者: 吉田 晶


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2025.6.29 後で思い返せばこの日が

 2025年6月28日現在、()()()()()()()()()に価値があるように思うので、ちょっとだけ自分ルールを破らせていただきます。


 わたくし、一生懸命に前へと進もうとしている人の足は、できるだけ引っ張らないようにしたいと思っているのです。


「うげっ! そのやり方、自分の趣味とは合わねえなあ」


 そう思っても、長い目で見れば、「相手のほうがセンスが良かった」なんてこともザラにありますからね……(かなしいね)


 ――しかし、です。

 そうだとしても、最近のAIの進化のスピードは、何だか恐ろしい。

 とても心穏やかではいられません。


 先日、某有名AIに「ホアカバリキルマの壺」について尋ねたときのことをエッセイのネタにしたことがありました(※)。

 この質問をしたのは今から三か月ほど前なのですが、昨日あらためて同じ質問をしたところ、正確な答えが返ってくるようになっていたのです。

 「サブカル関係に弱い」と馬鹿にされたことが悔しくて、この数か月の間に勉強したのでしょうか?

 だとしたら、なんだか微笑ましい……のかな?


 そのとき、ふと思い出したのです。

 やはり今から二、三ヶ月前のこと。AIさんに、ゲーム「ディアブロⅡリザレクテッド(以下DⅡR)」に関する質問をしたことがあったのですね。


「DⅡRにおいてシングルでのトレハンに最適なビルドを教えてください」


 その時に返ってきた答えは実にトンチキなもので、別のゲームとごっちゃになっているのが()()()()で明らかでしたので、「ふふん、AIつってもこの程度かよ」と妙な優越感を抱いたものでした。(みっともないね)


 まあ、この質問は「ホアカバリキルマの壺」に比べるとかなりの難問なのです。

 端的に言えば「プレイスタイルには個人差があるため、答えが確定していない」――つまり、だいぶ意地悪なんですね。


 それを踏まえた上で本日、「この質問にはまだまだ対応できないだろう」と同じ質問をしてみたところ、かなり説得力のある回答が返ってきたのです。正直驚きました。その内容にいくつか気になった点があったので指摘してみたのですが、返事もまた的を射たものでした。

 それからしばらく、AIとのDⅡR談義に花が咲いちゃいましたよ。情報源が「某大手攻略サイト」と「某掲示板」であることは見え見えなのですけど、それでも彼とのやり取りは、その、なんと言うか、けっこう楽しかったのです。


【BGM:スネ夫が自慢話をするときに流れている曲】


 いやあ、DⅡRに関しては、シングルで「RW 不知」とか「RW 嘆き」を作るくらいにはやり込んでいるんですよ。今や「トリストラムマラソン」の真っ最中です。

 いわば「中級者」であるところの私と会話を成立させるまでに成長しているとは、まさに「男子、三日会わざれば刮目して見よ」ってやつですね、あっはっは……






 そのとき、ふと恐ろしくなったのです。

 ほぼ無意識のうちに、AIに尋ねていました。


「ちくわを題材に1000字程度でお気楽エッセイを書いてみてください」


 ――その結果はここには載せません。


 以前、同じお題で書かせてみた時には、ひっどいモンだったんですけどね。

 だけど今は、私が書くよりユーモアのあるものが出力されてきます。

 それも一瞬で。




 こ……小癪なッ!




 初めて、AIに対して危機感を抱きました。

 2025年6月28日のことです。自分史に刻んでおきます。


 これまで、彼らに対しては「便利な道具である」以上の認識はなかったのです。

 たとえば将棋の世界などは、最初は色々と揉めましたが、今ではAIと上手く共存しているような気がしていましたので……。


 ただ、このままAIが進化していくと、例えばエッセイという分野では、AI自体が直接的な競争相手になる日が来るような気がするんです。

 もし、退屈な誰かが、「エッセイでも読みてえなあ。できるだけくらだねえやつ」と鼻をほじりながら思った時、最初の選択肢に「んじゃ、AIに自分好みのやつを書いてもらおう」が来る世界――そしたら私のエッセイなんて、あっという間に要らない子です。


 なんだかなあ……もういっそのこと「AIに面白い文章を書かせる人」を目指した方がいいのでしょうか……。


 どんど曇り!


※「2025.5.27 あ、熊!の辞典(【は】~【ほ】)」参照

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