4.長崎カステラ
カステラがある。丸々1箱分だ。
箱を開けると、卵色のカステラがきれいに収まっていた。
カステラをつまむと、生地の砂糖らしいベタベタした感覚。下の紙は剥ぐと、茶色い生地がこびりつき、ザラメの跡がしっかりのこっていた。
一口いただく。
ふんわりとした生地と、溶けかけているザラメの食感が最高だ。優しい卵の甘さに包まれる。
二口、三口とじっくりと食べ進める。カステラは自ら進んで買おうとはしない。けれどもやっぱり、卵と、砂糖、小麦粉、水飴。材料がこれだけで幸せになれるのは素晴らしい。
蒸し焼きにされたこのお菓子は、「家主貞良」「加須底良」と書くらしい。当て字だ。なんか良い。
そういえばこの前、シンプルで特別な食べ方を教わった。
牛乳をとくとくと器に入れ、その中にカステラをドボン。じっくりと牛乳を染み込ませて食べる。
牛乳とカステラの甘みがマッチしてて良い。フニャフニャトロッとした食感や食べ方については、意地汚いなどと意見が割れそうだが、私は好き。朝食の代わりに食べるのが良い。
バターを乗せて焼きカステラにしたり、ティラミスの材料代わりになったりと、様々な食べ方があるカステラ。すべて試したいが、健康面もあるため、また別の機会にしたい。
抹茶やいちご、チョコやチーズ、ざぼんなど、色んなカステラがあるが、やっぱりシンプルが一番。スペインのカスティーラ地方、長崎、貿易してくれてありがとう。
……1箱分、食べきりそうだなぁ。しまった。