3.ガム
イライラしていると、何か食べたくなってしまう。そんな時に、ガムはとってもありがたい。
私は普段から動かない。というか、運動が苦手。
長く歩くと息が上がるし、足は痛くなるし、いざ実行すると、止め時が分からなくなって倒れかけるまで動いてしまう。
何かをはじめると、なかなか止まれないのが私だ。
食欲も、止められなくてイライラする。なので最近、大きな容器のキシリトールガムを買ったのだ。
容器の蓋を開け、正方形型の紫のガムを一粒、手に取る。表面はつるつるしているが、長く持っていると、少しベタベタとした肌触りにかわる。
口に入れて、飴のように舐める。
甘いぶどう味が、口の中に広がる。歯を立てると、コーティングが壊れてさらに甘みとケミカルな味が広がる。
噛み続けると、粘性のある塊に変化する。ひたすらガムを噛む。味がドンドン落ちていく。塊は小さくなるが、ガムだからなくなることはない。
コーラと一緒に飲むと、溶けてなくなるとか聞いたことがある。コーラはその場にないし、それをする勇気はない。
もう一粒、口に入れる。噛みごたえがあがる。
風船ガムを作ることができないのは少し悲しい。機会があれば、風船ガムを沢山買いたいものだ。
顎がつかれてくると、噛むのをやめて、飴のように舐め続ける。口の中で伸ばしたり、畳んで塊にしたりする。
緑の紙に吐き出して、包んで捨てる。大きく息を吐くと、ブドウの香りがした。
そしてまた新しく一粒、口に入り込む。ずっとクチャクチャ、くちゃくちゃと。そんな一時の休みであった。