国立魔導士学園
2作目の作品になります。前作[異世界の事情]に比べて、シリアスな内容となっております。
拙い作品ですが、楽しんで頂けると幸いです。
前作[異世界の事情]共々、宜しくお願い致します。
王都にある学園〈国立魔導士学園〉に入学する為、ユーリ達は、辺境の森から、王都へと引っ越しをした。
引っ越しの際には、親衛隊隊長のギニアスが、馬車を用意してくれて、移動に問題はなかった。
王都の屋敷に着くと、アイテムボックスに収納していた荷物を、グスタフの指示で、次々と、整理していくユーリ。
2日後には、学園の入学試験が、迫っていた。
そして、試験当日。
学園へと向かうユーリは、緊張していた。
試験にではなく、同じ試験を受ける同世代の子供達にだ。
ザシード家にいた時も、お披露目会などで、子供達と交流があったが、暗殺一家として、隙を見せないようにと、教育をされていたので、普通の子として、どう接すれば良いのか、分からなかったからだ。
試験は、座学と実技。
2年間の勉強のおかげで、座学は、それなりに出来たと思う。
そして、昼食を挟んで、実技の試験になった。
試験内容は、20メルド先の、5つの的に、魔法を当てる事だった。
ユーリの他の受験生が、魔法を放つが、的に当たったり、外れたりしていた。
どの程度が、合格ラインか、分からないユーリは、とりあえず、全ての的に当てれば、間違いないだろうと、魔法を発動した。
「アイスランス(×5)っ!!」
そう、5つの的に当てる事を考えすぎて、魔法を同時に放ってしまったのだ。
しかし、アイスランスは、全ての的を射抜いた。と言うよりも、破壊した。
静まり返る試験会場。
ユーリは、やり過ぎたのだ。
アイスランス自体が、中級魔法で、1年生が使える魔法ではない。
それを5つのも同時に放ったのだ。
試験を担当していた試験官も、度肝をぬく、魔法だった。
「あっ!」
と、やり過ぎた事に、気づいたユーリ。
そそくさと、試験会場を出て行くのだった。
そして、翌日。
試験結果が、発表となった。
試験結果は、学園の正門広場に張り出されていた。
結果は、
1位 ユーリ・マグドール
2位 ローズ・ガーネット
3位 トーイ・ネチル
4位 エミナ・ハービル
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だった。
なんと、ユーリは、首席合格だった。
その後、合格者には、白地に緑色のラインが入った制服と、教科書を配られた。
合格が分かったユーリは、すぐに屋敷に帰り、グスタフに合格したと報告した。
グスタフは、
「当たり前じゃ、誰の子だと思うておる。」
と、笑顔で祝福してくれた。
その日の夕食は、豪華な夕食になった。
翌日、真新しい制服に着替えて、学園へと向かったユーリ。
ユーリのクラスは、1-A。
成績優秀者がいるクラスだ。
緊張しながらも、教室のドアを開けて、自分の席に座るユーリ。
ユーリの席は、窓際の一番後ろだった。
すると、ユーリの横の席に座っている少女から、声をかけられた。
腰まで伸びた赤色の髪と、赤い瞳を持った、可愛らしい少女だった。
しかし、その少女は、
「あんたがユーリね。私は、ガーネット公爵家の長女、ローズ・ガーネットよっ!試験で良い成績だったからって、調子に乗るんじゃないわよっ!!負けないんだからっ!!」
と、何故か、宣誓布告されてしまうユーリ。
友達を作る前に、いきなりライバルが出来てしまった。
でも、そんなユーリに、救いの手が差し伸べられる。
ユーリの前に座っていた茶髪に黒目の男子が、
「俺はマルク・ハーミット。宜しくなっ!」
と、気さくに声をかけてきてくれたのだ。
ユーリは、
「僕は、ユーリ・マグドール。宜しくっ!!」
と、挨拶を返した。
いきなりのライバル登場だったが、友達も出来そうだと、安心するユーリ。
すると、先程、ライバル宣言したローズに、金髪ショートボム、金色の瞳の少女が、声をかけた。
「ローズ。いきなりライバル宣言は、やり過ぎだよ〜。あっ、私は、エミナ・ハービル。宜しくね、ユーリ君っ!」
「よ、宜しく。」
と、エミナと挨拶を交わすユーリ。
すると、予鈴が鳴り、教室に担任の先生が、入って来た。
「皆んな〜、席に着いて〜。私が、皆んなの担任のフランダ・エルゴよっ!これから、1年間、宜しくね〜。」
と、どうやら、明るい先生のようだ。
その後、出席確認を行うと、早速、授業が始まる。
「まずは、実技の授業からだよ〜。皆んな〜、訓練場へ、集合してね〜。」
と、言う事なので、訓練場に向かうユーリ達。
「今日の実技は、試験の時と同じ、的に魔法を当てるやつだよ〜。それじゃあ、出席番号順に、始めようかっ!」
と、試験時と同じ内容らしい。
順調に進んで行き、ユーリの番になった。
ユーリは、試験時にやらかしたと思っていたので、今回は、控えめにしようと、低級魔法を選択した。
「アイスアロー(×5)っ!!」
ユーリの放ったアイスアローは、見事に的に的中した。
しかし、クラスメイトは、
「「「「なっ!?」」」」
と、驚いていた。
実は、低級だろうと、同時展開する事自体が、凄い事だったのだ。
それに気付かず、魔法を放ってしまったユーリ。
彼は、自分がどれだけ、規格外か、分かっていなかった。
誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。
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