王都の観光
2作目の作品になります。前作[異世界の事情]に比べて、シリアスな内容となっております。
拙い作品ですが、楽しんで頂けると幸いです。
前作[異世界の事情]共々、宜しくお願い致します。
女王、アーシャとの謁見が終わったユーリ達は、一度、王都にあるグスタフの屋敷に向かった。
ユーリは、森の家のイメージを持っていたが、着いた屋敷は、ザシード家の屋敷と変わらないぐらい、大きかった。
中に入ると、保存の魔法をかけていたらしく、長期間、空けていたのにも関わらず、中は綺麗だった。
ただ、荷物らしいものは、ベット程度しか、残っておらず、引っ越す際には、大変そうだった。
屋敷には、風呂もあり、魔石を使って入れるとの事なので、今日は、ゆっくり風呂に浸かって、休めそうだとユーリは、思った。
明けて、翌日。
折角、王都に来たのだから、観光をしようと、グスタフに言われ、ちょっと、ドキドキしながら、グスタフと観光に出かけるユーリ。
流石、王都と言う事もあって、床は、石畳で舗装されていた。
まずは、再来年通う、学園を案内してくれると言うグスタフに着いて行くと、これまた、大きな建物があった。
再来年、自分が通うんだなぁと、改めて、グスタフに助けてもらって良かったと思うユーリ。
ザシード家にいたら、こんな幸運に巡り合う事は、なかっただろう。
その後は、中央市場に行き、串焼き屋などの出店で、腹を満たしたユーリ達。
中には、前世のクレープと同じ物が、売られていて、久々に、甘味を味わう事が出来たユーリは、ご満悦だった。
その他、魔道具屋に入り、見たこともない魔道具に、心惹かれるユーリ。
王都に引っ越した際には、いくつか買おうと、グスタフは、言った。
そして、今日のメインとなるのは、洋服屋。
ユーリは、着の身きままで、グスタフの家に転がり込んでしまっていたので、替えの服がなかったのだ。
一年も経てば、服は傷むし、成長期な為、サイズも合わなくなっていた。
だから、替えの服は、必需品だった。
いくつかの服と下着、靴を買ってもらい、アイテムボックスに収納するユーリ。
森の中を探索するのに、むいている機能性重視の格好だ。
その後、武器屋でも見に行くかと、グスタフに言われたが、それは、断った。
武器を見ると、どうしても、ザシード家の事を思い出してしまうからだ。
別に、武器が使えない訳ではない。むしろ、常人よりも、使いこなせる自信はあった。
そう言う訓練を受けてきたからだ。
対人戦闘にしても、そうだ。
武器なしでも、戦える格闘術を仕込まれた。
でもそれらは、全て、人を殺す技術だった。
かと言って、ユーリにセンスがなかった訳ではない。むしろ、センスの塊だった。
それは、前世で、中国拳法を習っていたからだ。
父親のグラン・ザシードは、そんなユーリを褒めた。
でも、そんな過去を思い出したくないので、普通なら、年頃の男の子が、興味を示しそうな武器には、惹かれなかった。
決して、武器=〈暗殺〉ではない。
武器は、護身用だったり、魔物を討伐するのに、必要な物だ。
頭では分かってはいるが、幼少の頃から、仕込まれた〈暗殺〉の二文字が、頭から離れないのだ。
そんなユーリを際したグスタフは、無理強いしなかった。
この子は、根が優しい過ぎると、グスタフは思った。
その後、食堂で美味しい夕食を取った二人は、屋敷に戻った。
明日は、王都を離れる。
再来年の入学までに、覚えなくてはいけない事も多い。
また、その期間で、ユーリの心の傷が少しでも、回復出来れば良いと思うグスタフだった。
王都から、森の家に戻ったユーリを待っていたのは、勉強だった。
文字の読み書きは出来るし、計算も出来る。
あと、足りないのは、世界史と歴史だった。
この世界は、6つの大国で成り立っている。
ユーリが住んでいた、トランザ帝国。
今、住んでいる、エイトピア共和国。
神を信じる国、レムニス神聖皇国。
あとは、バラン王国、アヴァロン王国、ゲドニア大国。
エイトピア共和国は、人種差別のない平和な国。
当然、奴隷制度もない。
ユーリの住んでいた、トランザ帝国は、実力主義国家で、
人種差別も奴隷制度もあった。
レムニス神聖皇国は、信徒と信徒でないとでは、扱うが違う人種差別のある国。
バラン王国は、エイトピアと同じで、人種差別も奴隷制度もない。
アヴァロン王国は、トランザ帝国と同じで、人種差別と奴隷制度がある国。
ゲドニア大国は、奴隷制度がある国。
エイトピア共和国には、4つの騎士団がいて、親衛隊の白薔薇騎士団。翼竜ワイバーンを駆る、黒龍騎士団。国の守り手、赤堅騎士団。外敵駆使の、青鷲騎士団。
などなど、覚えなくてはいけない事が沢山あった。
こうして、魔法の勉強の他に、学園に入学する為の勉強をして、あっという間に、2年が経った。
誤字等あると思いますが、楽しんで頂けたけたら幸いです。なるべく間隔を開けずに投稿しますので、続編も宜しくお願いします。
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