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太閤秀吉の可愛がりし猫のこと 出羽国に角の生えたる魚打ち上げられしこと 和蘭人の言ひし剱のこと

作者: 小城

 今は昔、豊太閤存命の砌、彼の愛したる猫あり。彼の猫大坂の城中にて放し飼ひにされてなむ侍り。この猫のあるとき蔵の裏に居るを石田治部少輔見つけたるに「彼の猫妖し。如何に蔵の裏にて居侍るなりや。」といふ。皆此れを聞くに「治部少の物知らざりしことよ。彼の猫蔵の鼠を取らむとし候也。」と嘲いける。太閤人よりこの話を聞くに「三成の猫の心知らず況んや人の心をや。」と語りしなりと。 


 今は昔出羽国に角の生えたる魚打ち上げられたるあり。その魚既に形朽ちて鰐に喰われたる様なり。丈は一丈程にて鯨のやふなる形なりしが口より長さ六尺程の角の生えたるなり。土地の聖申すにこれは唐の国にていいける仙魚にして仙人の乗り物なりと。土地の者共それを聞き恐れおののきてその魚を再び海に流し侍るとぞなむ。


 和蘭人の曰く。世にだいんすれいうぶといいし剱あり。その剱魔剣にしてひとたび鞘より抜かれければ生き血を吸するまで再び鞘に収まりしことなしと。その剱丁抹といいける国の王にして経倶丹といふ者の持ち物なりと。またいふ。からどぼるぐといふ剱ありと。その剱雷神の化身にしてその身伸縮自在なりと。この剱まくろいといふ者の所持したるものなりと。

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