トリップ鹿野さん
前より一週間早い投稿だからセーフとか言いません。
待っていてくださった読者の方々にはマジで頭が地面に埋まる思いです。地味に評価も増えてますし…。
原○……あれは時間奪いゲー過ぎる…。特にすることもないのにフィールドをウロチョロしちゃう。
ピンポーン。
週末。バレー部の練習を終えて、夕方に差し掛かる頃。家で若干の筋肉痛を感じつつ、谷口から借りたバレーボールを抱きながら原○を楽しんでいるとインターホンが鳴った。
N○Kが理不尽な請求書を持って来たかもしれないので、予定のない来客は俺とお姉は居留守にしている。
「はーい。今行くわー」
と、隣の部屋のお姉が玄関へ向かった音がした。
どうやらお姉のお客さんのようだ。
……あれ?でもお客さんが来る時って、お姉は前もって教えてくれて………
と、そこで階段を駆け上がり、走ってくる音が聞こえてきた。
ダッダッダッダッダ……ガチャッ!
「こんばんは桐ヶ谷君!遊びに来たよっ!」
「帰れ!そしてノックを覚えてから出直してこい!」
まるでアポなしの突撃晩ご○んのような、はた迷惑な登場の仕方をした鹿野さんを一度家から追い出した。
部屋からではなく、家から。
―――――――――――――――――――――――――――
「全く…。部屋に入る時はノックをしろと教わらなかったのか?いや教わらなくても知ってるだろ普通」
「ごめんなさい…。桐ヶ谷君と一緒に夕ご飯を食べられると思ったら、ついテンションが上がってしまいました…」
お姉が「さすがに外は可哀想」と言うので、只今リビングで鹿野さんを正座させてお説教中。
俺が自宅でもちゃんとズボンを履く人間だから良かったものを……人によってはパンツ一丁、下手したら全裸だぞ。本当に危ない娘だ。
「そうよ鹿野さん。誠だって男の子なんだから、エッチなDVDを見てたら気まずくなるでしょ?」
「そうじゃねぇ!いやその可能性もあるけど、隣の部屋にお姉がいるのに見れる訳ねぇだろ、そんなもん」
「……み、見るのは否定しないんだ…」
「聞かなかったことにしなさい」
はぁ……ただでさえ部活で疲れてるのに、余計疲れたな…。
ていうか鹿野さんが来るなら来るって言って欲しかった。知ってたら少しは格好に気を遣ったのに、今はTシャツに短パンとかなりラフな格好だ。
「さすがにこんな“みったくない”格好は他人に見せたくなかったんだがな…」
「みったくない…?」
「あ……気にしないでくれ。それで?鹿野さんはなんで家に?」
思わず母さんの故郷の方言が出てしまった…。矯正しても、家だと油断してたまに出ちゃうんだよな。
まぁ、それは置いといて鹿野さんに要件を聞く。
鹿野さんはお説教タイムが終わったのがわかり、立ち上がって満面の笑みで答えた。
ちゃんと反省してるんだろうな…。
「うん!今日ね、レッスンが終わったら理乃先輩に料理を教えてもらう約束をしてたんだ。それで、せっかくだから一緒に夕ご飯を食べようって話になって」
「ああ……だから俺と一緒に飯食えるって喜んでたのね」
「うん。桐ヶ谷君と学校以外で一緒にご飯を食べれると思ったら、なんだか嬉しくなっちゃって……ごめんね。変だよね?」
鹿野さんは頬を赤くしながらそんなこと言う。
俺だってそこまで鈍感じゃないから、鹿野さんの気持ちに気付いてない訳では無い。
だからそんな表情で言われると、俺も少し照れてしまう。
「ああ……そう…。まぁ俺も嬉しいよ、鹿野さんと一緒に飯を食うのは」
「ほ、本当!えへへ……桐ヶ谷君もそう思ってくれてただなんて、もっと嬉しくなっちゃうよぉ…」
鹿野さんはさらに頬を赤く染めて、ニヤニヤと少々だらしない顔になった。
アイドルのしていい顔じゃないが、今は完全プライベートだから構わないだろう。
「……………その、準備にまだ少しかかるから、イチャイチャするなら別の場所でお願いして良いかしら?」
「イチャイチャ?してないですよ。ねぇ桐ヶ谷君?」
「……そうだねーイチャイチャじゃないねー(棒)」
「ほら!桐ヶ谷君もこう言ってますよ!」
「……………」
適当に鹿野さんに同意したら、ジトーっと睨まれてしまった。
ジト目で魅力が増すお姉は嫌いじゃない。
「そうだ!料理の準備が出来るまで、一緒にバレーしようよ!桐ヶ谷君ちのお庭って、軽く運動出来るくらい広いんでしょ?」
「そうだけど……なんで知ってんの?」
「理乃先輩から教えてもらった!」
この間のライチはそういうことか…。たぶん料理のこともあのライチで話し合って決めたんだな。
「お姉、次からはちゃんと鹿野さんが来ることを前もって教えてくれよ?」
「……………ええ。わかったわ」
「え?なに今の間は」
「なんでもないわ。それより早く庭で鹿野さんとイチャイチャ……もとい、バレーの練習してきなさい。胸焼けしそうだわ」
「へいへい。鹿野さん、ちょっと待ってて。部屋からボールを……」
鹿野さんに声をかけるが、鹿野さんは驚いたような顔で俺を見ていた。
稀によくある不思議な表情だ。
「どうした?そんな鳩が豆鉄砲をくらったような顔して」
「……ううん、なんでもなーい。桐ヶ谷君って、よく天然タラシって言われない?」
「一度も無いね」
まるで俺がラブコメの主人公みたいじゃないか。
勘弁してくれ。ヒロインたちを惚れさせまくる罪づくりな男にはなりたくない。
「ふーん、そうなんだ…。……………えへへ~…。そっかぁ、また来て良いんだぁ~……えへへへへ~…」
「おーい。今めちゃくちゃだらしない顔してんぞー。ふへへのアイドルよりもアイドルらしからぬ顔になってんぞー。戻ってこーい」
「桐ヶ谷君にぃ、また遊びにおいでって言われちゃったぁ~♪」
「は?……いや似たようなこと言ったけど、そんな美男美女限定のカッコイイセリフは言ってねぇぞ」
「もう!桐ヶ谷君ってばいつも私に嬉しい言葉を掛けてくれるんだから~!」
「うわ、うっざ…。いつもと違ったウザさに久し振りにイラッとしてきた」
ダーメだこりゃ。完全に自分の世界に入ってしまっている。
う~ん…。俺はただ、これからもお姉に料理を教えてもらうだろうから、その時は事前に教えてくれっていう意味で言ったんだが……幸せそうだし、放っておくか。
(それに彼女のこういう、だらしな可愛い姿は……まぁ、割と好きだし)
そんなことを思っている自分に、なんか俺気持ち悪いなと苦笑しながら、部屋にボールを取りに行った。
「えへへ~……って、桐ヶ谷君!?あれ?どこ行ったの?」
「貴女がトリップしている間にボールを取りに行ったわよ」
次は2週間以内を目標に投稿したいです。(出来る気しない…)
ですが必ず投稿はするので、これからも応援してくださると幸いです。
ブクマ登録や評価、感想をくださると作者のモチベが上がります。




