コッソリ付き合ってそうな芸能人
あまりにも眠くて、八割くらい頭が眠った状態で書いたので、文がおかしいかもしれません。
おかしい点があったら、遠慮なく言って下さると幸いです。
ファミレスで勉強した翌日。月曜日。
世の学生たちは短い休みの終わりを嘆くのだろうが、俺とお姉にとっては平日も休日も変わらない。
そもそも休みの終わりを嘆く学生は、学校自体が単純に面倒臭いという奴もいるだろうが、ほとんど勉強が苦手だったり嫌っている奴らばかりだろう。
勉強に関しては俺とお姉は特に問題ないし、基本的に放課後や休日にどこか遊びに行くということもない。隆二と総司に誘われても、ほとんど面倒の一言で断ることが多い。
だから俺とお姉にとって、結局のところ平日も休日も変わらないのだ。
……………だが今となっては、そんな風に思えてた日々が只々懐かしい…。
『本日のドコ調では、【コッソリ付き合っていそうな芸能人】を調査しました。一般の方々から見て、仲が良すぎるあまり、実は裏で付き合ってるのでは?と思われてる芸能人たちをランキング形式で発表していきます!』
朝のニュースのバラエティコーナーに次々と芸能人の写真が映し出される。この芸能人たちがコッソリ誰かと付き合ってると思われてる人たちなのだろう。
その中には、俺と鹿野さんの写真もあった。
「やっぱおかしくね?鹿野さんはともかく、なんで俺がいんの?」
「あれだけ騒がれてれば、調査対象にもなるわよ。というか、ここで映ってるってことは、許可は出したんでしょ?」
「まぁな。どうせ調べても何も出てこず、徒労に終わるだろうから、許可は出したよ。出演料も美味しいから、俺にとっては良いこと尽くめだ」
「そう思ってるのは、当人だけかもしれないけどね」
お姉が言いながら朝食の焼きジャケを口に運んで、「完璧」と言う。朝食はお姉が作ってるので、完全に自画自賛である。
「どういうことだよ?」
「見てればわかるわ」
そう言われて、再びテレビを見る。
五位から発表されており、今は三位のところであった。
『さぁ!いよいよ、第三位の発表です!第三位は、大人気アイドルユニット『シリウス』主演のドラマに出演する事で話題の、桐ヶ谷誠さんです!』
「ほらね?」
「誠に遺憾である」
「誠だけに?」
「何もかけてねぇよ…」
一体俺が誰と付き合ってるように見えてるんだ?などとラノベの鈍感系主人公のように白々しく考えてみるが、親しい関係のある芸能人なんてシリウスしかいないんだから、それしかないだろう。
その中でも特に親しく、明らかに付き合ってる疑惑を向けられる相手は、まるでご主人が好きで好きで堪らない犬のように接してくる鹿野さんだろう。
曇天☆夕立レストランでも、視聴者から見た俺と鹿野さんの仲は、かなり良いように見えてただろうしな。視聴者からしても、鹿野さんが一番の有力候補だろう。
だから俺は、恐らくお姉も、俺が付き合っていそうな相手は鹿野さんだろうと思っていた。案の定、アナウンサーが出した名前は……
『桐ヶ谷さんがコッソリ付き合ってると思われてるお相手は……シリウスのアルファさんです!』
「「なんで!?」」
俺とお姉二人して、驚きの声を上げる。あのお姉が目を大きく開く程に、衝撃的な結果であった。
全然案の定じゃ無かったわ!?
というか、え?なんで俺と二条院さん?そんなにテレビで親しくしていた覚えは無いんだけど?
「誠。二条院さんと何かあったの?」
「何かって、それを言うならどちらかというと、鹿野さんだと思うけど…。り、理由!とりあえず、理由見てみよう!」
俺とお姉は朝食を食べる手を止めて、テレビを食い入るように見る。
テレビには一昨日のシリウスのライブの様子が映し出されていた。
『こちらは一昨日行われたシリウスのライブなのですが、関係者席に座る桐ヶ谷さんをよ~く見てみますと……なんと!『アルファLOVE』と書かれてる応援うちわを振っているのがわかります!』
あ、あれかー!?あれが原因で二条院さんが俺と付き合ってる芸能人として選ばれたのか!?
それだけならまだ、「仲が良いんだなぁ」程度で済みそうなもんだがな…。だって、所詮は応援うちわだぞ?『アルファLOVE』と書かれてるからって、それだけで二条院さんが選ばれるとは思えないけどな…。
画面が変わり、番組スタッフが投票した人にインタビューしてる様子が映し出される。
『なんで桐ヶ谷誠さんとコッソリ付き合ってそうな人が、一番仲が良さそうなオリオンさんではなく、アルファさんなんですか?』
『やっぱり、桐ヶ谷さんとオリオンちゃんは……なんかこう、普段からめちゃくちゃ仲が良いんだけど、でもそれ以上の発展はしなさそうな感じがします』
『友達以上恋人未満ということですか?』
『そう!それです!あれだけオリオンちゃんと距離感が近いのに、なんか桐ヶ谷さんは全然オリオンちゃんのことを意識してなさそうだし、それだったらライブで応援してたアルファちゃんと実は付き合ってて~……みたいな感じで―――』
そ、そうなのか…。一般の人から見たら、俺と鹿野さんは恋人のような関係ではなく、『友達以上恋人未満』の関係に見えるのか…。本当に意外な結果だ。
まぁ、逆に安心したな。鹿野さんはいつも俺との距離が近いから、いつマスコミに『熱愛発覚!』と、ありもしないネタをでっち上げられるかわかったもんじゃないからな。
そうなると鹿野さんの芸能活動に支障をきたすし、俺の家の前にマスコミ連中が出待ちして近所迷惑になりかねない。何より俺が面倒だ。
インタビューが終わり、再びアナウンサーの説明が入る。
『オリオンさんと付き合ってるように見えるという意見ももちろんあったのですが、やはりアイドルということもあり、『付き合ってるなら、あんなあからさまに仲良くしない』という意見が凄く多かったんですね。なので、普段は交流が少ないアルファさんの応援うちわを振っていたことから、桐ヶ谷誠さんはアルファさんと裏でコッソリ付き合ってるように見えたそうなんですねぇ』
なるほど。あくまでテーマは『コッソリ付き合っていそうな芸能人』ということだから、俺と二条院さんがそれに選ばれたのか。
そういうことなら仕方ない。二条院さんには申し訳ないが、この結果は甘んじて受け入れよう。
ただ単に、番組側がバラエティ用に面白おかしくしているだけで、この手の話題は三日も経てば皆忘れてくれるだろう。
「なんだか、鹿野さんが可哀想だわ…」
お姉は鹿野さんのことを哀れんでいた。
「まぁ、今の番組見てたら『私が一番桐ヶ谷君と仲が良いのに~!』って拗ねてそうだな」
「そういう事ではないのだけれど……まぁ良いわ。もし鹿野さんが落ち込んでたら、ちゃんと慰めてあげなさいよ?」
「え~、俺が?……鹿野さんが落ち込むとか、考えられねぇんだけど…」
「もしもの話よ」
とりあえず、早くご飯を食べないと学校に遅刻しそうな時間になってきたので、この話題は一旦終わりにして、急いで朝食を片付けて学校に向かった。
にしても、俺が二条院さんとねー……無いな。そんなの想像出来ねぇし、付き合えたとしても自然消滅しそうだ。
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