ジェスチャーゲームのSSR
遅めの五月病から復活。どうも結城ナツメです。
初めて五月病にかかりましたが、あれは確かに病気ですわ…。
起きる気力すら湧いてこないあの感覚はヤバいですね。
「さぁ!逆転につぐ逆転が繰り返されてきた、クイズ!家族王決定戦……この問題で、いよいよ勝者が決定致します!」
長く続いたクイズ番組も、いよいよ最後のお題。
休憩が終わってからの天野さんは煽られたせいか、調子が格段に上がり二度ほど逆転を許してしまった。
いやー。あの人って煽られたら本領発揮するタイプだったんだな…。
スミルノフ夫妻もかなり検討しているが、一位の俺らとは100ポイントも差が開いている為、問題次第では逆転は難しい。
ちなみに天野家とは30ポイント差。結構ギリギリの勝負。
「それでは、最後のお題を発表します―――」
最後のお題は、二条院さんが発表する。そのお題とは―――
「やはり家族同士の戦いというのは、こうでなくてはいけません。『家族対抗!シリウスとジェスチャーゲーム!』です」
発表と同時に拍手がスタジオ全体に響き渡る。
シリウスとジェスチャー?シリウスのジェスチャーを見て答える感じか?
知恵比べではなくなったな…。
「こちらの問題では、各チームの代表者一名がシリウスの一人と共にジェスチャーをしていただきます。制限時間制で、三分間与えられます。三分間のうちにどんどん問題が出され、一つ正解するごとに20ポイント加算されます。なので表現力の高い方がジェスチャーすると良いですね。家族との絆も試されます」
ああ。シリウスとジェスチャーゲームってそういうことね。
うちで表現力が高い奴ってなると……
「理乃。ここは誠が行くべきではないかしら?」
「そうね。私と母さんでは細かすぎて伝わらない可能性があるわ。私たちよりかは大雑把な誠の方が適任な気がする」
「ということで誠。いってらっしゃい」
「俺に拒否権はねぇのかよ…」
「家庭では女の方が立場が上ってご存知ない?」
「ちょ、お姉の家庭に対するイメージが怖いんだけど…」
確かにお姉と母さんには逆らえない気がするけど、ここまで拒否権のないことなんて今まであったか…。
あれですか?俺が出た方が番組が盛り上がるとか、そういう狙いですか?そうなんですねそういうことにしときます!
「まぁ別に構わないけどさ…」
「お!桐ヶ谷家チームは誠君が出る感じですか?」
「あ~、そうみたいです。よろしくお願いします」
「わかりました!それではちょっと撮影時間が押してしまってるみたいなんで、先に桐ヶ谷家チームから行きましょう!」
ということで、最初にジェスチャーすることになった俺たち桐ヶ谷家チーム。
宮海さんの指示で、お姉と母さんは司会席の前に用意された座席に移動。司会席上のモニターに問題が出されるらしく、そのお題に次々正解していかなければならない。
5問は正解しておきたいな。天野家チームは三人だから、この一人という人数差はかなり大きいだろう。
特に天野大翔さん。あの人の調子はどんどん上がっている。
ジェスチャーという知恵比べとはかけ離れたお題だが、あの人の調子次第では逆転負けは大いにありそうだ。
てかあの人に限らず、あそこはプロの役者家族だぞ?ジェスチャーが下手な訳がない。きっと天野家にはかなり有利なお題だろう。
「せめて、10問は正解しておきたいな」
「10問!?なんと10問正解したいそうですぅ!これはかなり自信があるようですね~」
最後は思わず口に出してしまい、それを宮海さんに聞かれてしまっていた。
ん?あれ。もしかして意気込みを聞かれてた?
……やっべ。ハードルめっちゃ上がったじゃん…。パートナー誰よ?
「それでは誠君。こちらのくじをお引きください。赤い棒が出ればオリオンちゃん。青い棒が出ればアルファちゃん。黄色い棒が出ればイシスちゃんでございますぅ!」
くじかよ。そっちで選出するんじゃねぇのかよ…。
うわぁ。ここで運試しとか辛いんですけど…。俺は最近、とあるゲームで三十連でヴァンパイア少女を三枚抜きしたり、またあるゲームで王様系冒険者引いたり、超人気のオープンワールドゲームでSSRのスパイキャラとSRの忍者キャラも引いたりしてんだけど……ほぼ無課金で。
ガチャ運で運を使った後なのに、ここでまたガチャ運が試されるのかよ。は~辛っ。
絶対鹿野さんを引いちまうよ(失礼)
いや、鹿野さんがはずれとか失礼にも程があるな。むしろあの人もプロの役者ではあるんだから、当たりの部類だろう。
一番未知数なのは藤堂さんだな。あの人は天然だからな~……偏見だろうけど、天然な人って頓珍漢なジェスチャーしそう。
二条院さんは冷静沈着で、三人の中では一番頭脳が高い。きっと適切なジェスチャーが出来るし、一番安定しそう。
うわぁ。怖いなぁ、このくじ…。
だがここで尻込みしても仕方ない。腹をくくって、この手前のくじを引くぜ!
うおー!唸れ俺のガチャ運ッ!
目をつむり、気合を入れて棒を手に取り、引き抜く。そしてゆっくりと目を開けていくと―――
「……………あ、青い棒?」
てことは……
「青い棒!アルファちゃんでございますぅ!」
「よっしゃーーー!SSR来ちゃー!?」
「おーっと!誠君思わず魂の叫びを上げはりましたぁ」
「ちょっと桐ヶ谷君!アルファちゃんがSSRなら私は何なんなのさ!?」
「さーて、10問正解するぞー(棒)」
「こらー!逃げるなー!?アルファちゃんよりも正解して、後で後悔させてやるからねーっ!」
ごめん鹿野さん。こればっかり安定を取りたかったんだ。
あとでいくらでも愚痴を聞くからさ。許してくれ…。
なんのゲームのガチャかわかる人にはわかる。
ちなみに全部作者のガチャ結果です。
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次は『俺が銀髪美少女に幸せにされるまで』を投稿します。
https://ncode.syosetu.com/n5786hn/
あと、毎日投稿は厳しいですが、なるべく三日以内には次を投稿したいと思います。




