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陰キャ男子高校生と天真爛漫なアイドル  作者: 結城ナツメ
陰キャ男子高校生と天真爛漫な―――
105/112

クイズ!家族王決定戦!3 母、静香。大活躍

AP○Xをやってたら遅れました…。

まさか六時間もやっていたなんて…。

 順調に問題が進んで、早押しクイズのラスト二十問目。

 ジャンルは英語で、次の例文を日本語に訳すというもの。

 問題は『My dad gave me a surprise accessory for my birthday』。


 スミルノフ家チームが旦那さんの活躍で70ポイント。

 天野家チームは平均して高水準の頭脳を持っているみたいだ。ただ早押しが苦手なせいで、50ポイント止まり。


 そして俺たち桐ヶ谷チームは70ポイント。ここで傍観してはスミルノフ家チームに追い抜かれそうなので、問題が出た瞬間にボタンを押した。


「父が私の誕生日に、サプライズでアクセサリーを贈ってくれた」


 ピンポーン!


「正解です!最後のポイントを取ったのは桐ヶ谷チーム!よって合計80ポイントと、桐ヶ谷チームが一歩リードしました!」


 ふぅー。意外と接戦だな。

 2、30ポイントくらいは他チームより先制しときたかったんだけど、アンリさんを除いた全員が平均以上は勉強が出来るみたいだ。

 母さんが勉強出来るのマジで意外だったけど。まさか二日でポイントの半分を取れるまで仕上げて来るとは。


 この言葉は完全に逆かもしれないけど言わせてほしい。

 流石は俺とお姉の母親。地頭はかなり良いらしい。


 宮海さんが一チームごとに最初のお題の感想を聞いてまわる。

 スミルノフ家チームは「ダーリンがいなければもう終わっていた!愛してるダーリン♪」とバカップルな様子を見せ、天野家チームは「次から挽回していきたい」と意気込みを言った。

 うちのチームは一人で40ポイント取った母さんに焦点が当てられ、母さんは淡々と「インプットしたことを口に出す度に知恵熱出そう」と発言して、宮海さんにそれをツッコまれた。


 そしてそれが終われば、あまり息つく暇もなく(主に母さんが)、次のお題が発表される。


「―――最初のお題が終了したところで、桐ヶ谷チームとスミルノフ家チームが接戦してるように見えますねぇ。ですが!まだまだ始まったばかりでございますのでね、これから出されるお題次第では全然、天野家チームの逆転もあり得ます!なので皆さんどうか油断せずに挑んでいただきたいと思いますぅ。続いてのお題、アルファちゃんお願いします!」


「かしこまりました。次のお題は、『家族対抗!この問題、貴方たちに解ける?』」


 二条院さんのコールと同時に観客席から拍手が鳴り響く。

 これもまたお題から内容を察することが出来るなぁ…。


 タイトルコールした二条院さんが、そのままお題の説明を続ける。


「こちらのお題では、一チームから他のチームに対して問題を出題する、完全なチーム戦となっています。出題された側のチームは相談しあい、ただいまお配りしたホワイトボードに答えを書いてください。問題を正解することが出来れば、そのチームには10ポイント。どのチームも正解することが出来なければ、出題したチームに20ポイント加算されます。なので出題者側になった時に、如何に難しい問題を出すかがカギとなります。……言うまでもないですが、ちゃんと出題者側が答えをわかっているものでお願いします。時間制限が一分設けられてますので、そこに注意してください」


「要は薀蓄(うんちく)バトルってことだよね?自分たちの知識自慢対決。学校の勉強しかしてなさそうな桐ヶ谷君には不利そうだね~」

「しか……オリオン、アンタ親しき中にも礼儀ありって言葉知ってるか?」

「ひぃ!?これは後でお仕置きされるパターン!?助けてイシスちゃんっ!」


「えぇ!?えっと……自業自得なので、大人しく切腹しましょう!」

「私そんな重い罰を受けるようなこと言った!?」


「薀蓄でなくとも、純粋に難しい計算問題などを出題しても大丈夫です。皆さん頑張ってください。なお、こちらのお題は三週して行います。なのでもし出題した問題を解かれずに全問正解した場合は、合計で120ポイント!を、獲得出来ます」


 二条院さん。段々、鹿野さんのおバカな言動をスルーするようになってきた気がする…。ストレス溜まってるのかな?

 ……ん?なんか二条院さんが俺のことをめっちゃ見て来てるような…。


(桐ヶ谷君。120ポイント取っちゃっていいわよ。その方が番組は盛り上がるから)


 ……とでも言いたげな目に見える。なぜそう見えるのかって?さっき120ポイント獲得出来るってところだけ、妙に強調していたからだ。

 俺は右手の人差し指と、左手の人差し指と中指で1と2を作り、最後に自分に指をさすジェスチャーをする。


 (俺らに120ポイント取れって言いたいの?)と。

 すると二条院さんは親指を立てて、サムズアップを返して来た。

 ……………意思疎通出来てるか怪しいけど、概ね二条院さんの言いたいことはわかった。


 120ポイント取って観客をわかせろと言いたいのだろう。

 全く無茶を言う…。鹿野さんのアドリブに合わせるのと同じくらい無茶な要求だ。

 他のチームが一体どんな問題を出してくるかわからないのに。


「はい!アルファちゃんありがとうございますぅ。それではさっそく、一週目を始めましょう!最初の出題者は、スミルノフ家チームからです!」


 特にここ!外国人チームが相手とか、余計に難儀を極める!

 ロシアのことを問題に出されたら、俺は正解出来んぞ…。


「うーむ。そうですね~……ロシアの名産品を三つ書け!っていうのはどうでしょう!」


 ほらぁ!嫌な問題を出してきた!こんなん正解出来るかぁ!?


「アンリ。流石にそれは鬼畜だよ…」

「おーっと!アンリさんこれは完全に勝ちに来てはりますねぇ!バラエティなんてお構いなしって感じです!」


 アンリさんの旦那さんも宮海さんも、これには引いてる様子だ。……いや宮海さんは普通に楽しんでるわ。

 しかしどうしたものか…、ロシアの名産品なんて、マトリョーシカくらいしかわからんぞ…。


「とりあえずマトリョーシカは書いといて……あと二つはなんだと思う?」

「誠。それ貸しなさい」


 そう言って俺からホワイトボードを奪うようにして取ったのは、なんとまさかの母さんだった!

 えっ……なんも迷わずにスラスラと書いてってるけど、大丈夫なのか?さっきは確かに大活躍だったけど、ロシアの名産品とかわかんの?


「さぁ!皆さん書き終えたようです。お手元のボードを、どうぞ!」


 宮海さんの声に合わせて、天野家チームと共にホワイトボードを出す。


 アンリさんはその答えを見て……


「……くっ!桐ヶ谷家チーム、正解です!」


 当たったー!?え?噓だろ……うちの母ちゃんマジで大活躍なんですけど…。

 なお出した答えは、『マトリョーシカ、キャビア、ボルシチ』である。


 ボルシチってロシアだったんだ……なんとなくフランスだと思ってた…。

 天野家チームは『マトリョーシカ、キャビア』までは書いてるが、あと一つが書けていなかった。


「母さん。なんで知ってるの?」

「結婚する前、あの人とよく海外に旅行に行ってたから」


 お姉の質問に淡々と答える母さん。

 なるほど。今回は母さんの経験が物を言ったか。こりゃあ今夜は母さんに足向けて寝れねぇわ…。

ボルシチってフランスだと思ってた…。(by作者)


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次もこちらを投稿します。

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