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きみのことがすきだよ

Tへ



これを読んでいるって言う事は、私はもうこの世にいないって事だね。


君にだけは、伝えておきたいことがあるんだ。

かしこまって、なんだか恥ずかしいなぁ。えへへ。


私ね。ほんとは、君が好きだったんだ。

こんなこと言ったら、また嘘だって笑うんでしょ。


だから、君が信じるまで、何度だって言うよ。

私は君が好きなんだよって。

笑った顔の目尻のシワも、誰かを想って泣く優しさも、私の「名前」を呼ぶ声も。ぜんぶぜんぶ、愛してる。


ごめん。字が震えてるね。


君に初めて会った日、病気が治らないなら、いっそ魔物に襲われて死にたいって思って、森に入ったんだ。でも、へんてこな格好をした君が、フラフラしてたから、思わず声をかけちゃった。君のお腹の音があんまりにも大きいから、2人して笑ったね。


あれから、いろんなことがあった。

私にだけ枕元でしてくれたお伽話が、「本」として国中に広まった時は、ちょっぴり嫉妬しちゃったな…。ふふ。目が見えなっていく私の、世界を広げてくれたのは君です。ううん。私だけじゃ無い。この国のみんなが、君のおかげで夢を持てたんだ。


ありがとう。


もっと一緒にいたかったなぁ。

元の世界でも元気でね。



K

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