魔法と出会い
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クラルテは優しい。
クラルテは何も知らない俺にわからないことを教えてくれる。
俺が一つのことを聞くと、二つや三つ返ってくることもある。
クラルテは賢い。
俺は正直にそう思う。
クラルテに対して想いを馳せていると、クラルテが俺の顔をまじまじと見始めた。
一体なぜ俺の顔を注視しているのだろうか?
「魔王様」
「なんだ」
とりあえずここは普通に返事をする。
「魔王は魔法が得意なんです。いわゆるエキスパートなんですよ!魔王様はなにか、すごい魔法とか出来ないんですか?極太のレーザーが出るとか!」
魔王は魔法のエキスパートなのか。
魔法ってどうやるんだ?
なにかを出力するのだろうが、いまいちパッとしない。
「クラルテ、わからない」
「えっ!そうなんですか?お母さんに聞いた話だとすごい魔法ができるはずなんですけどねえ...」
クラルテが考え込んでしまった。
俺も考えるが思考の器の中には水滴すら入ってこない。
さてどうしたものだろうか?
俺がない知恵をフル回転させていたら、クラルテがハッとした顔で俺の方を見上げる。
「魔王様!」
「なんだ?」
「まず魔王様は魔法を使ってみてはどうでしょうか!魔法を使えばある程度その人の属性がわかるんです!」
「そうなのか?」
「そうなんです!では早速魔法を使ってみましょう!」
クラルテはそういうが、魔法の出し方すら俺にはわからない。
「クラルテ、やり方がわからない」
「ええっ!そこからですか?しょうがないですねえ。私がきっちり教えてあげましょう!」
クラルテが得意げにしている。
俺に教えることが嬉しいのだろうか?
ただクラルテが嬉しそうならわざわざ横やりをさすこともないだろう。
クラルテが説明を始めた。
「魔法はですね、まず魔力を感じとるんです。そこからまずはやってみましょう!身体の中心になにか熱とか力を感じませんか?ちょっと歩くのをやめて目を閉じて集中してみましょう。」
俺は言われた通りに、歩むのをやめ、目を閉じて集中する。
身体の中心...
どこだろうか?
ここら辺だろうか?
俺は集中して、その魔力というのを感じとろうとする。
ここか?
なにか力の源、あるいは源泉のようなものを感じとることができた。
「クラルテ、あった」
「ありましたか。さすが魔王様ですね。普通の人はこれを何日もかけて練習するんですよ?まあとりあえずそこは合格ですね!」
クラルテは満足げに胸を張っている。