少女との出会い2
俺たちは横並びで踏み固められた道を歩く。
そして先ほどの名前の件について、俺はクラルテに尋ねる。
「クラルテ」
「はい、なんでしょうか?魔王様?」
「俺の名は?」
「ちょっと待ってくださいよ〜!今考えています。」
無言で考えながらも歩は進める。
「魔王様、なにか気になるものとかありますか?魔王様の好きなものを少しもじって名前にしちゃおうと思うんです。」
「俺の好きなもの?」
そんなことを考えたことは一度もなかった。
俺の好きなもの...
教会?
別に好きではない。
山?
まあ景色が綺麗なのはいいものだった。
そういえば、好きってどんな感情なんだ?
それがわからないと質問に答えられない。
ここは正直に言おう。
「クラルテ、好きがわからない...」
「そうですか〜...名前は何にしましょうか?」
クラルテは俺がわからなくても責めてこなかった。
そのことになぜか俺はホッとした気がした。
なんなのだろうか?
この気持ちは?
「クラルテ」
「なんでしょう?」
この気持ちの答えはきっと、そう。
「ありがとう」
「どういたしまして!でもなんのことですか?」
「わからない」
「なら仕方ないですね!」
クラルテといるとなぜか不思議な気持ちになってしまう。
でも答えはきっとこれでいいはず。
俺は心の中でそう思いながらクラルテと並んで歩く。
ポイント(`・ω・´)