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レッツトライ

のほほん


ああ、暇だ。

クラルテを見る。

口が半開きで目は細められている。

体重は全て船の柵に預けられていて、リラックスしているようだ。


「クラルテ」

「ハッ!はい!」


俺が呼ぶとハッとした顔になり、顔をこちらに向ける。

ちょっとかわいい。


「暇じゃないか?」

「うーん、私はこうやってボーッとするのも好きですよ?」

「そうか」


クラルテはこれが好きなのか。

それじゃあ、邪魔をしないほうがいいだろうか?

俺も好きなことを邪魔されたくはない。

そう思っているとクラルテが話しかけてきた。


「魔王様は暇ですか?」

「ああ、暇だ」


正直に答える。

ボーッとするのも嫌いではないが、長時間だと、暇の感情が勝る。


「そうですかー、では魚釣りなんてどうですか?」

「できるのか?」


魚釣りには必要な道具がたくさんあったような気がする。

糸、釣り針、オモリ、竿、それらが一つにしてやっと、釣りが開始できるのだ。

この情報は、港町ウンアの釣り人に聞いたので間違いないはずだ。

しかし、クラルテは簡単に言う。


「船乗りさんに釣り道具一式借りちゃいましょうか?」


何?!

そんな手があったのか!

さすがクラルテである。


「ああ、釣りがしたい」

「わかりました。じゃあ借りてきますね〜」


俺がそう言うと、近くの船乗りに相談に言った。

本当は俺が言いに行かなければならないのにクラルテにさせてしまった。

少し気持ちが下がるというか、なんだろうこの感じは?

俺がその感情を解こうとしていると、クラルテが釣り道具一式を二つ借りてきてくれた。


「お待たせしました!レッツフィッシングですよ!」

「ああ、ありがとう」


ポーズを決めているクラルテに俺は礼を言う。


「もう。いつでも頼っていいんですからね?さあ!早速行きましょう!」

「ああ」


クラルテはやはり優しい。

そう思いながら一階下の、釣りをしている人が数人いる階に降りる。


「餌はどうするんだ?」

「このうねうねしたやつをつけます!」


そう言ってクラルテは手に乗るくらいの木箱の中に入っている、大量のうねうねした生物の中からひとつをつまみ釣り針につけた。


「カプの尻尾はうねうねしているが、ダメなのか?」

「カプちゃんは水中で息ができないのでダメです!」


寝ているカプの横でそんな会話をしながら、俺もうねうねをつけて釣りを開始する。

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