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港町ウンア5

おはようなのだ!

少しすると、露出の多い服を着た女の人たちが三人ほど奥の部屋から出てくる。

そして、女が俺と男を挟むように席に座ると、俺の左隣の女がこう語りかけてきた。


「おにいさん、この新しいおにいさんは誰?」


俺ではなく俺を連れてきた男に聞いたらしい。


「ああ、このにいちゃんはな、酒場で退屈そうにしていたから連れてきたんだ。ここでもっと大人の楽しみってやつを教えてやってくれよ」

「ええ、もちろん」

「わかったー!私も教えるー!」


会話の内容的に大人の楽しみを俺の両隣に座っている女が教えてくれるらしい。


「じゃあまず名前は何かしら?」

「名前は...まだない」

「えー、そうなの?じゃあ、おにいさんって呼ぶね!」


世の中に俺以外に名前のない奴なんているのか?

俺の隣の大人な女性と元気そうな女の子がそれぞれ応対してくれる。


「おにいさんは趣味とかないの?」

「趣味....ないな」

「それじゃあ何を楽しみに生きているのかしら?」


大人らしい女性が俺に寄りかかるように密着し、胸を押し付けてくる。

柔らかい。


「こういうのはどう?」


なんだろうか。

もっと触りたい気がする。


「触っていいのか?」

「あら、おにいさん意外とそっちはお上手なのかしら?少しならいいわよ。おにいさん顔がいいからモテるんじゃないの?」

「わからない」


そう言いつつも俺は、女性の胸の膨らみを触る。

やはり柔らかい。

俺がずっと揉んでいると、


「おにいさん!私の方は!」


反対側にいる女の子が少し怒ったように話してくる。

そして女の子の方も密着してきた。

触っても良さそうなので俺は女の子も触る。

つるぺた。

そこそこに柔らかい。

女性の方をもう一度触る。


「おにいさんは胸が好きね」


確かにずっと触っていたい。

そんな感じだ。

これは触るのが好きなのかもしれない。

好きという生きる楽しみを俺は楽しんでいる。


「ちょっと控室に行ってくるわね」


大人びた女性は席を立つと扉の向こうに消えていった。


「おにいさん!胸だけじゃなくておしゃべりしようよ!」

「ああ」


どうやらこの子は話すのが好きらしい。


「おにいさんの好きなことは?胸を揉む以外で!」


ふむ、好きなこと...

なんだろうか?

さっきの酒場での喧騒を聞くこと?

違う気がする。


「特にないな」

「えー!ないの!人生は一度きりなんだから楽しまなくちゃ!」


男からもそんなことを言われた。

楽しむ、か...

教会を巡りながら楽しみを見つけるのもいいのだろうか?


「おにいさんには目的とかないの?」

「目的はある」

「そうなんだ!じゃあ途中で遊んだら怒られるの?」


確かに教会をまわれとしか聞いていない。

俺の楽しみ、か。


「お前は楽しいことがあるか?」


俺は女の子に話しかける。


「うん!あるよ!それはね、人と話すこと!私はそれが一番好きなんだ!」


人にはそれぞれ楽しみがある。

男も言っていた。

俺も楽しみを見つけてもいいのかもしれない。


「おにいさん、ちょっと笑顔になってきたね!」


笑顔?

俺は自分の顔を触る。

確かに頬が少し上がっているのに気づいた。

俺は今、楽しいのか!


「ああ、今楽しいみたいだ」

「そっか!よかった!ここは話をして楽しむ店だから、本当はお触りはいけないんだよ!」


そうだったのか、さっきの女性は喜んでいたみたいだったが...

まあいい、とりあえず俺は楽しいんだ!


「おう、にいちゃん!いい顔になってきたじゃあねえか!」

「ああ!」


声も少し元気になってしまう。

多分いいことなんだろう。


「そんじゃ、もうワンランク上の店にも行くか?」


もうワンランク上?

もっと楽しいのか?!

行きたい!


「ああ、行きたい!」

「ははは、ここににいちゃんを連れてきて正解だったな!これが今日の金だ。またくるぜ。」

「はい、毎度ありがとうございます。」

「じゃあね!おにいさん」


男がお金を払い、店を出る。

その際にさっきの女の子たちも見送ってくれた。


「ああ」


俺はそれだけを言う。

男と一緒に店から出るともう深夜、まだクラルテたちには大丈夫な時間だろうか?


「もうワンランク上の店はこっちだぜ?」

「ああ」


俺は男について行く。

するとまた、桃色の光が漏れる店に着いた。

しかし桃色をさらに濃縮したような色合いだ。


「さあ最高の愉しみがまってるぜ?」


俺が店の中に入ろうとした時、


「魔王様! 探しましたよ!」


よく聴きなれた少女の声が聞こえた。


「そこは入っちゃダメです!私怒っちゃいますよ!」


俺が怒られるのか?

クラルテには怒られたくない。


「なんだ、すでに女がいるじゃねえか。大切にな!」


男は店の中に入り、消えた。

俺はクラルテに言う。


「クラルテ!」

「なんですか?!魔王様。」

「今日は楽しかった!」


俺はクラルテに楽しかったこと伝える。


「そうなんですね。でも夜遊びはいけませんよ!」

「でも楽しかった」

「そうなんですね。どのくらいですか」


俺は体でその楽しかったことをアピールするためにクラルテに抱きつく。


「わわっ!魔王様!ちょちょっとまだ...!」


ばちん


そんな音が夜空に響き渡る。

痛かった。

ひどい。


「ま、まだ、そんな関係じゃないんですから!」


クラルテは顔をうつむかせながら俺に言ってきた。

何かいけないことをしてしまったらしい。


「ごめん」

「い、いえ、こっちこそごめんなさい!」


お互いに謝る。


「でも!あんなお店には入っちゃいけませんからね!」

「わかった」


俺の手を引きつつクラルテが話す。

宿の明かりがだんだんと近づき俺たちは今日も宿に泊まる。

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