港町ウンア2
宿探しはカプが自分にお任せ、と言っていたからカプの指示に従おう。
「このメインストリートに並行してある隣の道のもう少し上の方なのだ!」
正直言うとやはり肩でのだのだ言うのはうるさい。
だがカプの唯一の楽しみの案内中だ。
唯一のかは知らないが一番元気がいい時、それが案内をしている時なのだ。
ここは大人として温かい目で受け流してやろう。
「ここがそうなのだ」
カプが先導し、たどり着いた場所は一見普通の家だ。
周りにある段々とした家と同じ外見の家。
クラルテも不思議に思ったのかカプに問う。
「カプちゃん、本当にここであっているんですか?普通の家っぽいですけど」
「大丈夫なのだ!カプナビゲートに間違いはないのだ!」
カプはそう言うと、尻尾の蛇を伸ばしノックする。
コンコン
ノックの音が夕焼けで橙色になった街並みに響く。
そこにクラルテとは違う女の子の声がする。
「はーい!開いてるよー!」
どうやら入れと言うことらしい。
俺はドアを開け中に入る。
周りを確認しようとしたが、その前に声がかかる。
「ようこそ、うちの宿へー! 次の船までだったら3泊だよね?どうするの?」
どうやら俺たちが船を待っていることを知っているみたいだ。
なぜわかったのだろうか?
そう思っていると少女は答えた。
「うちに来るお客さんは情報通でよく船に乗る人が来るんだよ!だから次の船までだと思ったんだけど、違ったかな?」
なるほど、そう言うことか。
少女に対する疑問が晴れる。
すると少女にクラルテが言う。
「はい!船までの3日間お願いします。人数は2人です」
「ああ、うちは部屋の数と日数だけで計算しているんだ!だから、えーと、3日だから銀貨6枚だよ。もちろん先払いね。あと朝と夜のご飯付き!いい宿でしょ?」
「本当ですか?!さすがカプちゃんです!」
クラルテそう言いながら銀貨を手渡す。
なるほど前の宿の時と同様でいい宿なのか。
正直高い安いなどはまだわからない。
だがクラルテの反応からして良い宿なのだろう。
そしてやっとゆっくり室内を見渡すことができた。
宿というよりは家な感じだ。
外見同様周りの家と同じなのであろう。
しかし二階建てで二階が宿泊部屋で、一階が食堂になっているようだ。
雰囲気は生活感があり落ち着ける宿である。
これだけでいい宿だとわかる。
「二階のどの部屋を使ってもいいよ!たぶんもうお客さんは来ないから!」
ふむ、流石情報通のみが知る良い宿だ。
俺たちは二階の一番手前の部屋に入り、荷物をすみの方に置く。
「今日は遅いですし、ご飯を食べて寝ましょう!」
「そうだな」
「わかったのだ」
俺たちはそのままご飯を食べ、俺だけは読書を始める。




