少女との出会い
自信作ですよ!(๑╹ω╹๑ )
俺はきた道を戻るように山を下る。
一望できた山の景色が一瞬で消え、一歩歩むたびに闇が深くなって行く。
やはりきた道はジメジメしている。
そう感じながら、俺は山を下る。
2日ほど歩き続け、やっと光量が増え始めた。
木と木の間にはしっかりと幅があり、森というよりは林といったほうが良いだろう。
たまに顔に日差しが当たるが構わずに進む。
しばらく行くと山の傾斜が平地になった。
もう山は越えたようだ。
振り返れば何日も下り続けてきた山が雲を突き抜け、そこにあった。
俺は前を向き、歩く。
すると前方に畑と家があった。
畑には赤い実のものがなっている。
家の方はたぶん一般的な家だと思われる。
とりあえず俺は家のドアの前に移動する。
ドアの前に立ち、ノブに手をかけた時、背後から声が聞こえた。
「だ、誰ですか?!ここには普通の人は来れないはずなのに...」
振り向くとそこには少女がいた。
茶色の髪に、ねじ曲がりこれでもかと主張する黒いツノ、それにたぶん一般的な服を着た少女だ。
「俺はたぶん魔王だ。」
「えっ!魔王様なんですか?!ちょっと待ってくださいね!」
そういうと少女は慌てて家に入り、一枚の紙を持って戻ってくる。
「白く長い髪、緑の眼、黒いローブ...あとは...」
少女はそういって俺に問いかける。
「何をしにここへ着たのですか?」
「教会の場所を聞くために。」
俺がそういうと少女は手を叩いて喜んだ。
「やっぱり魔王様ですね!ちょっと待っていてくださいね!すぐ戻ってきますからー!」
少女は家に入っていった。
畑やさっき来た道、家から他の場所につながっている道など、周りを見ていたら、少女が戻ってきた。
「準備できました!行きましょう!」
「どこへ?」
「どこって教会巡りですよ!」
「お前もくるのか??」
「はい!お母さんに言われていたんです!魔王が来たら一緒に行きなさいって!」
この少女のお母さんは未来予知でもできるのだろうか?
「あっ!言い忘れてました!私はクラルテって言います。これからはよろしくお願いしますね」
「ああ」
名前か...俺にはない。
名前はどうやって決めるのだろうか?
自分でつけるのか他人につけてもらうのか?
俺には必要な知識がない。
俺より知識があり、なおかつ俺を知っている人....
一人しかいない。
「クラルテ」
「はい!なんでしょう?」
「名前をつけてくれ」
「ええっ!魔王様の名前ですか?!」
「ああ」
「ちょ、ちょっと待ってくださいね!今すぐにはつけられませんので、また後日伝えます!」
「そうか」
俺に名前をつけてもらえるようになった。
少し腕に力が入った。
そして何かあたたかい。
なんだ? このわかりそうでわからない中途半端な感情は?
俺たちは巡り会い、一緒に教会巡りの旅をすることになった。
俺には教会がどこにあるかわからない。
クラルテなら知っているのかもしれない。
俺はそんなことを考えながら、クラルテと並んで歩く。
評価もよろしくお願いします(๑╹ω╹๑ )