道中にて2
遅れてしまった....
ごめんね
体の芯にある力の塊、その力を右肩右腕と辿り、右手に集める。
前は木に当てたから、今回も木でいいだろう。
魔法を放とうとした時、カプに言われる。
「やっぱり魔王は魔法のエキスパートなのだ!きっと前みたいに木が揺れるだけなんてことはありえないのだ!」
カプが俺にプレッシャーをかけてくる。
なんだこの生き物は、勝手についてきて、煽りまでついてくる。
とりあえず今は無視しておこう。
「早く魔法を出すのだ!」
うるさい。
なんだこの煮え繰り返るような感情は。
とりあえず俺は少し荒だった感情のまま、魔法を放つ。
ドパンッ!
激しい発射音とともに風圧が俺と肩に乗ったカプを襲う。
カプが落ちた。
自業自得だろう。
カプから目線を上にあげた時、少しやっちゃったな、そう思った。
その光景とは。
道沿いにある木が弾け飛び、その奥にある木も数本弾け飛んでいる。
何よりもその断面がひどかった。
何かに無理矢理ねじ切られたような刺々しい跡が残っている。
この光景を怖がっているであろうクラルテの方へ振り向く。
すると。
「わー!魔王様!すごいです!これですよこれ!この光景が見たかったんです!」
なぜか嬉しそうだ。
クラルテも俺の魔法で頭のネジが弾け飛んだのだろうか?
そんなことはないだろう。
ならどうして?
「やっぱり魔王はすごかったのだ」
カプはしっかり怖がっている。
今度から躾ける時はこれを脅しに使おう。
「魔王様、見ていてくださいね。魔法は属性に応じた形で放たれるんです。私の場合は「創造」。まあものづくりですね。ちょっとやって見ましょうか。」
クラルテはそういうと目を閉じ魔法に集中する。
そして両手を前に出し、手を上に向ける。
魔法が放たれる。
いや現われる。
クラルテの手に半透明の物体が現れた。
それはやがて実体となり、一本のナイフとなった。
「ふー。これが一般の魔法です。創造の魔王なら「星や刻」を作れちゃうそうですよ!なので、魔王様ももっとすごい魔法を使えるはずなんです!」
これよりすごい魔法...
どんな魔法なんだ?
俺は地面に転がっているカプを肩に乗せながらそう思った。




