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道中にて

森に挟まれた一本道、そこを俺たちは進んでいた。

ざわわざわわと新緑の木が揺れ、爽やかな風が追い風となってやってくる。

心なしか空気も澄んでいるような気がする。

だが俺たちの空気は止まっていた。


「暇ですね〜」

「暇だ」

「暇なのだー」


三者三様という言葉があるらしいが、この場合はみんなの心が一つになっていたのではなかろうか。

暇だ、と。

口から出てしまうほどの暇。

滅多にない。

喜ぶべきなのだろうか?


「暇なのだー! 誰か面白い話でもして欲しいのだ!」


しびれを切らしたカプがわめく。

こいつは俺の肩と耳をなんだと思っているんだ。

カプのわめきを聞いたクラルテがちょっと何か言いたそうにしている。

こんなモジモジしているクラルテは、お手洗いの時にしか見ない。


「トイレか?」

「ち、違います!」


違ったらしい。

でも、モジモジしている。

クラルテに聞こうとするとカプに邪魔された。

カプというより尻尾がデンプシーロールをして俺を煽ってくる。

そうこうしているうちに、決心したのか、クラルテが真面目な顔で言う。


「今からいう言葉に笑わないでくださいよ!」


俺が笑ったことなどあっただろうか。

カプは表情がわかりにくいが、よく笑っている気がする。


「笑わない」

「絶対に笑わないのだ!」


俺たちが言うと、クラルテが固い感じで言ってきた。


「私実は旅に憧れてたんです!」

「ほう」


その部分は前にも聞いたことがある気がするが?


「その理由がですね...お母さんによく旅の自慢ばかりされたからなんです...」

「ふむ」


それだけか。

笑う点などないではないか。

そのことが少し俺にとっては面白かった。


「ああっ!魔王様今笑いましたね!笑わないって言ったのに!カプちゃんまで!」

「だって、それだけしか理由がないから悪いのだ!ぷぷぷ!」

「ふふ」


カプが笑うと俺も口から笑いが出てしまった。

これはなんで笑ってしまったのかわからない。

だが平和で好きだ。


「ぷんぷん!もう!話を戻しますよ!」


おっと、話の続きのようだ。


「それでですね。前にも言ったのですが、お母さんが魔王が家に来たら一緒に旅しなさいって、私そう言われた時すんごく嬉しかったんです!」


さっきの恥ずかしがりは何処へやら、急にいつもの元気なクラルテに戻った。

俺はこのクラルテが一番好きな気がする。


「あとですね...この話のついでで甘えちゃうんですけど、この前よりもっとすごい魔法ってできないんですか?私、魔法のエキスパートって聞いた時どんなのなんだろう?って思っていたんです。」


そういえば魔王は魔法のエキスパートだと前に言っていた。

だが俺にもすごいことができるかわからない。


とりあえず俺は魔法に集中する。

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