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4-28 演習の日々

 本日は、またデパート巡りだ。今回の買い物は気合が入っているのだ。今日は食料品売り場を優先して回った。


 酒コーナーは何度も回り、半ば店を買いきる勢いで買い込んだし、デパートでないと買えないつまみや高級ジュースも仕入れて回った。


 そして化粧品だ。人により色々違うし、試してみないといけないので、ありったけ買い込んだ。


 それに化粧道具、ハリウッドの女優御用達の日本製高級ブラシセットとかを纏め買いする。これがまた馬鹿高い。だがいい物だ。美容機械なども買ったが、これは電力がないとな。


 後はベッドに寝具、寝巻きなど。他はヘルスケア系商品だな。とにかく、女の子に受けそうなものは大量に買い込んだ。レジで数十万円単位の商品を次々に買い付けていく。


 プレゼントに使うだけではなく、現地で商売する商品としての購入もある。次回も商売は頑張ろう。


 あと若干問題だったのは下着コーナーだ。これも先にプレゼント用という事で、店員のお任せという事で見繕ってもらい、ガツンと包んでもらってしまった。ここはさっと終わらせる。


 1日買い物三昧で、家に帰ったらリビングのテレビでニュースをやっていた。例の週刊誌の会社が大問題になっていた。警察から家宅捜索を受けており大騒ぎだ。


 会社や社長宅に重役の家まで徹底的にやっていた。アメリカ一切容赦なし。警察も米軍とは仲が良くないが、上からの命令は絶対だ。政府同士の取り決めによるものだから素直に命令を執行する。


 住居不法侵入に麻薬関連、婦女暴行に普通に暴行、あとネット関係の犯罪なんかもあった。別に会社としてやっていたわけではないが、そんな事は関係ない。CIAの追求は逃れられなかったようだ。


 スマホを見ると、ネットのニュースも激しく騒がせていた。いくらなんでも、こんな事をやっている連中は他にいまい。同業者からも思いっきりドン引きされているらしい。


「アメリカも仕事早いなあ」

「ん? 何か言ったかい?」


 俺の独り言に反応したお袋が訊いてきたが、適当に返事をしておいた。

「いや、なあんも」


「ただいま~」

 弟が腹を減らして帰ってきたようだ。


 お袋が立ち上がって夕飯の支度を始めたので、俺も手伝った。弟の好きなエビフライだ。俺が小学生の頃から作ってやっていたし。


「次はいつ異世界へ行くんだい?」

「んー、来週の月曜じゃない? 今週は豊川の連中が守山に引っ越すから。土日は連中も休みだしさ」


 翌日、俺は出かけた。自衛隊の富士演習場だ。許可を得て訓練をさせてもらう。普通なら民間人の俺が入れる場所ではない。


 ここなら遠慮はいらない。クレー射撃のような的を射出する装置なども用意した。装置自体はアイテムボックスで設置や回収もできる。その他、ドローンを使った射撃も試す。風船も使用してみた。


 12.7ミリライフルやM2重機関銃、20ミリ対物ライフルなどの、俺が手持ちで撃てる強力な火器の射撃は徹底的にやった。まるで人間戦闘ロボットだ。


 7.62mm口径のガトリング砲M134ミニガンも試してみた。ここまでは、まだ手持ちで撃てた。射撃時には、耳を傷めないようにサイレントの魔法を使用した。


 20ミリ機関砲の腰だめ撃ちなんてものまで試したが、さすがにちょっと辛いな。細身の牛乳瓶のような砲弾が1分間に何百発ものスピードで消費され、大口径弾が銃口から飛び出していく。


 200発入りの弾帯を一息に打ち切れない。踏ん張れずに、後ろにあとずさっちまう。本来は人間が手持ちで撃つようなものではない。


 ただ、手持ちのカードは多いほうがいい。ドルクットの団体が現れたという想定で全弾アローブーストをコントロールとかの荒業を試してみたが、腰だめだと威力も命中精度も落ちるな。まあ的はでかいし、いいか。


 それから、37ミリ対空機関砲を撃ちまくった。これは豊川駐屯地で展示されているのと同じタイプだ。


 旧型兵器なので現役の奴がなくて、展示品を複製した。弾薬は米軍が調達してくれた。こいつは座って打つので、手撃ちに比べれば遥かにいい具合だった。


 連続射撃したものを、次々アローブーストでコントロールする技術も学んだ。水平射撃で、全て違う的に撃ち込む訓練もしてみた。弓の速射も試しておいた。


 極力、誘導効果無しでも命中させられるように特訓をしていた。


 あと、ぶっ放した弾にアローブーストの青い光を通じて、アイテムボックスに回収する技術も身につけた。


 例えば、強力な弾で標的を撃ちぬいた後に、その後ろに被害を与えないように回収するとかできるようにだ。弾丸のリサイクルも可能だ。


 これだけ使っても、魔力のようなものはあまり減っていないような気がする。泊まりこんで3日間頑張った。かなり扱いには慣れたし、威力自体もかなり上がった。


 この周辺にもダンジョンはある。樹海のど真ん中に作られてしまったものもあり、そこから逃げ出した魔物がまだ残っているかもしれない。樹海の恐怖が更に増した格好だ。


 定期的にパトロールも出されている。俺も暇があったら狩りにいっておきたいところだが。


 東京は0、愛知は3と比較的重要地域にダンジョンは少ないが、逆に広い県などは大量のダンジョンを抱えてしまっている。


 この静岡県もそうだ。第9ダンジョンから第18ダンジョンまでがこの県内にある。和歌山と並んで10個のタイ記録だ。


 第1~8までは千葉、第19~21が愛知、第22~30が三重、第31~40が和歌山だ。


 まるで津波を食らったかのような分布になっている。何故そうなのかは誰も説明ができない。もちろん俺にもわからない。


 現状、小康状態であるので退避区域は狭い状態で収まっているが、これが広がる可能性があるとなれば、またもやパニックになる可能性がある。


 例のちょっかいをかけてきた新聞が、対立する系列のテレビでかなり槍玉に挙げられていた。俺に対するアポ無しの協定破りの無礼な取材について、政府の広報官が正式に名指しで遺憾の意を発表した。


「この問題は、我が国の安全保障問題と行方不明者の捜索に関わってくる問題であります。大変デリケートな扱いとなっており、マスコミ各社に対してはご協力を要請しており、社長名で全てのマスコミ各社より御了解をいただいている。この度の事態は、大変遺憾な事であります」


 俺は、本来こんな事に協力する義務はない。ただの民間人なのだ。にも関わらず、危険な任務を引き受けている事は知られている。取材の規制は、条件としてあらかじめ政府には言ってある事だ。


 あれも政府との約束があって、各新聞は俺には手を出さない話になっていたのだ。某国と仲が良くて、国民からもロクデナシと言われている新聞が、ああいう行動に出た。何を考えているんだ。


 新聞はテレビと違って、嘘を書きまくっても処罰はないはずだ。放送免許剥奪なんて事はないけれど、最低限でも政府の報道規制に協力しないなんてありえない。


 きちんと取り決めた後で、こういう真似は許されない。後で御仕置き食らっても知らないぞ。


 他の新聞やテレビからも相当批判されていた。マスコミ業界でも暗黙の了解のようなものもある。それを勝手に破って、業界に不利益を与えたのだ。


 過熱報道の中で、どこの新聞テレビにも痛いところはあるのだ。そういう事を、業界全体の出来事のように言われてしまう。


 一定の範囲内でなら誤差のような物として扱われるが、越えてはいけない一線はあるのだ。


 特に多数の行方不明者が関わっている、この件などは。それだけではない。最近は情勢が微妙で、場合によっては国民にパニックが広がりかねない内容を含んでいる。


 さすがに、そのあたりを公開するという愚までは犯していないが。やったら、もう2度と政府情報とか教えてもらえなくなる。


 新規の危機情報もマスコミ各位には通達されている。いざとなれば避難情報なども発信しなければならない。各社とも、この問題は非常にデリケートに扱っていたのだ。


 ライバル新聞には徹底的に叩かれたが反論は許されない。そこの系列TV局も沈黙で答えた。内心はやらかした系列新聞の記者に不満で一杯だろう。


 あの新聞の内部でも、ああいう行為に賛成な人間ばかりではない。社内でも徹底的に批判されて、責任者は会社を去る事になったようだ。


 日頃、政府にも盾突きまくっている新聞なので、ここぞとばかりに徹底的にやられている。


 日本政府も普段は世間に遠慮して放置しているが、今回はアメリカがバックについているので、情け容赦もなくやっている。


 チャンス到来と言わんばかりに、政府に対して行なっていた捏造報道も徹底的に突かれていた。弾には事欠かない。国会でも追及の手が激しいが、野党は沈黙を貫き通している。


 さすがに、あの鉄面皮の新聞も堪えるだろう。これだけやっておけば、当分マスコミ関係で某国の息のかかったところも俺に喧嘩は売ってこられないはずだ。


 たいした事の無い用件で切り札を切ってしまったので、また一つ某国のカードが失われた。マスコミ抱き込みは強力な手段だ。一国を容易に滅ぼす事が可能なのだ。


別作品ですが、「おっさんのリメイク冒険日記 ~オートキャンプから始まる異世界満喫ライフ~」

http://ncode.syosetu.com/n6339do/

も書いております。

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