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8-9 次の目標

 一旦日本へ戻った俺達は、師団長に報告し、次回の予定を決めた。次は19、そして20を攻めるのだ。これまた、どこへ通じているものやら。


 あの第9ダンジョンほど小さくはないし、第21ダンジョンには及ぶべくもない規模なのだが、どこに通じているのかは神のみぞ知る。いやダンジョンだけが知っているのか。


「それでは次は第19ダンジョン探索という事でいいのだな?」


「ええ。もとより、そのつもりでありましたし、まずは近郊からですね。そのうちにグニガムへ行かねばなりませんので。ここは、どっちから行っても同じようなものですから、我が愛しの古巣、豊川方面第19ダンジョンから行こうかと。今回は時間もそうありませんから小規模な探索ですし、そちらの方が小さいですから。岡崎方面の第20ダンジョンはまたその次ですね」


「そうか、気をつけていってこい」

「ありがとうございます」

 今週は明日から残りが二日か。とりあえず、一か所くらいは行っておかないとな。


「肇、今日はどうするんだ」

 山崎が予定の確認にきた。


「ああ、みんな書類の整理とかやっておいてくれよ。新しいダンジョンへは明日行く事にしよう。日帰りで様子見するか、拠点探しを兼ねて一泊してみるか。どの道、もう週末になるのだから、たいした仕事はできないよ」


 今週のメインは杏の話だからな。長い間、手を付けられずにいた懸案事項が片付いてよかった。


「そうか。じゃあ、そうするか。じゃあ、明日は豊川方面の第19ダンジョンからだな」

「そういう事、じゃあみんな。また明日」


 俺は師団長の部屋で皆と別れ、サリアを連れてデパート巡りの旅に出かけた。何かいい商売のネタはないものかという下心付きだ。


 サリアが喜ぶ物とか探しにいくのだ。一応は向こうの子なので、その嗜好はマークしておきたい。この子の場合は少し日本に馴染み過ぎているのが難点だが。


「ハジメー、これ面白い~」


 サリアが見ているのは、対象年齢十二歳からという、まさにサリアぴったりのストライクゾーンの代物だ。他に可愛い奴もたくさんあるのだがな。


 男の子向けの格好いいロボなんだけどね。最近のロボは二本足で動き回り、ピカピカ光るから派手だよな。


 アメリカのテレビCMなんかは、その玩具が実際にできる事しか宣伝できないので、子供が手にもって遊ぶような感じになるらしいが、こいつに関してはそれを無しにしても放送が可能だろう。もっとも、子供が一緒に動くロボと遊んでいた方が効果は高いかもしれないが。


 あそこのチビに買っていってもいいのだが、あっという間に動かなくなりそうだよなあ。そろそろエアホッケーがまた駄目になる頃かもしれない。


 いっそ魔道具として開発してもらって、あの世界で再現できる玩具にしてみるのはどうだろう。むしろ、こっちの世界の人が欲しがるかもしれないが。


 流し素麺器の魔道具とかも作ってみたいんだよね。魔素がないから動作確認したら動かないかもしれないが。ああ、ない事もないわけか。俺の魔力も日本で充電されるのだし。ただし、将来的にはどうなのだろうか。


 サリアも、あとは『サッカーロボ』に夢中だった。サッカー知らないくせになあ。今度向こうでサッカーでもやるか。


 まあフットサルという事で。探索者連中なんかだと、プロ顔負けのサッカーをしそうな気がする。


 それらの玩具なども適当に買い込みながら、食い物関係も漁ってみた。本日は開催中の物産展がないのが惜しまれる。


 向こう風にアレンジした人狼ゲームなんていうのも面白いかもしれない。あれもいろいろなバージョンがあるから、異世界バージョンがあってもいいな。


 広告には、探索者の『本物の狼男』を起用するという手もある。生憎な事に満月の日に変身したりするのではなく、一年三百六十五日、年中無休の狼スタイルなのだが。特に尻尾の手入れには余念がないダンディ狼さんだったりするのだ。


 参考までにあれこれカードゲームを買い込んだ。


 その他では、水の中に入れると本物の魚のように泳ぎ出す、センサー付きのお魚ロボの前でサリアが動かなくなった。


 面白いので、これもお買い上げだ。王様達も喜びそうだしな。我が家に新しいロボ住人が何体かお目見えしそうだ。


 そういや亜里沙の奴って、男の子向けのロボ系玩具なんかが大好きで、よく淳と取り合いになっていたな。


 探索者っていうか、冒険者系のゲームはコンピューターゲームみたいなのばかりだしな。王様ゲームセットは、ちょっと違う気がする!


 これは同名コミックのグッズとかじゃなくて、パーティイベントで実際に王様ゲームをやる時のグッズみたいなものだ。


『王様ゲーム・パーティグッズ』って感じの奴だ。ちゃんと罰ゲーム用のグッズが入っているのが笑えるぜ。王様ゲーム、探索者ギルドで流行らないものだろうか。探索者には若い女の子も多いのだから。


 しまった。向こうに一人でいる間に、これを流行らせるんだったぜ。もっとも、あいつらにあまり無体な事を言うと、その場で刃傷沙汰になっちゃうけどな。


ハヤカワ文庫JA様から書籍1巻が3/20から好評発売中です。

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