プロローグ
『ふぅー。これでよしっと』
俺は、親の反対を押し切り、この桜花町にやってきた。
理由は何かって?そんなの決まってる!
新しいところで学園生活をやり直し、そして
転校生という肩書きをフルに生かしこの学校で人気者になるためだ!
成績は、そこそこ優秀、容姿も中々いいここに転校生という肩書き
が加われば完璧だ!
『ふふふ……ふははははは!!』
想像するだけで笑いが止まらない……。
『そうと決まれば、早速準備をしなければな』
引っ越しの荷物をまとめていると
電話の着信音が鳴り出した。
恐る恐る着信画面を開くとそこには、『母』という文字が
記されていた。
それを、数秒間凝視した後、即座に着信を拒否し、電源を切った。
お、恐ろし過ぎる……。
俺の、唯一無二の天敵が一体何のようだ?
あれこれ、考えながら、部屋の整理をしていると、家のインターホンが鳴り出した。
音が鳴ったときに一瞬ビクッとなったがすぐに立ち上がって扉越しに玄関の外を覗き込んだ。
すると、外には親が立っていた。
『げっ』思わず、声が漏れてしまった。
自分なりに、今の状況を確認してみたが、いくら考えても状況が変わるわけではないことに気付き、
取りあえず、居留守を使うことにした。
しかし、そのほんの少し後に、玄関の辺りで、『ガチャッ』という閉めていたはずの玄関の鍵の外れる音がした。
恐る恐る、廊下越しに玄関を見てみると、親が靴を脱いで、こっちに向かおうとしてる最中だった。
『ちょっと待ったぁ!』
俺は、親にそう叫びながら、駆け寄った。
親は、叫びながら駆け寄ってきた俺に対して、きょとんとした顔でこっちを見ていた。
『何で、あんたがここにいるんだよ』
そう問いかけるが、親は口を開かない。
『てか、なんでこの家の鍵持ってるんだよ』
俺が、再度問いかけると、今度はこの家の鍵をあからさまに見せびらかしながら口を開いた。
『この家を提供してくれた人に頼めば簡単にもらえたわよ』
『それなら、事前に言ってから来いよ……』
『さっき、電話したじゃない』
『あ……』
俺は、ほんの数分前にかかってきた電話を拒否したのを思い出した。
このまま、ここにいても埒があかないことを察知した俺は、親に
『学校に行かなきゃ』と言い残して、家から逃げるように走り、学校に向かった。
皆さん初めまして!
今回から、ここで小説を書かせていただくことになったシンです。
今回はプロローグを投稿させていただきました。
多分、この小説が面白いのかそうでないのか、わからなかったと思います。
もし、続きが、気になった方は続きが投稿された際に、読んでみてください。