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note S級とは

 もちろん公務員のチーム(組織)は多岐にわたり、ダンジョンに関わるたいていの案件は彼らが公務として処理している。普通に、彼らがレギュラーな存在なんだと思ってくれて良い。

 ただ――


“ダンジョン”、なんだ。


 もともと、冒険的な存在なんであるんだよ。人の好奇心を抑えられるはずない。その歴史の始まりからして、あまりにも民間のチームが数多く存在してあって、そんな中には、もう――“特異点”とでも表現するしかない、俄には信じられない実績を上げるチームも、あったんである。

 政府はそんな現実に鑑み、一定の条件をクリアした優秀なチームをイレギュラーとして認め、等級を付与し、案件を委託する施政を執ったのだった。

 なので、これは“ロイヤルストレートフラッシュ”などといったあやふやな称号とは違い、真に公的な権威があった。


 チーム・ニコリは、マン・サーチ&レスキューのカテゴリーで、(レギュラーチーム含む)他を寄せ付けぬ圧倒的実績をあげて、S級を取得した。

 これは、まぁ――

 ぶっちゃけ、アキラとエマという、その存在だけで反則といっていいメンバーを有しているおかげだ。

 なにしろ二人は、広大なステージの中から、その魔法の力で、いとも簡単に、遭難者を見つけ出してしまうのだから。こんな二人と比べられるのは他者にとって気の毒というものだろう。当然、二人は個人でもS級である。


 で――俺だ。


 この手記で嘘を書いても始まらない。正直に記すが――

 理由不明だが、俺には、マリーという名の、“女神様”の加護があるらしいんだ。

 まぁ、待ってくれよ。聞いてくれ。

 具体的には、“夢見の力”、すなわち――彼女の夢を見るんだよ。

 彼女が夢で、“ここにいる”と指し示してくれるんだ。これは――


 たしかにアキラとエマの力は凄い。凄いと思うよ。だけど――二人は、ステージの中から遭難者の有無、そしてその場所を知ることができるだけで――

 その一つ前の段階。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()、という点については、まったく無力なんだ。

 無限にあるステージ(ダンジョン)の中から、()()だと選び出す能力――それが夢見の力――で、俺は個人的にS級を取得できたし、チームを正確に該当するダンジョンに導くことができた、というわけ。

 これは、つまり――


 俺からマリーの加護が失われてしまったら――


 即、タダの凡人にクラスチェンジさせられる、てことなのさ。

 だから。

 俺は今、リーダーとしてチームのてっぺんに居座っているが、そんな俺の仕事は、いかにして速やかに、(モノホンの)次期リーダーを育てるか、てことにあり――少し寂しい思いがするけどさ――このこと、ご理解いただけるだろうと思っている。


 話を変えよう。


 かつてのチーム・サタン。

 やはりS級であったのだが、カテゴリーは所謂、“トレジャーハンティング”だった。

 調査と採集。大衆にもっとも人気のある(つまりライバルが沢山いる)この分野で、他を寄せ付けぬ圧倒的実績をあげてたんだ。が、ただ――


 ただ、彼が持ち帰った“お宝”は、その“確度”が余りにも“高すぎた”んである。不自然なまでに――


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