Snow scene
今日はショッピングモールの装飾などを見ながら二人で喋りながら歩いた。そこらじゅうがカップルばっかりだ。周りから見たら私達もカップルなのかな。また顔が赤くなりそうになるのを抑えていた。隣のゆうちゃんはどう思ってるんだろ?
とゆうちゃんを見ようとした時に。
「そういやさ」
急に話が始まり、ギュンっと音が出そうなくらいの速さで顔の向きを元に戻す。
「ん?なに?」
声に動揺の色が出てなかったことを褒めたい。
「なんで俺を誘ったんだ?俺もだけど、お前だって受験だろ?」
呆れを通り越して怒りを感じる。クリスマスに誘うってことはそうゆうことでしょ。そうゆうこととはそうゆうことよ。
「もういい!早く行くよ!」
と言い、早足で向かった。
やはり今日はクリスマスだということで人がたくさんいた。イチャイチャしているカップル、クリスマスだということで騒いでいる学生たち、袖の中から大量の鳩を出している凄腕の手品師、とても姿が似ている仲のよさそうな姉妹、いろいろな人がいる。
よし!今日はたくさん遊ぼう!と意気込み。
「ねえ。どこ行」
ガシャァン!!
せっかく話はじめた言葉をガラスが割れるような音が遮った。そこには正直あまり冴えない系男子たちがいた。
「僕たちはリア充撲滅の会だぁー」
「クリスマスなんかぶち壊せー」
「リア充爆発しろー」
その不満を行動に起こすとはなんともくだらないことだが、彼等の手に持っている物が問題だ。その手にあったのは拳銃。
「リア充の男どもはこっちこーい」
渋々動き出す男たち。
「お前もだよ!早く来い!」
ゆうちゃんが呼ばれた。
「え?俺リア充とかそんなんじゃ・・・」
「ふざけんじゃねぇー!リア充爆ぜろー」
拳銃をゆうちゃんに撃とうとした瞬間。
「「待って」」
先ほど見かけた、仲のよさそうな姉妹だ。言葉もきれいに重なっている。
「お、おお」
「なんと」
男たちが言葉が詰まるのも当然だろう。少女たちの姿がとても可愛いからだ。私も可愛いと思う。
「「争いはよくない」」
と言い、二人とも駆け出し、男たちに飛び蹴りを食らわした。
あれ?争いはよくないって・・・
自分たちのことを棚に上げて、男たちの中で無双を続ける。
「た、田中氏これは一旦退却でわ?」
「うむ、中田氏。退却!たいきゃくー」
男たちが我先にと逃げ出した。だがその先でなにかが爆発し、男たちは尻もちをついた。
「「逃がすわけない」」
あの爆発はあの子たちが起こしたのか。はっきり言って怖い。一連の出来事が終わったところでやっと警察が来たようだ。
「あとは警察に任せよ」
「うん、そうだね。アイツ火だけ着けてサボりやがって」
ジロっと人混みの誰かを睨みつける。
「「お楽しみのクリスマスを邪魔してすみませんでした。あとはごゆっくり」」
と言い、スタスタなにもなかったかのように歩いて行った。
「・・・帰ろか」
「・・・うん」
あまりの出来事に唖然としながら頷いた。
帰り道・・・
「なんか凄かったね」
「ああ・・・」
「ドッキリだったんだよ」
じゃなきゃおかしい、まるで超能力みたいだ。
「クリスマスイベントだったんだよ」
「だとしたらすげぇな」
「そう・・・あっ」
話の途中で雪かたくさん降ってきた。とてもきれいな雪景色だ。
「でも傘持ってないや」
「ほいよ。折りたたみのやつだけど」
ゆうちゃんのカバンの中から傘が出てくる。
「でも一つしか・・・」
「いいんだよ、俺は」
これは相合い傘の出番なのか?フラグなのか?どちらにしろ傘忘れてよかった〜
もちろん声には出さずに、答える。
「いいわよ。あ・・・相合い傘で」
「おう」
二人は相合い傘で家に戻った。
嬉しく恥ずかしい時間も一瞬で過ぎてしまい、家に着いてしまった。仕方なく傘から離れ、こう言った。
「ゆうちゃん傘ありがと!今日は楽しかったよ。メリークリスマス!」
「俺も楽しかったよ。メリークリスマス」
いやー末永く爆発してほしいところですね。
ひとまずクリスマス編は終わりです。
本編の方も読んでくれると嬉しいです。
感想もよかったらお願いします。
リア充撲滅の会は自分の想像で作ったものです。
全くのフィクションです。
田中さん中田さんすみませんm(*_ _)m