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魔王の予言  作者: 藍那珂コウ
1/9

ep.1 出逢い

 遥か昔にある学者が自身の予言書に記した。

「これから300年後に人類の滅亡が訪れるであろう」と



 こんな内容の授業を受けて何が楽しいのか、それにしてもこの教師はほんと授業に自分の趣味を持ってきて進行させるのはやめてほしいとかそんなことを考えている渚畢なぎさおわりは太陽が高くなりつつある昼前の空を見ながらこの教師の長話を聞き流していた。ちなみにこの教師の趣味は魔術や都市伝説オカルトだったりする。

 オカルト教師の無駄に長い話が授業の終わりを告げる鐘により中断された。この教師はまだ続けたかったらしいが次が昼休みなのと生徒達が飽きた目で早く終われと訴えたために不本意ながら授業を終わらせ今にも泣き出しそうな顔で教室を出ていった。それを見た渚は少しながら同情しつつ学食にむかう準備を始めた。と、そのとき

「よう畢。一緒に学食行こうぜ」

と声をかけられた。声の主は渚の友人である神宮創司かみやそうじだ。

「なんだよ創司。お前今日は弁当だろ?」

「別にいいじゃねーかよ。それに畢はどうせまた一人だろ?」

「う、うるせーよ!」

そう、渚は昼休みには必ず一人ぼっちになってしまう人間なのだ。別に完全孤立してるわけでもなく、自分から声をかければどこかの輪に入れることができるのだが・・・いわゆるコミュ障チキンなのだ。それを隠すためガラにもないクールキャラを演じていたりする。女子からはそのギャップと容姿が好印象で人気がある。つまりコミュ障チキンなのはバレていることになるのだが残念ながら本人は気付いていない。

「うん、なら先に行ってるぞー」

「おい、勝手に・・・」

「来なかったら、どうなるかわかるよね?」

もはや渚に決定権は消えた。こうなったらもう従わなければ後が怖くなるのでうんと首を縦に振るしかない。これは昔の出来事により渚自身が実証済みだ。よろしい、と言った神谷は教室を出た。その背中を見送っていた渚は

「昔から変わらず心配性なんだよ・・・」

そう呟いた。

「さてと、行きますかな」

あくびしながら立ち上がり教室を後にした。

 

「やぁ」

学食へ向かう途中に聞き覚えのある細い声が後ろから聞こえてきた。

「あぁ、佐藤先生ですか・・・なんの用です?」

佐藤先生、本名佐藤恵一さとうけいいちはさっきまで渚達の前で自分の趣味全開の授業していたオカルト教師である。何が悲しくてこんな時に電波全開の絡みにくい教師と会うんだろ・・・なんか不幸だなとか考えてしまう渚だった。

「いやいや、大した用もないんだけど・・・なんか心の中で私のことを貶してるよね?」

苦笑いしながら聞いてくるオカルト教師に

「そんなことはありませんよ、それに僕は今忙しいんでまたあとにしてください。では」

悟られまいと必死に真顔を保ち若干早口言葉になりながらも言って早足でそそくさと学食部屋へと歩いた渚だった。もちろんオカルト教師には返事はさせない。

「はぁ・・・なにか嫌われるような事したかな?」

渚の背中を泣き出しそうな目で見ながらそう呟いた可哀想なオカルト教師は嫌われている原因をまだ知らない。というかこれからも知ることはないだろう。


「遅かったじゃねーかよ畢」

「いやーほんとにごめん。途中行くときに変なのに絡まれて」

言わずもがなあのオカルト教師である。ぶっちゃけ尾行されるだとうなーとか考えてた渚はここまで無事にたどり着けてホッとしている。なぜならあの教師は興味のある生徒を尾行して無理やりオカルト研究会なる同好会に引き入れたことがあるとかないとか噂になっている。結論としてはやりかねない。

「変なの?まさか畢以外に変な奴がいるとは・・・」

「はぁ!?俺はマトモだろ!マ・ト・モ!」

「チキン野郎がマトモとかありえないから」

「言ってはいけないことを言ったな!!」

渚にチキン野郎は禁句である。言ったらなにをされるか分からない。だが、容姿と相まって力はそんなに強くないためポコポコ叩いてくる姿は見る者を癒す力を持っている。容姿は女子と間違えられるほどなので見方によっては天使に見えるほどである。てか一部の男子からは熱狂的に支持されて、ファンクラブが存在するとかしないとか・・・。あと、容姿が容姿なだけにリアル男の娘って言うのも禁止で、口にすると本気で殴られるらしい。

「ははは、まぁまぁ。早く食べないと昼休み終わるよ?」

「分かってるよ!」

にこにこしながら言ってくる神宮はムカつく、このイケメン、殴る、とか内心思いつつラーメンを完食した渚であった。

 学食部屋をあとにした二人はブラブラと廊下を歩いていた

「なぁ畢。次の授業ってなんだっけ?」

「覚えとけよこの野郎。数学だよ」

「よし、なら簡単だ」

「天才はちがいますね」

「そうかい?」

「うるさいよ!」

そんな口喧嘩をしながら歩いていると、

「ん?」

「どうしたの?創司」

「いや、あれ」

神谷が指差す方に、窓から顔を出して太陽が頂点から降り始めた昼終わりの空をみていたくだんのオカルト教師が憂鬱そうにたそがれていた。

「な、なにやってるんだろ・・佐藤先生」

「お、俺に聞くなよ畢」

ヒソヒソと話してたとき、キッと目を開き天に向かってこう叫んだ。

「天命は来た。今こそ彼の予言を実行する時。その前兆となるべき“アポカリプティックサウンド”よ鳴り響け!そして運命の子に破壊と創造の力を!!」

「「・・・・・・・・ッ!?」」

何も起こらない。むしろ何も起こらない方が当たり前なのだがこのオカルト教師は本当にできると思っていたのだろうか。周りの生徒からは笑いのネタにされている。・・・・しかし、しかしこれまでの“佐藤恵一”とは違う別の違和感を感じ取った2人はそれぞれ

(アレはなにかある・・・それにあの呪文・・かな?それを聞いたとき僕は動くことができなかった・・・。なにかに締め付けられたように・・・アレは一体?)

(おいおいマジで洒落になってねぇよ。ほんとにあの先生は人間か?あの冷徹なオーラ・・・初めて感じた)

そんな周りの生徒には分からなかったなにかを感じた2人はふと上を見るといつのまにか2人をみていた佐藤先生・・・・と目があった、瞬間二人はその場に凍りついた。そして

((コイツ・・・人間じゃない・・・魔王だッ!!!))

怯えながらそう思ったのであった。


  

 

 

みなさん、読んでいただき誠にありがとうございます。まだまだ文章等が未熟なところもございますがこれからの発展とともに改善させていきますのでよろしくお願いいたします。

それと、賛否のコメントがありましたらコメントしてってください。ep.2以降の改善に務めさせていただきます。


さて、私こと藍那珂コウはこの作品がここ初の小説書きなんですよねー。前までは某Hさんのサークルで書いてきました。

この作品はいろいろな作品に影響されて作られたものなので、ごちゃごちゃになってるかもしれませんがそれは悪しからず。

Twitterもやっているのでよければ「ainakakou」で検索してみてください。


最後に、ここまで見てくださった皆さんに無数の感謝を。

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