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復讐と砂の巨人

拳を握り、椅子から立ち上がって怒りをあらわにするディートリヒと名乗った男。しかし、やはり名前を聞いても思い当たる節は千博にはなかった。

「ディートリヒ・バルテレモン……?」

「そうだ、忘れたとは言わせないからな!あの日僕が受けた屈辱、今日ここで晴らさせてもらうぞ!」

「え……あの日?待ってくれ、本当に何のことだか……」

ディートリヒは復讐に燃えている。ひょっとしたら間接的に何か恨みを買っていたのかと思ったが、あの日、という事はやはり過去にどこかで会っているようだ。千博は過去を遡る。

「貴様ぁ……どこまでも馬鹿にして……!言っておくが、恨みを持っているのは僕だけじゃないからな?あの2人は陰でお前の悪口を言うくらいしかできないが、僕は違う!貴様を殺してやる!」

「あと2人いるだって?じゃあお前らは3人組だったわけか。うーん、3人組か……」

ディートリヒの言葉からポイントをつかんで記憶を探る。ディートリヒの勘違いでないなら、どこかで3人組に会って、何か恨まれるような事をしたはずだ。こいつの仲間って言ったら同じ貴族なんだろうな。ということは、貴族の3人組か……。

「……、あ!お、思い出した!」

そして、考えた結果ついに心当たりを見つけた。貴族の3人組と接触したことなんて全然なかったから、多分これで合ってるだろう。

「路地裏で、ステラを虐めてた奴らの1人か、お前。確かに、言われてみれば股間を蹴ったら泡吹いてた奴に似てるな。」

そうだ。ステラと初めて会った時に町の路地裏で見覚えがある。3人のうち2人は倒して1人は逃げて行ったんだっけ。フェリスに止められなかったらそいつもぶん殴ってやるつもりだったんだけど。

「お前……また侮辱したな!許さん、許さんぞ!モーガン、こいつを殺せぇっ!」

思い出し方に不満でもあったのか、青筋を立てて怒り狂うディートリヒは近くの小太りの男、モーガンに命令する。なるほど、土魔法使いはモーガンの方らしい。ディートリヒは普通に弱かったからな。

「お任せを、ご主人様。……では、私怨は有りませんが後ろの彼女もろとも死んで頂きましょう!」

モーガンが叫ぶと、2人の前にいた10体ほどの泥人形が一斉にこちらに向かってくる。千博は手に魔力を《留化》させた。さっきの感覚からいけば一体一体はそんなに強くないはずだ。動きも遅い。これなら逃げることも可能だろう。

「ライラ!走れるよな?!俺が引きつけておくからお前は先にここから……」

後方に下がりながら逃げろ、と言おうとしてライラの方を振り返ると、ぶんぶんと首を横に振って否定された。なぜ、と聞こうとしたが理由はすぐにわかった。

「妹か……!ここにいるのか?!」

尋ねるとライラはこくりと頷く。それと同時に雰囲気も変わった。殺気が強くなり、戦闘体勢に入ったようだ。

「それに、今は貴方も、いる……!だから、逃げない!」

そう言うとライラは向かってきていた泥人形の一体を蹴り飛ばした。泥人形は吹き飛び、後ろに続いていた泥人形を巻き込んで倒れる。蹴られた泥人形は粉々になっていた。相変わらずの威力だ。千博もそれに続くべく動こうとする。

「……?!」

しかし、足が踏み出せなかった。足元を見ると、先程千博が蹴り飛ばして体が折れていた泥人形が右足に絡むように掴みかかってきていたからだ。

「こいつ、まだ動けたのか!」

左足に魔力を《留化》させて次は頭部を蹴った。ひびが入ってぐるんと頭が一回転する。しかしまだ手は離されない。千博はもう一度蹴った。すると頭部が砕け、動きが止まった。

「頭を砕けば動きが止まるのか?それ以外のところじゃ駄目なのか。」

絡みついてきた一体を倒すと千博はライラの近くにいった。手伝おうかと思ったが、動きも遅く強度もそこまで無いのでライラが圧倒し、あと2体ほどしか残っておらず、その二体の片方も今吹き飛ばされた。ライラが倒した人形達は頭は無事だが体がばらばらに砕かれていて動かない。破片まで細かく砕けば動けなくなるようだ。そして、残りの一体も蹴り飛ばされて壁にぶつかり砕けた。

「ここまでだな。おまえらの身柄は治安維持隊に引き渡させてもらうぞ!大人しくしろ!」

人形達を倒しきったところでモーガンとディートリヒに向かって言う。予想以上にすんなりと片付いたので千博は安心した。が、2人からは何故か少しも焦った様子が感じられない。

「……フフフ、どうやら、英雄殿は勘違いしておられるようだ。」

「何だと?」

モーガンが口を開き、そう告げる。しかし、泥人形はもう倒しきった。それでもまだ自信があるという事は、まだあれは持ち駒のうちの一部だったということか?警戒し直して周りを伺う。また足下が狙われると厄介だ。

「たかが10体倒しただけでしょう?貴方達は確かに強い。でも、たった2人だ。数で押し切れる人数だと、分かりませんかねぇ!?」

モーガンがそう言うと広間が埋め尽くされるほどの泥人形が床から現れる。先ほどの10倍はいるだろうか。この屋敷はとても大きく、二階建てでさえなければ少し小さめのお城と言ってもわからないくらいのものだった。その屋敷の中でもおそらく大きい方の部屋であるだろうこの空間が泥人形で溢れている。

「なっ!?まだこんなに……」

「……くっ!」

「フハハハ!まだ驚くのは早いですよ?」

新たに現れた泥人形の軍勢は千博とライラに向かって進んで行く。そして、それぞれ泥人形たちの相手を始めていた2人は反応が遅れた。今度は突然足下を埋め尽くすように泥の手が生えてきたのだ。

「……ぐ、しまった!」

「うっ……あ!」

泥の手は2人の足に絡みつく。振りほどこうとするが、そうはいかなかった。無数の泥の手は足を床に引きずり込み始めていたからだ。

「な、何だこれ?!床が抜けるみたいになって……くそっ!!」

一本ずつ手を剥がし、千切っていくがキリが無い。ライラも絡みつく泥の手の数を減らしていってはいるが、次々に新しいものが生えてくる。千博は何か良い手はないか考えた。そして、思いついたのはミーツェとの試合の事だった。

「そうか!これもあいつの魔力で生み出して、操ってるとしたら……!」

千博は足に纏わりつく泥の手に向けて魔力を流してみた。すると、少し泥の手の動きが鈍くなり、その隙に千博は足を床から引き抜いた。

「上手くいった!けど、捕まるたびにこれじゃあ俺の魔力が保たない……」

動けるようになった千博は接近していた泥人形達を殴り、蹴り飛ばしながらライラに近づく。そしてライラの足下の泥の手が広がる空間に魔力を流した。

「……!ありがと!」

泥の手の動きの変化に気付きライラも脱出する。

「動き回っていないとまた足を掴まれるぞ!気をつけろ!」

「わかった……!」

ライラは返事をしながら再び泥人形の数を減らしにかかる。足元に気をつけてさえいればライラは大丈夫そうだ。持ち前のパワーとスピードで泥人形達を粉々に砕いていく。砕かれた泥人形達は魔力で創り出されたからか、跡形もなく光の粒子になって消えていった。頭部を破壊すれば泥人形達は消えていくので千博はなるべく頭を狙って闘う。

「ほう……やりますね。ですが、私の兵はまだまだいますよ?」

そう言うとモーガンは余裕の表情でまた新しく泥人形を生み出してくる。

「嘘だろ……まだいるのか!」

いくら単体では弱くても、これでは体力が保たない。まるで減らせば減らすほど増えていくような泥人形達に2人は苦戦した。

(……それにしても、これは土魔法なんだよな?魔力を《変換》して行う魔法……。これだけの魔法が使えるって事は、こいつは近衛隊にいた事があるのか?)

千博の記憶では魔法はその強大な威力により、限られた人にしか使えないと聞いていた。この国ではどんな人も魔力はもっているが魔法の使い方は近衛隊にしか知らされないはずだ。つまり、モーガンは近衛隊にいた事があるのかもしれない。

(気になるのはそれだけじゃない……。これだけ魔法を使ってるんだ、何故あいつは平気そうな顔をしていられるんだ?それに、まだまだ人形を創り出せる様な言い草だった。それに、あの杖の先の水晶玉。泥人形が増える時に光ってるみたいだけど……どうも引っかかるな。)

先程からモーガンの持つ杖の先の水晶玉が、明らかに光の反射とは異なる発光をしているのだ。あの杖が魔法に関係しているのは確かだが、魔法は別に杖がなくても使えるし、むしろ杖を使っている人など見たことが無い。千博は人形の頭を砕きながら考える。

「粘りますねぇ……では、もう少し増やしましょうか。」

モーガンの手元の水晶玉がまた光り、泥人形の数がさらに増える。

「やっぱり光ってる……あれは何なんだ?」

魔法の使用と同時に必ず発光する水晶玉。あれが魔法に何か関係がある事は間違いないが、魔法の使用に必要なものなのだろうか。増え続ける敵の中で千博は水晶玉と魔法の関係を探ろうとするが、情報が少なすぎて分からない。

「チヒロ!!後ろ!」

不意にライラが叫ぶ。千博は言われた通り後ろを振り返ろうとしたが、考え事をしながら闘っていたせいで反応が遅れた。

「っ?!しまっ……」

背後から迫っていた泥人形の胴体から突然泥の手が幾つも飛び出し、千博の体にまとわりついた。すぐに魔力を流すが、近くにいた人形達の体からも同じ様に幾つも泥の手が伸び、さらに床からも足を掴まれ、全身が泥の手に巻きつかれてしまう。魔力を流せばいい動きは弱まるが、数が多すぎる。次から次へと泥の手がまとわりつき、地面に引きずり込んでいく。

「チヒロ……くっ!」

ライラが助けようとしてこちらへ来ようとするが、ライラの周りでも同じ様に泥人形から無数に手が伸びてそれを避けるので精一杯の様だ。

「ぐっ、油断した……!」

魔力を流し続ければ脱出はできるだろう。だが、魔力を大量に使う。まだどれだけ敵が出てくるかわからないし、モーガンを倒すためには温存する必要がありそうだ。かと言ってこのまま引きずり込まれている訳にもいかない。本当はライラとこの場から逃げるのが得策だが、それではライラの妹が助けられない。どうするべきか考えている間にも足は地面へと埋まっていく。あまりしたくはないがともかくまずはこの手から逃れるしかなさそうだ。そして、千博が魔力を身体中の泥の手に流そうとしたその時だった。勢いよく部屋の扉が開かれた。

そしてすぐに、千博の体によく知っている鎖が巻きついた。

「チヒロっ!!」

「無事か、チヒロ!?」

突然部屋から入ってきたのはミーツェとフェリスだった。そしてミーツェの《大蛇ドラゴンファング》が千博の体を引く。それに合わせて千博は魔力を泥の手に流して上手く泥の手から解放された。

「助かった!ありがとう、ミーツェ!でも、どうしてここに……?」

ここの事は誰にも言っていないはずだ。それなのに何故か2人はこうしてここにいる。とても助かったが、不思議に思った。

「おお、これは凄いことになっているでござるな。人形だらけでござる。」

「イヴァンさんまで?!」

2人の後ろから少し遅れて入ってきたのはゼウシア国の隠密班班長、イヴァン・エッジだ。

「イヴァンさんが私達に教えてくれたんだよ!」

ミーツェが答える。イヴァンさんが教えてくれた?でも、イヴァンさんもこの場所は分からなかったはずじゃないのか?

「この場所は御老人に教えて頂いたのでござるよ。」

「ボアさんが?……そうか、あの後イヴァンさんに知らせてくれたのか……。でもどうやったんだろ?」

家を出た後、ボアさんの姿はなかった。方法はわからないが、イヴァンさんに知らせてくれていたようだ。

「それなら、これでござるよ。」

そう言ってイヴァンさんが差し出したものはあの【泥の目】だった。なるほど。ボアさんは魔力を感じ取るのが上手いからな。これで調べたのか。

「ボア殿が拙者のうちの1人に知らせに来てくれたので、拙者は食堂に残っていたミーツェ殿とフェリス殿に知らせたでござる。グッさん殿達にも知らせた方が良いかと思ったのでござるが、食堂にはおられなかったゆえ。」

「そうだったんですか。ありがとうございます、助かりました。」

拙者のうちの1人?何だそれ?よく分からないが、納得はいった。

「けど、こんな時間まで何で食堂にいたんだ?ずっと飯食ってたのか?」

「まさか。私たちは2人でチヒロとのこれからの事を……むぐ?!」

「す、少し話し込んでしまってな!そ、そんなことより間に合ってよかったぞ!」

ミーツェが何か言おうとするとフェリスがとっさにミーツェの口を押さえた。一体何の話をしていたのだろうか。まぁ、2人は昔から仲良しだからな。いわゆるガールズトークってやつなのかもしれない。俺の名前が聞こえた気がしたけど、話にあがっていたのかな。

「……チヒロ?この人達は……?」

ふと考えているとライラが状況をつかめていない様子で尋ねてきた。

「ああ、安心して。みんな仲間だよ。」

「……そう、なの?助かる……」

味方ということを伝えるとライラは安心した表情になる。実際、この3人が助けに来てくれたのはとても心強い。

「こ、これはどういう事だ?!警備の者どもは?!」

反対に、ディートリヒは困惑と焦りの表情を浮かべている。加勢に驚いているのもあるだろうが、チヒロやライラとは違い、真正面から進入された事にも驚いているのだろう。それに、加勢に来たうちの2人は近衛隊の班長だ。その実力は国に住んでいるものなら言わずとも知っている。

「全く、余計なマネを。治安維持隊ならともかく、近衛隊に見つかっては仕方がありませんね……」

しかし、モーガンは顔をしかめはしたが、焦りは見せなかった。再び水晶玉を光らせて人形の数を増やす。それを見て全員が戦闘体制に戻った。

「チヒロ殿。色々と話す必要がありそうでござるが、まずはこの場を切り抜けるでござる。」

「そうですね。あと、気をつけて下さい、この人形は頭を砕くか体を粉々にしないと倒せません。」

千博は助けに来た3人に注意しながら後ろから近づいてきた人形一体の頭を回し蹴りで壊してみせた。それを見た3人もそれぞれ人形と闘っていく。フェリスはレイピアで、ミーツェは《大蛇ドラゴンファング》を展開する。フェリスは素早い動きと正確な剣さばきで数を減らしていき、ミーツェは鎖を人形の体に巻きつけ、そのまま縛りあげて粉々に砕いていく。

(そういえば、イヴァンさんの闘い方はどんな風なんだろう。)

泥人形達と闘う中、ふと疑問に思いイヴァンさんの方を見ると、投げナイフによる投擲で確実に泥人形の頭部を破壊していた。

(はは、闘い方も忍者っぽいな……)

期待通りの結果であまり感想が持てなかったが、確かに強い。数が多いから投擲で闘うには厳しいかと思ったが、近づかれたらナイフを使った対人格闘も上手くこなしていたし、一度に複数のナイフを投げ、命中率も高かった。

「流石だ、これなら……!」

3人の加勢のおかげで次々と泥人形の数は減り、モーガンが生み出すスピードを減らす速さが拮抗し始めた。

「ああ、もう!鬱陶しいなぁ!なんでこんなに多いの?!」

ミーツェが面倒くさそうに声をあげた。数は減っても、まだまだモーガンに焦りの表情はみえず、少し離れたところで様子をうかがっている。隙があればまた泥の手を使ってくるつもりなのだろう。

「ああ、同感だ!イヴァン、おかしいと思わないか?この数は異常だろう!」

やはりフェリスも違和感を感じたらしい。ここまで一体どれだけの数の泥人形を倒しててきたのか、もう分からない。それに、数はまだ増える。魔力に底が無いとしか思えない。

「そうでござるな。この数を魔力で創り出し続けるなど人間では不可能でござる。今までに例を見ない程だったチヒロ殿でも、ここまでの魔力はなかったのでござるからな。これは、何か仕掛けがあると思って間違いないでござる。」

「仕掛けですか……」

「何か心当たりはないでござるか?」

イヴァンさんに言われて考える。心当たりと言えば、気になっていたことが1つあった。杖の先の水晶玉だ。土魔法の発効と同時に必ず一瞬光を放つ。これ以外には思いつかなかった。

「あいつが持ってる杖が怪しいと思います。何かあるなら、あれじゃないかと。」

「杖でござるか?」

「はい。あの杖の先の水晶玉が、魔法を使うときに必ず発光するんです。魔法って別に杖がなくても使えるはずですよね?」

と、ちょうど新しく泥人形が生み出され、モーガンの杖の先の水晶玉が光った。

「確かに……変でござるな。チヒロ殿、あの杖を奪うことはできるでござるか?少しの間、拙者達で泥人形は抑えておくでござる。」

「分かりました、やってみます!」

千博は脚力を一瞬《強化》し、泥人形の群れから離れてモーガンに一直線に向かう。

「さて。では、チヒロ度の分も動かねばならないでござるな。《投身とうしん》。」

千博が戦闘から抜けると、イヴァンは一瞬動きを止めて胸の前でパンと手と手を合わせた。

すると、イヴァンの数が3人に増えた。

「実際は、拙者2人分で足りるか分からないでござるが、お主ら相手なら十分でござる。では!」

「「いざ、参る!」」

イヴァンと新たに現れた2人のイヴァン達はそれぞれ別々に泥人形の相手をしていく。その攻撃には実体があり、分身ではないようだ。

(イヴァンさん分身の術?!に、忍者だ!やっぱり忍者だ!)

横目でちらりと見て千博は興奮した。分身の術が本当にあったとは。この世界で魔法があったのも驚きだったが、これはまた別の、親しみも含んだ驚きだった。が、それを気にしている場合でもないのですぐに気を取り直す。

「モーガン?!奴が来るぞ!」

「ちっ、勘付きましたか……」

ディートリヒが声をあげる。モーガンの額にも汗が浮かんでいるようだ。そして、千博の道を阻むように泥人形を出す。加えて、泥の手も展開させた。

(必死だし、焦りも見える。近づかれたくない理由があるな?当たりかもしれない!)

まだ数が増えるのには驚きだが、突破口は見えた。何とかして近づきたいが、囲まれてしまった。1人で動いたのは迂闊だったか?

「……チヒロ!」

モーガンに近づく方法を考えているとライラも前の方に出て、千博の隣にきた。

「ライラ!よかった、手伝ってくれ!モーガンが持っている杖を奪いたいんだ!」

「杖を……?」

背中合わせになり、闘いながら話す。泥人形は数が多いだけだが、隙をついてくる泥の手が厄介だ。

「あれが奴のこの魔法と関係があるみたいなんだ。あの杖の先の水晶玉をなんとかしないと!」

「……壊しても、いいの?」

「ああ、むしろそのほうがいいかもしれない。」

「……わかった。なんとか、する。」

会話を終えるとライラはモーガンの方へ飛び出していった。千博は後に続いてライラのカバーに回る。そして、ついにライラがモーガンの目の前まで接近した。

「ここまで……!ルチアは、取り返す!」

「ひ、ひいっ!」

ライラが構えるとディートリヒは後ずさった。あそこまで近づかれ、ライラのスピードもある。もう逃げ道はないだろう。

「クソが……獣人風情が、図に乗ってくれますね……。」

追い詰められたモーガンが忌々しそうに呟く。目の前にいるのが自分の奴隷であること、そしてライラが獣人である事がモーガンのプライドを余計に傷つけるのだろう。今までとは打って変わって顔を歪めている。

「……これで!」

そして、ライラがモーガンに鋭い蹴りを繰り出す。これで終わったか、と千博はほっとした。しかし、

「っ?!なに、これ?!」

ライラの蹴りが当たることはなかった。当たる前に、ライラとモーガンの間の足下が急に隆起したからだ。バランスを崩したライラは急いで体勢を整え直す。隆起した足下はさらに盛り上がり続け、やがてそれは人型をとっていることが分かってきた。

「こ、これは……!」

今までの泥人形と比較すると数倍も大きい、まさに砂でできた巨人のようなものが床から現れた。そのサイズは大きすぎて、上半身だけで天井まで届いている。全長で約20メートル程だろうか。

「忌々しい……切り札を見せなければならないとは!ですが、これでもうあなた方に勝ち目はなくなった!この、サンドゴーレムに勝てるものなど存在しないのですからね!」

『ゴオォオォオォオ!!』

モーガンの言葉に返事をするように地響きを立てながらサンドゴーレムが吼える。

「な、なにあれ?!」

「サンドゴーレムだと?!」

「これは……!」

後ろで戦っているミーツェ、フェリス、イヴァンさんも驚いている。もちろん、千博は自分が聞いたことがあるようなモンスターを初めて見たので驚いていたのは言うまでもない。

「お、おお!いいぞモーガン!こいつらを一人残らずやってしまえ!!」

「分かっていますよ。やれ、サンドゴーレム!」

『ゴオォォアァァァ!!』

モーガンが命令するとサンドゴーレムは雄叫びの様に声をあげながらライラに襲いかかる。巨体には似合わずなかなか動きは早く小回りも利くようだ。ライラは大振りに振られた右腕を跳んで避けたが続く左手に体ごと掴まれた。

「ライラ!」

「くっ……硬い!」

掴まれたライラは抜け出そうともがこうとしているがサンドゴーレムの手はびくともしていない。

「ふはは、このまま握りつぶしてやれ!」

ライラの力でも抜け出せないとなると、相当な腕力の持ち主なのだろうか。しかし、よく見てみるとサンドゴーレムのライラを掴む左腕が岩石のように硬化していることに気づいた。胴体や他の部分は砂でできていて砂山から頭と手が出ているような作りなのに、左腕だけが岩石のように変化してライラは岩石の中に埋められているような状態になっているらしい。だから身動きが取れないのだ。モーガンはさらにその圧迫を増そうとしている。

「はあっ!」

なんとかしないと、と思い対峙していた泥人形を思い切り殴りとばしてライラに近づこうとすると先にフェリスが動いた。そしてフェリスのレイピアがライラを掴んでいたサンドゴーレムの左腕を切り落とした。体から離れた腕はさらさらと砂に戻り切断面へと戻っていく。ライラは急いで距離をとった。

「大丈夫か?」

「けほっ……ありがとう。」

ライラは少し辛そうに返事をした。あの腕に捕まるとまずいな。フェリスがいて助かった。

「フェリス殿、そちらを頼んだ!こちらはミーツェ殿と拙者で引き受けるでござる。」

「お願いね、フェリス!終わったらすぐに手伝うから!」

どうやらミーツェとイヴァンさんが泥人形は引き受けてくれている様だ。千博もモーガンが先ほど千博の前に出した最後の泥人形を倒し終えるとライラとフェリスに加勢する事にした。泥人形の増える数はさっきまでと比べて格段に減っている。おそらくサンドゴーレムに魔力をかなり使ったのだろう。残りの魔力が減ってきているに違いない。魔力に限りがあるのは確かそうだ。

「えぇぃっ!」

フェリスはサンドゴーレムに切りかかる。対してサンドゴーレムは右手を大きく振ってフェリスに向けて拳を放つ。向けられた拳をフェリスはレイピアで受け流し、体を捻らせてサンドゴーレムの懐に入った。そして胴体を一閃する。脇腹あたりから床体していた上半身を斬られたサンドゴーレムは崩れ落ちるかと思われたが、そうはいかなかった。サンドゴーレムの体は砂状になっていて斬られた断面はすぐ埋まっていく。

「っ!斬れないのか?!」

全くフェリスの攻撃が効いていない様で、サンドゴーレムは直ぐに両手の拳を振り下ろした。しかし、フェリスも攻撃が効いていないと気づき直ぐに距離をとってかわした。

「大丈夫か、フェリス!」

「チヒロ、気をつけろ。こいつも人形達と同じで頭を破壊しなければいけないかもしれない。ただ、体が再生するのが泥人形以上に厄介だぞ。」

「そうだな。なら、手分けしよう。ライラ、フェリス、あいつの気を引いてくれないか?俺がやってみる。」

さっきの攻撃から察するにサンドゴーレムは体の強度を上げることができる様だ。初めは砂の様な形態だったのに腕だけ岩石みたいに急に硬化した。さっきはライラを掴んだ手がライラの体にそって硬化したから抜け出せなかったのだろう。ただの硬い岩石ならライラでも壊せるはずだ。それなら、もし捕まった場合対処するには魔力を使ってなんとかするしかなさそうだ。それに、ライラの力で無理なら力技は通用しないだろう。魔力を使った攻撃なら、魔拳が使えるかもしれない。千博はそう分析した。

「いや、待ってくれ。先に私に試させて欲しい。」

「え?」

サンドゴーレムを睨んで考えを行動に移そうとしたところでフェリスに止められた。

「さっきので分かったが、多分あいつに物理的な攻撃は効かない。まるで、空を切っている様な手応えのなさなんだ。斬撃に限らず、彼女の攻撃もきかないだろう。だから、物理的な攻撃ではなく魔法を試す!そのために少し時間が欲しいのだが……」

どうやらフェリスも同じことを考えていたらしい。フェリスの魔法。一度見せてもらったことがあるが、あの時は小さい火の玉を見せてくれただけだった。一体どんな魔法を使うのか。分からないが、魔力の《変換》ができる分フェリスの方が千博よりも魔法が上手い。どうしても千博の魔法だとまだ身体強化による力押しかまだ使い慣れない魔拳しかない。

「……俺もそう思う。なら、俺とライラで気を引いておく。その隙に頼むぞ。ライラ、いけるか?」

「もちろん……。全然、だいじょうぶ……!」

ライラは答えると同時にサンドゴーレムに向かって走り出す。千博も続いてライラと反対側から攻めにかかった。両サイドから攻撃もして注意を分散させる。

『グオ……オォォオ!』

サンドゴーレムは右手で千博を、左手でライラを掴もうとするが二兎追う者は一兎も得ず。同時に両方向の二人を捉えられるはずもなく、手は虚しく空を切る。繰り返し同じ様に二人を捕まえようとするが上手くいかない。千博とライラはサンドゴーレムに近づいたり、距離をとったりを繰り返しながら注意を逸らした。

「二人とも、退がれ!いくぞ!」

後ろからフェリスが声をかける。と、いつの間にかフェリスのレイピアの先に以前見たテニスボールくらいの火の玉の何十倍もの火球が発生していた。千博とライラは急いで退がる。

「焼き払え!フレイムボール!」

フェリスが叫ぶとレイピアの先から火球が放たれる。それはサンドゴーレムへとまっすぐに飛んでいった。サンドゴーレムはかわすことが出来ず両腕をクロスしてガードする。火球はサンドゴーレムに直撃し、サンドゴーレムは爆炎に包まれた。

「当たった!どうだ?!」

思っていた以上の威力の強さにサンドゴーレムはバラバラに吹き飛んだのだ。これなら倒せたのでは、と千博は思った。しかし、それは違った。もし相手が泥人形だったらこれで終わっていた。だが相手はサンドゴーレムだ。

「……っ、いや、だめだ!」

飛び散った砂塵は一箇所へと集まり再びサンドゴーレムが形成されていく。

『グ……ゴ…ゴォオォオォオアァアァ!!!』

感情があるのかは分からないが、まるでバラバラにされたことを怒っているかの様に今まで以上の雄叫びをあげてゆっくりと復活していくサンドゴーレム。その体は当分から腕、胴体とゆっくりと再生していった。

「魔法でも……私の出せる最大限の魔法でも無理なのか……!」

フェリスはぎりっと悔しそうに歯を噛み締めた。サンドゴーレムは倒せなかった。泥人形とは違いバラバラになっても再生する。ということは、サンドゴーレムは頭を破壊しても倒せないのか。これでは、サンドゴーレムを倒す方法はない様なものだ。魔法も、物理攻撃も効かない。

「ふう……そんな魔法が使えるとはヒヤヒヤさせますねぇ。ですが、残念!サンドゴーレムは無敵の我がしもべ!倒すことは不可能ですよ!」

モーガンが笑う。悔しいが、これでは確かに魔拳を使ってもまた再生されるだろう。倒す術はない。

「……チヒロ、どうすれば……」

問いかけてくるライラの表情には絶望の色が見え始めていた。フェリスもさっきの魔法で魔力を消耗したせいか少し息が荒れている。流石に魔力の調整が上手いから闘えなくなる様なことはなさそうだが、もうあの魔法は打てなさそうだ。実際、千博も倒す術が見当たらずに焦っていた。しかし、そこで思い出した。

「……違う。倒さなくても良い。」

「……え?」

「チヒロ?一体何を……」

サンドゴーレムが出る前にしようとしていたことはモーガンの杖の水晶を奪うか破壊すること。それはサンドゴーレムに邪魔されて出来なかったが、サンドゴーレムの動きが止められれば話は違う。当然、サンドゴーレムが出てくる時もモーガンの杖の水晶は光った。ならば、サンドゴーレムの発生もあの水晶と関係がある。魔法を使うとき水晶が光る。なら、もしかすると水晶を破壊すれば魔法は使えなくなり、サンドゴーレムや泥人形も消えるかもしれない!消えるまではいかなくても、力は弱まるかもしれないし、これ以上新たな敵が増えることはなくなるだろう。確かにサンドゴーレムは倒せなかった。でも、フェリスの一撃で僅かだけど復活まで時間は稼げた。なら、その間に杖の方を……!

「ライラ!フェリス!モーガンを狙え!あいつの杖の水晶を破壊するんだ!」

「水晶?あの杖の先のか?」

「……そうだった。わかったけど、チヒロは?」

ライラはさっきまでの話を思い出した様だし、フェリスにも伝わった。モーガンは二人に任せよう。俺はサンドゴーレムを止める。分担制だ。うまくいくといいが、最悪の場合もしかするとサンドゴーレムがさらに増える可能性も考えられる。しかし、俺がサンドゴーレムを倒せばこちらのサンドゴーレムの復活に魔法を使う必要があるはずだ。その間は新しいサンドゴーレムも発生しないだろう。

「フェリスがやったみたいな綺麗な魔法ではないけど俺も魔法が使える。だから俺がサンドゴーレムを倒した隙にモーガンの水晶玉を壊してくれ。」

「一人でサンドゴーレムの相手をするのか?!それは危険だ!囮を二人にして水晶を狙うのを一人にした方が……」

「いや、チャンスは一度だ。確実に水晶玉を壊したい。だから、頼む。」

確かにフェリスの案の方が安全だ。でも、優先すべきはモーガンの方なのだ。

「……わかった。チヒロ、無理はしないでくれ。」

「ああ、分かってる。じゃあ、頼むぞ!」

そう言って千博はサンドゴーレムに挑む。フェリスとライラはモーガンの方へと向かった。

「ちいっ……来るな!」

モーガンはサンドゴーレムを自分の方に呼びよせ、泥人形を追加した。しかし、泥人形の数はフェリスとライラの二人を止めるには少なすぎる。やっぱり、魔力の限界が見えてきているみたいだ。これならサンドゴーレムさえどうにかすればいける!

『ゴオォオォオォオア!』

「お前の相手は俺だ!砂野郎!」

千博は一時的な身体強化を使いながらサンドゴーレムの眼前まで一気に跳び顔を蹴る。フェリスの言った通り手応えは全くない。それでも蹴ったのはサンドゴーレムの気をひくためだ。サンドゴーレムは攻撃対象を目の前の千博に変更する。そして、巨大な両手で千博を掴んだ。

「フフフ、捕まえましたよ。ついに、英雄の最期だ!」

千博を捕えたことでモーガンに笑みが浮かぶ。両手がだんだん硬化していき加わる圧力も大きくなってきた。

「チヒロ!?」

「……!」

フェリスとライラの動きが止まる。しかし、千博は焦ってはいなかった。どっちにしろ、千博が魔法を、魔拳を使うにはゼロ距離でないと効果が薄いからだ。

「心配するな!大丈夫だから、頼むぞ二人とも!」

「さぁ、圧し殺せ!サンドゴーレム!」

モーガンが命令するとさらに圧力が強まっていく。このまま何もしなければ確実に死ぬ。だから千博もすぐに行動を起こした。

「吹き飛べ!」

千博は叫ぶと同時に身体中の魔力を一気に放出した。すると、すさまじい音を立ててサンドゴーレムの腕はもちろん、体も粉々に吹き飛んだ。

「は……?な、なんだ?!」

突然のことに誰もが驚きを隠せずにいた。無理もない。千博を掴んでいたサンドゴーレムが突然爆散し、サンドゴーレムがいた場所には千博しか残っていなかったからだ。

「今だ!いけ!」

誰もが動きを止めた中で千博はフェリスのライラに向かって叫ぶ。何が起きたか理解できてはいなかったが、千博の声にフェリスとライラは今するべき事を理解して動き出す。

「……今度こそ!」

「は!しまっ……」

そして、ついにライラの拳が水晶玉を捉えた。そのまま続けてモーガンの腹に蹴りをいれ吹き飛ばす。決着はついた。

「ぐふっ……き、きさまらぁ!」

「観念しろ!もう終わりだ!」

フェリスがモーガンの咽喉元へレイピアを突きつける。憎そうにライラを睨みつけていたモーガンだったが残りの泥人形を倒して近づいてきたイヴァンとミーツェの姿を見て舌打ちをした。

「ミーツェ、頼む。」

「おっけー!」

フェリスが頼むとすぐにミーツェの《大蛇ドラゴンファング》がディートリヒとモーガンの体を縛る。

「くそっ、くそっ!きさまら、僕はバルテレモン家の人間だぞ!?」

「だからなんでござる。お二方とも、違法奴隷販売の容疑で治安維持隊に引き渡させてもらうでござるよ。言い逃れはできないでござる。奴隷販売の記録にないはずのライラ殿を所有していることが動かぬ証拠でござるからな。」

ディートリヒが食ってかかるがイヴァンが静かに、冷たく答えた。ディートリヒの顔が引きつるが、まだ諦めていないようだ。

「フ、フハハ、治安維持隊だと?馬鹿かお前?治安維持隊なら僕を捕まえることなんて……」

「どうせ治安維持隊の中に買収した者がいるのでござろう?予想はつくでござる。しかし、今回はチヒロ殿の暗殺未遂の件もあるのでござるからな。隠蔽するには大事になり過ぎているでござるよ。観念するでござる。」

「そ、そんな……」

ディートリヒの顔から希望がきえた。しかし、治安維持隊にディートリヒの仲間がいたとは。千博はイヴァンの話を聞いて治安維持隊が信頼できるのか不安になった。でも、日本でも警察とヤクザとの間で似たような関係があった事を思い出すと、それも仕方がないのかと千博は思った。組織が大きいと影は見えにくくなるものなのだ。

「……ルチアは?ルチアは、どこ?」

「……。」

ライラがモーガンへと近づいて聞いているが、モーガンは全く答えようとせずだんまりを決め込んでいる。

「素直に言ったほうが良いでござるよ。黙っていても良いことはないでござる。それに、ここで言わなければ取り調べで何をされるか分からないでござるよ?」

その様子を見てイヴァンが冷たい目で言葉を付け足した。それを聞くとモーガンの顔は少し青ざめる。何をされるか心当たりでもあるのだろうか。どちらにせよ、イヴァンの言葉は効果があったようだ。

「……地下です。他の奴隷も、一緒に。」

観念して項垂れながら答えるモーガン。抵抗する様子はない。やはりあの水晶玉が魔法にかなり重要な役割を持っていたようだ。

「やはり他の違法奴隷の取引もお主らによるものござったか。チヒロ殿、フェリス殿。申し訳ないがライラ殿と地下を調べてもらえないでござるか?拙者はもう少しこいつらの話を聞くでござる。」

「えー、私もチヒロと行きたーい。」

ミーツェがそれを聞いて頬を膨らませる。二人を拘束しているミーツェは必然的にイヴァンと残る必要があるのだ。

「申し訳ないでござる、ミーツェ殿。お礼に今度、チヒロ殿の事を調べておくでござるから……」

「むう、仕方ないなー。ちゃんと使える情報を調べてきてよね?」

何かプライベートがとても侵害されそうな会話が聞こえて不安になった千博だったが、ライラに手を引かれて何も言えなかった。

「……もうちょっと、手伝って?」

「あぁ、分かってるよ。」

地下への道をモーガンから聞いてきたフェリスが戻ってくると、3人はディートリヒの屋敷の地下へ向かった。

いつも通りの不定期更新にも関わらず読んで頂きありがとうございます。これからも更新頑張っていきます。感想、ご指摘などお待ちしております。

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