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魔法と剣  作者: 御堂夜杏
2/5

この話には魔法があります。この話では戦争しています。この話は魔法を魔法を使い、戦争を生き抜く、一人の女性のお話です。

 今宵もまた一つの魂が天へと昇る。


 リトス国敵国最前線ベースキャンプ。焚火を囲んで四人の兵士が食事を取っている。

 少し離れた岩場の上にも一人座っているが、食事は取っておらず、マントに付いたフードをかぶり手にした杖の先を空に向けて、黙って星を見上げていた。

 夜の食事中といえど戦争中であり、ここはいつ敵兵が来てもおかしくない国境間近の最前線。空気はピンと張り詰めている。

 そんな中、空間転移魔法独特の人為的な風が彼らの頬を撫ぜる。その風を感じ、何者かがここにやってくると感じ、焚火を囲んでいた四人が身構える。

「気を張り詰め過ぎだ。……味方だよ。本部から来たんだろう」

 岩場に座る一人が、星を見上げたまま四人を注意した。そして四人が身構えを解いた丁度くらいに、空間転移魔法の人為的な風の中から人が現れた。

「お務めご苦労様です。本部から緊急の報告です!」

「何だ?」

 そちらの方に背を向けていたので、顔と体をわずかに報告しにきた魔導士に向けた。

「は! 報告します。つい先刻、セレティア・マイカ様が……ご逝去なされました」

 立っていた四人はその悲報に嘆いた。岩場に座った一人はただ目線を落とした。その瞳に悲しみの色を浮かべながら。

「……テア様」

 テアと呼ばれたその者は顔を上げた。その表情は報告を聞く前とさほど変わっていない。

「報告ご苦労。戻っていいぞ」

「失礼します!」

 報告しにきた魔導士が空間転移魔法で帰ると、四人のうちで一番幼い者がテアに近寄った。先ほどテアの名を呼んだのもこの少女である。

「テア様、大丈夫ですか?」

 四人に背を向けるように岩場に座っていたテアは振り返り、少し笑って答えた。

「大丈夫……。でも、そうだね。一人にしてくれないかい?」

「……わかりました。では私たちは先にテントに戻っていますね」

 そう言うと他の心配そうにテアの方を窺っていた三人に声をかけてて少し離れたテントに入って行った。

 テアは背中で四人を見送った。焚火のパチパチという音が響くが、その場を静寂が支配する。


「五貴石と呼ばれていても、所詮人は人。死ぬのは本当にあっけないな……」


 静寂を破ったのはテアの言葉。

「みんな、みんなに置いて行かれてしまったな。……独りぼっちだ」

 テアの頬を一筋の涙が静かに伝う。見上げた星空には新しい星が見えた気がした。

「それでも、私は闘うよ。もうみんなとの誓いを果たすことが出来るのは私だけだから」

 テアはフードを取り、その場に立ち上がった。

「みんな、上からでいい、見守ってくれ。私は誓いを果たす。絶対に。……だから支えてほしい。正直私は……もう疲れた」

 テアは涙を拭うこともせず、誓いをし、そしてあの世に旅立ってしまった同期たちに黙祷を捧げた。



 世界には二つの国がある。リトス国とアントス国。

 二つの国の間で起った戦争は百年以上の時を数え、いつしか人々はその戦争を百年戦争と呼ぶようになる。

 すでに忘れ去られた理由など誰も気にせずに戦いは今も無情に続いていた。


 百年もあると戦い方は変わっていった。

 戦争初期の戦い方は己の身体を使った純粋な格闘術。現在で言う〝闘術〟である。次第に武器が使われ、その頃には現在使われている杖以外のほとんどの武器が出来上がった。現在まで伝わらなかった武器もあるが、伝承として伝わっている。

 中期には〝魔法石〟という鉱物が人々の中に出てきた。人の中にはその石を媒介とし、自らの内に宿る力〝魔力〟を用い〝魔法〟を使う者が現れた。今で言う〝魔導士〟の始まりの者たちである。

 魔導士が戦場に出るようになってまた戦況はずいぶんと変わった。魔導士が戦場に多く排出されるようになったころには戦況は激戦となった。戦いは大いに荒れ、戦争孤児が最も増えた時期と言っても過言ではない。

 そして後期と言われる最近の事〝闘術〟と〝魔法〟を組み合わせて戦う者たちが現れた。その場にいる数で勝敗が決まると言われる程にもなった〝魔闘士〟である。

 その魔闘士の始まりと言われているのがリトス国の戦争孤児特別収容所出身の五人組み。後に〝五貴石〟と呼ばれるようになり、リトス国の幹部となった五人の男女である。

 テアはその五貴石の一人であり、今や最後の一人である。


 テアが今は亡き四人に黙祷を捧げたその場に戦火が上がったのはそれから数時間後。敵国アントス国側からの攻撃だった。


 あえてタイトルを付けるのならば、


 そして独りになった。


 ですかね。

 内容としては物語の基盤の説明が少し。

 非常にわかりにくいかと思いますが、なんとなくわかってもらえればいいと思います。

 なにぶん私は文を書くことがへたくそです。

 それでも出てきたネタを必死に固めて書いています。

 温かい目で見守ってもらえたら、と思います。

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