表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/187

第2章 タカシの夢はお笑い芸人? (その37)

「どうして? さぁ、どうしてなんだろうなぁ~・・・。」

父親は自らの言葉をそうはぐらかす。

その一方で、その言葉を投げ返してくるように、じっと孝の顔を見る。


「な、なんだよ!」

孝は、そうされることにも抵抗があった。

茶碗のご飯が全部なくならないのに一気に食欲が消えていくのを感じた。



「今のお父さんだったら、そのときのお爺ちゃんみたいに対応できたか、正直言ってまったく自信がない。」

「んん? ど、どういうこと?」


「もし、もしもだ、そのときのお父さんが孝で、お爺ちゃんがお父さんだったら・・・って思うと、ってことだ。」

「・・・・・・。」

「お爺ちゃんがしたように、黙っていられたかどうか・・・。」

「黙って、って?」


「孝が家に内緒でバイトをしようとしていることを知ったら・・・ってことだ。」

「ぼ、僕は、そんなことはしないよ!」

「分かってるさ、だから、もしもの話だと言ってるだろ?」

「だ、だったら良いけど・・・。」


「もし、孝が家に内緒でバイトをしようとしていると知ったら、きっと、即刻呼びつけてるんだろうなって思う。」

「で、怒鳴る?」

「う、う~ん・・・、怒鳴るかどうかも分からないが、きっとお爺ちゃんのように黙って見守ってやるだけの度量はないのかもしれん。」

「や、やっぱり、怒るんだ・・・。」


「いや、いきなり怒るってのじゃなくって・・・、う~ん、やっぱり、一応の説明は求めるだろうな。」

「一応の説明? どんなバイトなのかとか?」

「い、いや、そうではなくって、どうして内緒でやろうとしているのかってことだ。」

「・・・・・・。」

結局は、その「内緒で」という点に問題があるとの認識らしいってことは孝にも理解できた。



(つづく)





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ