中ボス?
指定された日時に、指定された場所へ向かっている途中で佐々木と合流した。
いよいよ加納海斗にとって決着を付ける時が近づいている。
それは佐々木も同じ思いだ。
無言で向かっていた。
佐々木が口を開いた。
「なんかラスボスの所へ行くような感じだな。」
「ラスボスか……そうかもしれないんだな……。」
「加納はそう思わないのか?」
「ラスボスは……会えない人達だよ。」
「会えない人達?」
「そう、この国を動かす人達。」
「あぁ………そうだな。
じゃあ、峯浩一郎は中ボスか。」
「そうだな。中ボスだ。
……佐々木、大丈夫か?」
「大丈夫だ。」
「そうか……。」
指定された時間より10分早く、指定された場所に着いた3人。
通された部屋に着くと、大きな窓の前に峯浩一郎が窓から景色を眺めていた。
「社長! お見えです。」
「おお、そうか。」
振り向いた峯浩一郎は、佐々木と同じ顔をしていた。
妻も夫も⦅佐々木さんと親子なんだ。⦆と思った。
「さぁ、お座りください。
加納海斗さんと奥様ですね。
そちらからご連絡を頂戴するとは思いも寄りませんでしたよ。」
「今日はお時間を頂戴して、誠にありがとうございます。」
「こちらこそ、お会い出来て嬉しいですよ。
そちらの……佐々木まで……ご一緒とは伺っておりませんでしたが?」
「佐々木も無縁ではないことでしたので……僕から頼んで同席して貰いました。
いけなかったでしょうか?」
「いいえ、別にコバンザメと思えば気にも留めません。」
「コバン………。」
「何か? 奥様?」
「いいえ、何でもございません。」
「さぁ、話を着けましょうや。ねぇ、加納さん。」
その時、入室を制する大きな声がした。
その声を制してドアが開いた。
ドアを開けて入って来たのは、60代らしい女性と40代くらいの男性だった。
その二人を見て、誰よりも驚いたのが峯浩一郎だった。
「お前! どうして、ここに来た!」
「どうしてもお話したくて参りました。」
「来客が居るのが見えないのかっ!」
「ご承知頂いておりますわ。
佐々木さんには……。」
「何ぃ―――っ! 佐々木! 貴様ぁ―――っ!」
妻と夫は目の前で起きていることの意味が全く分からずにソファーに座ったままだった。
そして、その二人の後に峯浩司の姿が見えた。




