義両親
義両親は車を飛ばしてやって来てくれた。
心細かった妻は義両親の顔を見ただけで泣き崩れた。
抱き起こしながら義母は「美月ちゃん、ごめんね。来るのが遅かったわね。」と優しく背中を撫でてくれた。
「美月ちゃん、ひーくんは?」
「ベビーベッドで寝ています。」
「そう、良かった。」
「上がっていいかな?」
「あっ! 済みません。玄関のままで……。」
「ううん、いいのよ。私が美月ちゃんを抱き締めたからだものね。」
「美月さん、夕飯は?」
「……あ……まだです。」
「食べられないわよね。でもね、ひーくんの為に食べて!
お願いだから……食べて、ねっ。
台所、入らせて貰うわね。
うちにある物、持って来たのよ。
お粥なら食べられるかしら?
それとも、うどんかな? お蕎麦もあるわよ。」
「お義母さん……。」
「何か食べなさい。今するのは食べることだよ。」
「……はい。」
「お粥? うどん? それとも、お蕎麦?」
「お粥を、お願いします。」
「じゃあ、腕に縒りを掛けるわね。待っててね。」
「ありがとうございます。」
「美月さん、ご両親には話したのかい?」
「いいえ、まだです。」
「じゃあ、先ず、私から警察に電話をするからね。
その前にご両親にも私から電話を架けよう。
それで、いいかな?」
「はい。済みません。お願いします。」
「こんな時だ。頼って欲しい。」
「ありがとうございます。」
義両親が警察へ電話を架けて、妻の両親にも電話を架けてくれた。
その両親への電話で義父が「バカ息子が失踪したようです。本当に申し訳ございません。申し訳ございません。」と謝っていたことが、妻には哀しかった。




