表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/52

指定の場所へ

スマホに表示された「海斗さん」の文字を見て、妻は一瞬躊躇(ためら)った。

父の「誰からなんだ?」という声で、「海斗さんから……。」と答えてから、躊躇いを振り払うように電話に出た。


「海斗さん?」

「美月……電話に出てくれて、ありがとう。」

「……あの……何か用?」

「これからのことを話し合いたいと思って……ひーくんのことも……。

 会いたいんだ。美月とひーくんに……駄目かな?」


その時、義父が言った。


「スピーカーにして! 美月さん。」

「はい。」

「美月?」

「海斗か?」

「父さん! なんで?」

「今から言う場所に来い! 来られたら来い!」

「何?」

「早く来いよ! 場所は………。」

「分かったけど、なんで?」

「お前の同期の佐々木さんが美月さんを呼び出した。

 その指定場所だ。」

「美月を!」

「美月さんには、お父さんと私が付いている。

 だが、これはお前が終わらせる必要がある。」

「分かった。行く!」

「海斗君、頼むよ。」

「お義父さん! 済みません。こんなことに巻き込んでしまって……。」

「謝るのは私にではないはずだ。違うかな?」

「いいえ、仰る通りです。

 今から向かいます。」

「頼むよ。」


電話を切ったのは、妻の父だった。


「あっ……切ってしまった。」

「いいよ、お父さん。」


妻は義父に聞いた。


「あの、お義父さん。」

「なんだい?」

「海斗さんが間に合うとお思いですか?」

「多分、海斗は北海道には居ない。

 多分、首都圏に居ると思う。

 あの記事を書いた出版社の本社があるのは首都圏だ。」

「そうですか……。」

「兎に角、向かおう。」

「はい。」


それから3人は歩いた。

指定された場所へ向かうために歩いた。

再び訪れた沈黙の中を3人は歩いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ