表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/47

父と息子

息子が夫の傍から離れない。

元々、人見知りしない子。

その子が父親の存在を物心ついて初めて感じられたのだ。

嬉しさに溢れている。

輝く瞳に、笑顔に……嬉しさが溢れている。

夫と話せなかった。

義両親も何も聞けなかった。

息子が夫を独占して離れなかったのだ。


「今日は我が家でお泊り頂けるんですよね。」

「……泊まらせて頂けるのですか?」

「勿論です。」

「そのつもりでお待ちしていたんですよ。」

「……お言葉に甘えさせて頂いても宜しいでしょうか?

 人数が多いのですけれども……。」

「勿論です。」

「先ずは、夕食をご一緒に……。

 それから、お風呂にも入って頂いて……。

 お話はお子さんがお休みになられてから…が、宜しいのではありませんか?」

「御配慮ありがとうございます。

 そうして頂けると助かります。な、美月さん。」

「はい。ご迷惑をお掛けしますが、何卒宜しくお願い致します。」

「いいえ、楽しいです。」


大人7人と子ども1人で夕食を摂った。

何も無かったかのような賑やかな食卓だった。

義両親も、北海道の夫婦も、従兄も……妻も、想いを今は伏せている。

伝えたいこと、聞きたいことを伏せて賑やかな食卓を囲んでいる。

ただ一人、息子だけが終始笑顔だった。

そして、夫の傍から離れなかった。


「僕、パパとお風呂に入りたい……駄目?」

「駄目じゃないよ。一緒に入ろう。」

「……赤ちゃんの頃……ひーくんはパパにお風呂に入れて貰ってたのよ。」

「そうなの!」

「ええ………そうよ。」


入浴後、「パパと寝る!」と言った息子の願いを夫は叶えた。

息子が寝てから、夫は自分が手放した家族に向き合う時間になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ