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WORLD)SOUL(WORLD   作者: 六等星
消息盈虚編
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4 怪火

「もうちょっと休んでいたいところだけど、早く動かないとまずいよな?」

━そうですね。見たところ、彼らは一時的に気絶しているにすぎません。再び動き出す前に、なるべく遠くへ逃げることを推奨します。━


「そうだな。さっき通ってきた繋界が閉じてなければ、現世界側に戻れると思うんだけど…。」

━とりあえずそこへ行きましょう。とにかく遠くへ行けば良いのですから。━


「それもそうだな。よし、じゃあ早速…」


2人が倉庫の屋根から降りようと、階段の方へ足を進めた瞬間、爆発音が辺りに鳴り響く。赤い炎と煙が立ち上り、爆風は2人を吹き飛ばそうとした。


「おわっ!?」━くっ…!━


「う…いてて、着地ミスったなあ…。」


煙の中に影がぼんやりと映る。それは段々と色濃くなっていき、遂に姿が現れた。


「やあ、こんばんは。凄いねーこの人の数。全部君がやったの?」


炎を首から肩に纏い、足や手が燃えている不審な男が現れた。飄々としており、緊張している様子はまるでない。


「そうなんだ!俺たちが全部片付けた!ってそうじゃなくて、お前誰だ?見るからに常人じゃないけど…。」


「お、いい目してるねー。長い付き合いになるかもだし、教えておくね。僕の名前は大火。"崩壊連星"っていうおっきな犯罪組織で、幹部やってるんだ!」


━犯罪組織…!━

「ってことはつまり…悪い奴ってことか!」

━もうちょっとマシな感想はないんですか?━

「いやだってそうとしか…。」


「あはは、まあ君のいう通り、世間から見たら僕は悪い奴ってことになるだろうね。だから今日は悪いことをしに来たんだ。」


「…悪いこと?」


「うん!それはね…。」


大火の姿が一瞬にして消えた。2人がどこだと探す暇もなく、答え合わせが行われる。


「君たちを攫うこと。」


少年が声を出す暇もなく、熱い拳を叩き込まれる。少年はなんとか両腕で守ったが、それでもかなりの痛みが腕を襲う。チリチリとした熱がじんわりと少年の肉を蝕む。


「…あつっ!」

━大丈夫ですか!?━


「あ、やっぱ結構頑丈だねー。もうちょっと火力上げよっか!」


大火は軽い準備運動をして、炎を燃え上がらせていく。


「ガイード!俺は逃げに徹するから、ガイードは大火の攻撃を防ぐのに注力して!」


少年は大火に背を向けて全力で走り出す。


「こら、逃げるなよ!そんなほっそい階段なんて、溶かしちゃうよ?」


すぐに大火は2人を追い始めた。倉庫の屋根から飛び上がり、炎で階段を包み込もうとする。


「ガイード!倉庫の壁を滑り台みたいに!」

━なんとか…!はあっ!━


少年は階段から飛び降りて、ガイードが作り出した足場に着地する。体制を崩して落ちかけたが、なんとか堪えて下へと降りていく。


「なんだ、そこまで使いこなしてるのか。なら一層ここで捕まえておきたいな!」


大火は倉庫の壁に手を触れ、凄まじい炎で2人を包み込む。炎が上がった衝撃で、2人は地面へ落ちていく。


「ゔっ…!」


少年派落下した衝撃を減らすように受け身をとって立ち上がる。


「(体は痛いけど、ここで止まればもっと痛い目に遭うんだ!)」


「中々体力が減らないな。捕まえるには相手のHPってのを減らすといいって教えてもらったけど、現実だとそう上手くいかないものなのかな?」


追ってくる大火を足止めするために、2人は途中途中で壁や地面を引っ張ってバリケードのように設置し、進行方向を塞ぐ。元の素材はコンクリートや金属のはずだが、大火の前ではなす術なく壊されていく。


「これがまもるってやつかな?でも現実のまもるってちょっと弱いね。ゲームだと無効化なのに。」


「火力がおかしいんだよ!コンクリートと金属だぞ!?」


「ははは、褒めてもらえるのは嬉しいね!止まってくれるともっと嬉しいんだけど。」


━止まりませんよ!━


「止まらないかあ…はあ、でもそろそろ…」


しかしその2人の意志も虚しく打ち砕かれ、大火は炎を飛ばし、少年の右足を焼いた。


「っ!?」


痛みにバランスを崩して転がる。足を見ると、少年の右足は服を焼いて火傷になっていた。力を入れようとすると痛む。


「ちょっとウザいな。そろそろ終わろっか。」


2人の目を焦がしてしまいそうな光が視界に映り込む。伸ばした指先に光が灯る。それは2人を焼き払うであろう残忍な炎の光だった。

大火は2人のことを捕らえるとは言っていたものの、この光景には2人は死の恐怖を感じられずにはいられなかった。

諦め、攻撃を受け入れようとしたそのとき、けたたましい何かが大地を駆ける音が響く。

2人が音を認識したときには、既に体が引っ張られていた。


━「借りてくぜぇーっボケが!」━


「うーわ。最悪だ。」


あまりの速度に少年の視界が一瞬奪われる。体が裂けそうになる。


「ばべばぼばべば!?」

━新手の敵ですか!?━


━「はぁ!?俺たちは敵じゃねえわボケ!俺たちは『エンジン』の魂、アウトロードと千速シンイチだ!もっとぶっ飛ばすから飛ばされねえようにしがみついとけコラ!」━

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