表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
WORLD)SOUL(WORLD   作者: 六等星
消息盈虚編
4/21

3 目覚めの初戦

「魂のガイード?」


「はい、私自身でつけました。私が目覚める時に聞こえた、ガイ…ドという言葉を元にしまきた。」


「適当につけたって、お前も自分のことが分からないのか?おんなじだな!」


━そうですね。私もさっき起きたばっかりなんです。そのとき、隣にあなたがいたので起こそうとしたんですが、背中を強く叩いたら消えてしまい…━


「やっぱあれお前だったのかよ!」


━まあ何はともあれ、自分のことを知らない私たちは、似たもの同士ということですね。魂と相棒の関係性としてバッチリですね。━


「そうかな…そうかも…」


グッドサインをしながら自身げに振る舞うガイードに少年は若干戸惑った。


━さて、そろそろ本題に移りましょうか。━


「本題?あ、そうだ俺って今どうなってるんだ?」


━ここは魂世界という思考上の世界。簡単に言えばゾーンの超すごい版みたいなものです。ですが脳に負荷がかかるのでそう長居はできません。ここが本当に天国に変わるかもしれませんね。━


「言ってる場合か!でも、もうどうしようもなくないか?だって俺は拘束されてるし、武器も持ってない。両手はあげられるけど。」


━お忘れですか?私はあなたの魂です。あなたに力を貸しましょう。━


ガイードは再びグッドサインをして自身げになる。


「力?どんなの?」


━それは…分かりません。まだ試してないですし。━


「なんなんだよ…。まだ試したことがないのに、俺たち助かるのか?」


━それは保証しますよ。今、私の中から力が湧いてくるのを感じます。スピリチュアル的な何かではなく、確信を持って言えるほどに!━


ガイードは再びグッドサイン。


「そのグッドサインも理由も信用できないんだけど!?全部体感じゃん!」


そのとき、彼らを警告するように明るい空が点滅し始めた。


━おっと、そろそろ時間のようですね。さあ、行きましょう。━


「もう行くの!?まだ心の準備が…。」


━準備なんてしている暇ありませんよ。人生は常に本番です。━


「さっき目覚めた記憶喪失の魂が人生語る!?まあ俺も記憶ないけど!」




急に暗くなったと思うと、一瞬明るくなり、少年は自身が拘束されていることに気がつく。声を振り絞って助けを求める。


「頼む、ガイード!」


━お任せを。━


「ぐああっ!」

「何!?」

「そんな馬鹿な!」


隆起した屋根が少年諸共仮面たちを突き上げ、拘束していた仮面たちは吹き飛んだ。少年はガイードの手を握っていたおかげで無事に着地できた。


「はぁ…ありがとう、ガイード。なんか、息苦しいな。」


━魂世界に長居していたせいですね。申し訳ありませんが、そう休憩している時間はなさそうです。━


仮面たちは2人ににじり寄る。さっきとは打って変わって銃のような武器を構えている。


「さっきとは違って、慈悲抜き殺意マシマシって感じ!本気でやらないとやばそう。ガイード、さっきくれた力ってどんな感じだった?」

━地面を引っ張り、壁を建てて突き上げることができました。━


「攻守両方ともいけそうじゃん!」

━ふふん、まあ私にかかればこれくらいですよ。━


ガイードは頼れるグッドサインをした。少年の息もだんだん整っていく。


━さあ、行きましょう。あなたの動きに合わせます。自由に動いて下さい。━


「OK。じゃあ行くぞ!」


2人は敵陣に向かって真正面から走り出す。少年の頭の中には、まるでプログラムされていたかのように戦闘のイメージが湧いていた。

地面を遮蔽に弾を防ぎ、地面を武器に敵を吹き飛ばす。防と攻を呼吸のように切り替え続け、敵を次々と薙ぎ倒していく。


「囲まれた!どうすれば?」

━簡単ですよ。円を描くように!━

「グルッとこう!?」


少年はガイードに言われた通り、地面を思いっきり引き伸ばして、自分を中心とした円を舞うように描く。遠心力も加わり相当な威力となるそれは、2人を囲んだ仮面を1発で吹き飛ばした。


「駄目だ、強すぎる!」

「何故捕まえられない!仮にも対象は高校生ほどの1人の人間だぞ!」

「逃してなるものか…!」


乱闘から離れた場所で、機械的な音が鳴っている。2人は目を向けると大型の銃火器がこちらを狙っていた。


「ダメージは計り知れないが、必ず捕獲する…!」


2人が気づいたときにはもう遅く、引き金は引かれた。閃光が辺りを包み込む。


「やっば!耐えてくれ!」


少年は咄嗟に防壁を作り出す。倉庫の屋根といってもその威力にすぐに破られそうになったが、更に壁をガイードが十字に補強して、見事耐え切った。


「耐えている!?そんな馬鹿な!」


━あなたを信じて正解でしたね。良い判断でした。━

「ふふん、どんなもんだ!ガイードもありがとう。」


動揺しているのか、戦意を失っているのか、動きが鈍くなった仮面に一気に距離を詰める。


「もう二度と…」


2人は銃を構えていた仮面に飛びかかる。


「襲ってくるな!」

━はあっ!━


最後の仮面は今までで一番強く吹っ飛ばされ、銃は闇の中へと消えていき、仮面は三度ほど跳ねてのびていた。

仮面は全て、倒れていた。


「あー…疲れた。」


━お疲れ様でした。かなり動けていましたね。━


「ほんとだよ。なんだか振り回されてるみたいに体が動いたんだ。振り回された体はもうお疲れ。」


━何はともあれ…私たちの勝利ですね。━


異世界の空は、まずは一勝おめでとうと2人を祝福するように煌めいていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ