幕間
「あ、イクサじゃーん。…どうしたのその怪我。」
寝転がっていた大火は起き上がって男の顔を見た。
「黒淵と戦った。その際に折られた刀が刺さっただけだ。」
「えー黒淵と戦ったの?しかも1人で?馬鹿じゃん。」
「例の2人のもとに行く予定だった。それを黒淵に阻まれただけだ。」
「その阻むものがウォールマリアくらいでかいんだけど?」
「…なんだそれは。」
「はあ?進撃も知らないの?30年経っても褪せない名作だってのに。…てかなんであの子たち見に行ったの?」
「目覚めたからだ。力を使い始めた。」
大火はニヤリと笑ってもう一度寝転んだ。
「それはいいことだね。彼らが強くなるほど、僕らにとっては好都合だ。」
「好都合、か。」
大火は立ち去ろうとしたイクサの前に炎を出した。外炎は静かにイクサの萎れた皮膚を熱する。しかし、イクサはそれに対して眉間に皺一つ寄せずに黙っていた。
「なんか不満?君だって僕らと目的は同じなんでしょ?」
イクサは大火の手を押し除けて口を開いた。
「崩壊を望んでいるという点では同じだ。最も、消去法的にだかな。私は無知の崩壊は望まない。その前に、崩壊する世界の真実を知りたい。それを阻むなら」
イクサは大火の首筋に軍刀を立てた。
「誰であろうと殺す。」
一触即発の空気になり、お互いに同じタイミングで炎と軍刀をしまった。イクサは大火を一瞥した後、黙って歩き去っていった。
奥の扉が開いて1人の少女が出てきた。
「なんの騒ぎ?って、あれイクサさんじゃん。なんかあったの?」
「黒淵と戦ったんだってさ。」
「えーマジ?」
「初見のイクサ相手にここまでやるなんてやっぱ化け物だね。君みたいなそんなほっそい体じゃワンパンだろうね。」
大火は少女を指差して笑った。
「なっ…!そんな…細く…ないし。」
「ほっそいよ!」
「うーっざ!死ね!もういい!アンタと話してるとめんどい!」
「そう怒るなって。どうせゲームに戻ったって負けてキレるだけだよ。」
「一発殴るぅ…。」
大火は笑い、少女が殴りかかろうとしたそのとき、彼らの脳に激しい痛みが走った。
「ぐっ…と。」
「…ッ!?!?」
大火は頭を抑え、少女は苦しそうな声を上げながら胸を押さえて倒れ込んだ。
「大丈夫?」
「…たい。」
「どうやら、 からお告げが来たみたいだね。えーっと…なるほど、これは割と美味しい作戦かもね。」
「はあ、やっと落ち着いてきた…。…え、あの新人を使うの?」
「新人って言っても、まあまあ使えると思うけど?」
「お試しも兼ねているのかな。まあなんであれ、今は とその新人たちを信じよう。」




