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地面に、鮮血のような彼岸花が咲き誇っている。夜の帳はすっかりと降りてしまい、周りは真っ暗な状態である。
そんな中で、一人の少女が『死神』から逃げていた。
「――ちょっと、何する気なの!」
暗闇の中で、『死神』から逃げる少女は悲痛な声で叫ぶ。
しかし、そんな少女の悲痛な叫びに対して『死神』は非情な宣告を述べる。
「残念だけど、君には死んでもらうよ」
「し、死んでもらうって……私、死ぬの?」
「そうだ。死んでもらうんだ」
そう言って、『死神』は少女の頸動脈をロープのようなもので絞めた。
「うぐっ……」
首を絞められた少女は、苦痛とも恍惚とも取れる表情を浮かべていた。
そして、少女は魂が抜けたかのように――絶命した。