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兎の皮をかぶった雪女!? その2
「でお嬢、目的地のリシバアに着いたが今後はどうするんだ?」
「〇×△□」
お嬢……パンくわえたまま喋るな
そしてポロポロ落すな。
『はぁ〜』
俺はため息をつきつつお嬢の顔を眺めると。
「まずは、ギルドで当面の活動費を作ってあれを探す」
あれとは魔導書の事である。
それもただの魔導書ではなく
この世の全ての魔導が書かれているとされる魔導書グリモアである。国を滅ぼす破壊魔導、死者すら甦らせる蘇生魔導、手にした者の望みを叶える魔導と様々な魔導が記載されているらしい。
そんな都市伝説のような物が存在するのか。
どうしてお嬢がそいつを探しているのかって?
お嬢曰くロマンが
あるかららしい。
カランコロン♪
酒場のドアが勢いよく
あく。
「助けてください!!」
汗だくの少年が
膝に手を当てながら
ぜぇーぜー
息をしている。