8 ポン太郎と優しい姉
とある日の休日。
「私これから色々用事があるから出かけるわね。夕方に帰るけど、みんな家の手伝いをお願いね」
お母さんがバッグを片手にいった。
『はーい』
ぼくたちは返事をした。
「遊びに出かけてもいいけど、きちんと手伝いを終えてから出かけること。役割分担いうわね。小梅は掃除機をかけて、お米を炊くこと。アヤメは洗濯物が乾いたら取り込んで畳んで、玄関を掃除すること。ポンちゃんはお風呂を洗うこと。あと誰でもいいからトイレも掃除しといてね。お昼ごはんは、カップ麺や冷凍食品やパンがあるから適当に食べてね」
ぼくたちはいった。
『はーい』
お母さんは出かけていった。
ぼくの家での仕事はお風呂洗いだ。
あともう少しテレビを見たらお風呂を洗うとしよう。
「ポン太郎ちゃん」
小梅が話しかけてきた。
「何?」
「お昼ご飯に私がおむすび作ってあげるから、代わりに掃除機をかけといてくれないかな?」
「え!小梅ちゃんおむすび作ってくれるの!?やるやる!掃除機かける!」
ぼくのテンションは一気に上がった。
だってお昼ご飯がおむすびなんだもん。テンション上がっても仕方がない。
ぼくは鼻歌を歌いながら、家中を掃除機をかけた。
天気がとてもよかった。ポカポカとしていて、洗濯物を良く乾きそうだ。
よし、気分がいいからついでにトイレを掃除しよう。
ぼくはトイレを掃除するためにゴム手袋をした。
一方で、小梅とアヤメはずっと録りためたドラマを鑑賞していた。
お昼ご飯になり、小梅は約束通りおむすびを作ってくれた。
おむすびの中身はツナマヨだ。
ぼくは上機嫌でおむすびを食べた。
午後になり、ぼくはお風呂を洗うことにした。前から思っていたんだけど、お風呂の鏡が汚れていた。
いわゆる水垢と呼ばれるものなんだけど、ぼくは鏡の水垢がとても気になった。
ぼくは小梅にスマホを借りて、水垢の掃除の仕方を調べた。
ふむふむ、なるほど。ぼくにもできそうな掃除の仕方があった。
やってみた。
キレイになった。
ぼくは大満足だ。
「ポン太郎」
アヤメが話しかけてきた。
「おやつにおむすびを作ってあげるから、洗濯物を畳んで玄関を掃除してくれる」
「え!おやつにおむすび!?やるやる!ヤッター!」
ぼくのテンションは一気に上がった。
今日は何て幸せなんだ。
お昼ご飯におむすびが食べられて、さらにおやつにもおむすびだなんて。
ぼくはウキウキしながら玄関を掃除して、洗濯物を畳んだ。
嬉しいな。ぼくはおやつのおむすびをモグモグと食べた。
あぁ、ぼくには優しいお姉ちゃんがいて、とても幸せだな。
そして、お母さんが帰ってきた。
「ただいまー」