外伝4 桃太郎戦記 正義の英雄(ヒーロー)、そして変身
銀河は喉をゴクリと鳴らした。
「俺が・・・・・桃太郎の子孫・・・・・・?」
そして一呼吸置いて、
「俺は・・・・・これから何と戦うことになるんだ?」
祖父の天空は真剣な顔で、
「いない」
「いないんかい!」
銀河は思わずツッコんでしまった。
「え、何?この流れって俺が何か強大な敵と戦うってパターンじゃねーの?鬼と戦うっていうパターンじゃねーの?なのに何?今までの前振りって何?何でじいちゃん真剣な顔してんの?」
それに祖父はまた真剣な顔で言った。
「我々はいざという時のために、常日頃から鍛錬を続けなければならない――――という話だ。実際に煌雷は今魔王退治に行っているしな」
「母さんが・・・・・魔王退治・・・・・大丈夫なのか?無事に家に帰ってくるのか?」
銀河は心底が冷えるのを感じた。魔王というからには強敵には違いない。もし、母が魔王との戦闘のすえに冷たくなって帰ってきたと考えただけで身体が震えそうになる。
祖父はポンと銀河の頭に手をのせた。
「心配するな。ついさっき煌雷から連絡が入って『魔王が私から逃げ回って戦ってくれない~』とか言っていたから大丈夫だ」
「分かった・・・・・」
でも、心配だ。どうか無事に帰って来てくれ。
「それはそうと、銀河。お前は小学五年生になったからには桃太郎の子孫として修行をせねばならぬ」
「修行?」
祖父はコクリと頷いた。
祖父に手招きをされて、銀河は庭へ出た。
「まず、これを額に巻いてみろ」
と渡されたものは桃のマークが描かれた鉢巻であった。
「こ、こう?」
銀河は取りあえず額に鉢巻を巻く。
そして祖父は真面目な顔で言った。
「そしてこう叫べ!『へーんしん!』と!!」
「『へーんしん!!』」
銀河の身体が桃色に輝き出した。
実際に輝いている時間は一秒もないのだが、銀河の体感では一分近く輝いていていたように感じた――――
「何だよこれ!?」
輝きが消え、自分の身体を確認すると、銀河は愕然とした。
桃太郎の衣装に服が変身していたのだ。いや、桃のマークが入った鉢巻を祖父から渡された時点で、鉢巻が何かしらの変身アイテムであることは予想が付いていた。
だがしかし!
いざ桃太郎衣装に変身したら、その衣装はクソダサかった。
ザ・桃太郎的な衣装なのは分かるが、これを着て外に出歩きたくない。
「何だよ!全然カッコ良くないじゃんか!もっとカッコ良いのがよかった!」
「これは我が家に伝わる由緒正しい衣装なのだよ」
祖父はいたって真面目な顔だった。
「そういわれても『桃太郎』って書かれた昇り旗はないでしょう・・・・」
銀河のすぐそばで『桃太郎』って書かれた昇り旗が何の支え無しに立っている。
銀河は不機嫌な顔で言った。
「俺こんな衣装で敵を倒せって言われても、倒しに行きたくね―――」
「そうか。なら衣装を買いに出かけるか」
「買えんのかよ!由緒正し衣装っていう話しはどこいった!!」
なんと桃太郎の衣装は買えるのであった。




