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プロローグ

 ある記事のヘッドラインを見ると、在日ラッパーの道野羽理(うり)さんのことを「闘士」と呼んでました。闘士か…。とても高邁な言葉だと思えますね。

 考えて見るとヒップホップには好戦的なイメージが連なる感じです。その「戦士」イメージで一番有名なのは、やっぱりトゥーパック(2Pac)ではないでしょうか。彼の戦士キャラクターは、今になって見ると商業の一部分だったでしょうけど、それでも彼は伝説として覚えられています。彼自身が戦士を名乗って言うメッセージが、ブラックコミュニティーの時代精神だったからでしょう。

 トゥーパックが入っていたデス・ロウ・レコーズ(Death Row Records)にはドクター・ドレ(Dr. Dre)もいましたよね。パックの代表曲〈California Love〉をプロデュースもした。ドレはもともと、世紀の悪党と呼ばれるヒップホップグループ「N.W.A.」の所属で、彼らが住んでいた地域のコンプトン(Compton)を基盤に発売したギャングスタ―・ラップアルバム《Straight Outta Compton》は、白人の警察に「Fuck Tha Police」と叫ぶ大胆さと、恐ろしい暴力の描写を収めてるじゃないですか。それで政治家とマスコミの攻撃を受け、放送と公演が禁止され、挙句の果てにFBIから警告状が届いたりもして。そんな権力の妨害にも関わらず、それらはむしろ彼らの名声になったのです。ギャングスター・ラップの大父と呼ばれるアイス・ティー(Ice-T)はある番組で「白人の子供たちがラップを聴いてなかったら、今頃何の問題にもならなかったのでしょう」と言ったそうです。

 だから、ヒップホップは黒人音楽で、黒人共同体のライフスタイルに密接に関連してるじゃないですか。その背景には当然レイシズムの歴史と脈絡があって、そこからこの音楽は政治性を持つようになったのです。私たちがどれだけ音を反映したって、その背景までは持ち込めないのです。それでもし、その抵抗精神を持ってくるとするならば、それはきっと話者の少数者性を捉えるところから始まるでしょう。

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