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07.ウサギと豚とヘビは、意外に美味いぞ。






「二ヵ月ぶりのベットだぁ~~♪」


 ハルーラの街に来るまで、外道沿いを歩けば幾つかの小さな村があるのだが、ターナの森で採取と狩りをしながら来たから、感慨に耽るのも分かる。

 レンは実家での生活ではベットなんて洒落た物は無くても、家畜用の餌である干し草を小まめに変えて、その上にシーツを被せてベット代わりにしていたからな。

 魔法を掛けた布を敷布にしていたとは言え、地面の凸凹さは感じるし、狭い天幕では寝ていたら、どうしても身体が硬くなっちまう。


「気持ちは分かるが、まだ寝転がるな。

 ベットにダニやノミが移る」

「い、いないもん」

「世話になる宿に対する礼儀だと思え。

 とにかく、下に行って風呂に入って来てからだ」


 以前と違って、毎日身体を濡れたタオルで拭いているレンからしたら、不潔呼ばわりは心外かもしれんが、森の中を歩いて来た以上、服や髪に潜んでいる可能性は多い。

 そう言う物をなるべく持ち込まないのは、旅する者の常識だと言える。

 だからこそ街に入る前に、外套や服、それに髪を軽く払って埃を叩き落しているんだが、念には念を入れてだ。


「御風呂っ!

 此処にもあるんだ。やった〜〜っ♪」

「当然。俺が選ぶ宿だぞ」


 普通の宿に比べれば割高な料金を取られるが、街に泊まる時はなるべく風呂のある宿を選ぶ。

 俺の趣味という事もあるが、商人として動いている以上、身綺麗にしておくの大切だからだ。

 不潔な旅の行商人など、足元を見られる要因でしかない。

 此処の宿は、風呂は各部屋にある訳では無く、共同の大きな風呂があって、其処を好きに使える訳だが。


「くくくっ」

「ん? どうした」


 お風呂と聞いて早速準備を始めたレンが、いきなり笑い出したので怪訝に思ってみると。


「さっきの宿のおばちゃんとのやり取りを思い出して」

「うるせえっ」


 商人として若造だと嘗められないために、付け髭をして髪を伸ばしていたのだが、レンを教会に登録する際に何故か髭面を禁止されたため、仕方なしに付け髭を止めて髪も短くしたのだが……、宿の台帳に名前を書いた時点で、まさかの偽物扱い。

 ギルドカードと前回泊まった時期を話す事で、誤解は解けたまでは良かったのだが。

 何が珍しいのか、外で宿の外観を見ていたレンが建物の中に入って来て、俺の連れだと知るなり。


『こんな小さな子を奴隷にするなんて、ウチは真っ当な宿で通っているんだっ!

 アンタみたいのがいるから、何時まで経っても女が泣く事になるんだ。

 出て言ってくれっ! そんな客はお断りだよっ!』


 何を勘違いしたかは考えたくないが、再び沸いた誤解を解くのに苦労した。

 この宿自体を気に入っているのもあるが、この街で商売をする上で、嫌な噂は極力排したいと言うのもある。

 結局、レン本人の申告もあって、誤解は解けたのだが、俺の信頼の無さと言うか、この手の誤解を男が解く難しさを実感した。

 挙句に、冷静さを取り戻した女将が、俺の事を思い出し。


『そう言えば、あんた年上好きの巨乳好きだったね。

 うん、こんな小さな子を相手に、……無いわ』


 そんな事を口にしやがった。

 周りでそれを聞いていた連中が一気に噴き出し、俺はいい笑いものだ。

 挙句に、人を笑い者にした当人は、少しも悪びれずに。


『だいたいアンタも悪いんだよ。

 いきなり好青年面して、そんな可愛い子を奴隷にして連れ歩いていたら、誤解もするさね。

 まだ前の顔のまま……、駄目だね、一層怪しさが増すだけだね』


 周りが二度目を噴出した事は、敢えて言うまでもない。




 =========================




「ああ、良いお湯だったぁ。此処の御風呂って凄いよね。

 あんなに広いだなんて、しかもお湯が出続けているんだから、どうなっているか不思議だよね」

「此処の宿の親父は、元々冒険者でな。

 ダンジョンに潜った時に得た魔導具の恩恵らしい。

 売ればかなりの大金を手にする事が出来るが、俺と同じで風呂好きでな、なら宿を開いて宿の名物にすれば、金にもなるし風呂にも毎日入れるって寸法らしい」

「ふーん、そんな凄いのが手に入るんだ」

「かなりレアだがな」


 ダンジョンの宝箱には、色々と入っている事が、当たりもあればそれ以上に外れも多い。

 だが当たりを引けば、かなりの金になったり、強力な武具や魔法道具を手にする事が出来る事もあって、魔物の素材より宝箱を専門に潜る冒険者もいる程。


「当たりを引く迄が大変でな、毒矢が飛び出したり、毒ガスが噴き出す事もある。

 ああ、罠が作動する奴もあって、部屋に魔物が大量に召喚なんてのもあったな」

「うげっ」

「かと言えば、宝箱を開けたらくたびれた古着とか、……ああ、タワシが一個なんて事もあったか」

「命がけで潜って其れって、……悲惨だね」

「まったくだ」


 それだけに当たりが引けた時は、歓喜に震えるんだが、危険に見合うかと言えば微妙だろうな。

 なにせダンジョンは実入りは良いかもしれないが、危険度が段違いだ。

 なんて事のない低レベルの魔物も、狭い通路で周りを囲まれると、一気に命の危険に晒される事になる上、心と身体が休まる暇がない。

 ダンジョンに潜っている間は、たえず命の危険に晒されていると思った方が良い状態だからだ。

 其れで苦労して辿り着いた宝箱が外れでは、泣くに泣けない状態と言える。

 俺がダンジョンに潜らないのは、一人ではあまりにも危険だし、スキルレベルが低いため、連続した戦闘ではあまり役に立たないと言うのもある。

 元々俺の天啓スキルである【賢者】は、前衛に向いたスキルではない。

 後衛で魔法で援護をするにしたって、低レベルなのを補うために、幾つかの手順を踏むし、同時に幾つもスキルと魔法を同期させるため、集中の為の時間がいると言うのも大きい。

 其処までして、威力は下級魔法の域を出ないのだから、後方支援としては枠印を押されても仕方がない。

 『同調』を覚えた今は、だいぶマシだろうけど、咄嗟の反応と言う点で戦闘職としては、どうしても後手に回りがちになってしまう事には違いない。


「ほれっ、とっとと服を洗ってきちまえ、靴も土を落として磨いたら寄こせ。

 中を魔法で洗浄しておく」


 風呂好きの俺だが、やはり身支度と言う点では、女の長風呂程ではない俺は、既に自分の分の洗濯は終えて窓際に干してある。

 魔法で洗濯しているから早いと言うのもあるしな。

 いや、幾ら子供でも、流石にレンの分は洗濯はしないぞ。

 平気で目の前に下着を干したりしてはいても、子供でも一応は女だからな。

 親しき中にも礼儀ありだし、なにより自分の事は自分でするのが基本だ。


「その間に俺もやっちまうか」


 ずっと森の中を歩いて来たため、かなり汚れている革のブーツの内張に魔法で洗浄作業。

 【鑑定】と【解析】で状態と汚れ具合のを確認し、【錬金】と【調合】と【薬師】で革に最適な洗剤を作成。

 【革加工】と【修理】と【生活術】で洗浄を施してから、更に【風】と【水】の魔法で乾燥させて洗浄完了。

 後は通常の革の手入れをして、此れから夏に向けて暑くなるから、専用の中敷きを敷いて終り。

 革の外套やら装備も清掃と手入れはするが、此方は普通の手入れのみ。

 そうこうしていると、レンも洗濯を終えて部屋の中に干して行く。

 旅の途中で水場があれば洗濯する事はあるけど、やはりしっかりと洗濯出来る訳じゃないから、どうしても街に立ち寄った時は纏めて洗濯をするため、部屋が洗濯物で場所を取られている光景は、旅をする者が宿に泊まる初日の共通の光景と言える。

 昔と違って、今は二人分だから服も倍……レンの方が多いか?

 まぁ女の子だしな。

 前の街で世話焼きの女将に丸投げしたから、その辺りの荷物が多いのは仕方があるまい。

 以前のパーティーで一緒にいたレティに比べたら、余程少ないしな。


「はい、おねがいします」


 レンから受け取った靴はまだ作ったばかりだけあって、土汚れを落とせば綺麗な物だ。

 表面はオイルを塗って磨けば良いだけだから、それはレン自身に遣らすとして……。


「……ゔっ、やっぱ臭いな」

「し、失礼なっ! 臭くないもんっ!」

「じゃあ嗅いでみろ」

「嗅がない、と言うか嗅ぐなっ!」


 もっともな意見だが、自然と匂ってきたものは仕方がないだろうが。

 俺のも臭ったが、成長期の子供は大人より老廃物も多いから仕方がない。

 ましてや森の中を歩いてきた訳だから、むしろ臭って当然。

 自分の時と同じように、複数のスキルを使って靴の中を洗浄と乾燥を施し、俺のと同じように中敷きを……流石にサイズが合わないか。

 鋏で大きさを合わせてと。

 うん、こうして切った中敷きを改めて見ると、やっぱり子供の足は小さいな。


「師匠、それは?」

「匂い防止だ」

「だから私は臭くないっ!」


 其処に拘るなぁと思いつつ、男だろうが女だろうが、履きっ放しの靴なんて臭って当然だろうに。


「あと、足の病気の防止だ。

 夏は靴を履きっ放しだと、足の病気になりやすい。

 子供はなり難いとは聞くが、一応は念のためだ。

 ほれ、靴の底に手を突っ込んでみろ、違いが分かるぞ」

「……あっ、べとつかないどころか、サラサラしている」


 足裏の病気は、教会や治癒術師の手で治るが再発しやすい。

 治しても治しても、直ぐに病気になるが、その原因が靴の中の匂いと言う説があり、靴を毎日変えると再発し難いらしい。

 かと言って、そうそう靴なんて買える人間は貴族か富裕層ぐらいだ。

 そうなると靴を洗うしかないのだが、革を洗うと痛むし乾きにくく、生乾きのまま履く事になった上、悪化する事が大半。

 靴の洗浄専門の人間か、俺みたいに魔法とスキルを併用して、無理やり洗浄するかになってしまう。

 其処で、この中敷きの出番。

 結局、匂いの原因は汗らしく、手汗のように足の裏にも汗を掻いて汚れている状態。

 なら風を発生させて、靴の中の空気を、たえず入れ替えてやれば良いと言う訳だ。


「おう、それでレンの足も臭わなくなるぞ」

「だから臭わないっ!」


 眦を上げるレンに、そろそろこの話題で揶揄うのは止めておこう。

 これ以上やると、割と本気で剥れられると察した俺は、真面目な話に切り替える。


「森の中で、グリーンスライムとホップイヤーラビットをたくさん獲っただろ。

 この二つを主材料に、加工したのが此れだ。

 二匹とも風属性の魔物だが、何方かと言うとホップイヤーラビットが主で、グリーンスライムは固定剤みたいな物だ。

 風属性同士だから相性が良いと言うのもある」


 ホップイヤーラビットは文字通り兎の魔物だが、Gランクで耳が羽根になっており、短時間ながら飛行できる、と言うか高く飛んで滑空すると言った感じだな。

 グリーンスライムもスライムの一種で、普通のスライムより僅かに色が濃いだけだから間違えやすく厄介だ。

 只のスライムと思って不用意に近づくとエアボールの魔法を喰らって、当たり所が悪いと昏倒する事になる人間が結構いるらしい。


「グリーンスライムの粉末と、ホップイヤーラビットの耳の羽根。

 それと幾つかの薬草と薬剤が材料になる。

 夕食後に素材の下処理を教えてやるから、作業は任せるぞ」


 魔法による付加は出来なくても、単純な作業は十分できるし、知識としては覚える事が出来る。

 レンの持つ『精霊の祝福』は物に精霊魔法を付加する事が出来るはずだから、此処で得た知識が、いずれ役に立つ可能性もあるからな。


「師匠がそう言うと言う事は、結構な値段で売れるんだ」

「数回分の治療の値段で一夏保つ。

 それで足の裏の痒みとおさらば出来るならばと、結構な人気商品だぞ」

「げっ! そんなにするのっ!」


 立てた指の本数の多さに驚くレンだけど、足の裏の痒みが気になって踏み込みが甘かったり、力が入らなかったら騎士や兵士は話にならない。

 他にも大切な商談で、痒みが気になって集中出来なかったら大損失を覆いかねない事もある。

 清廉潔白を謳う貴族は、足の裏の病気に罹っている事を隠したいだろうから、予防のためには金を厭わないしな。

 それこそレンじゃないが、令嬢なんて匂いを気にするだろうし、みっともない所は見せられない。

 こう言ってはなんだが、もし妹のマリーが足の裏の病気に掛かって、その事を俺が知ったら、間違いなく俺は妹に消されると確信できる。

 こう、顔を羞恥心で真っ赤に染めながらも、遠慮なしにエグくな。

 まぁ例えは悪いけど、貴族の令嬢って言うのはそれくらい気を使うに人種だって事だ。


「ある商会は、ホップイヤーラビットとグリーンスライムの養殖を考えているそうだ」

「…ん~~、つまり高く売るなら今の内って事?」

「もう数年掛かるだろうが、大商会に大量生産されたら、俺みたいな個人じゃ太刀打ち出来ないからな」

「でも、師匠、よくそう言う事を知っているね」

「こういう情報を収集するのも大切な事だ。

 レンが知らない所でちょこちょこやっているんだぞ、此れでもな」


 とは言ってみたものの、今回は元々俺が製法を商会に持ち込んだ話だから、進捗状況と情報の遣り取りの関係上、聞かされていただけの事だけどな。

 大量生産に成功したならしたで、五分の利益供与が毎年振り込まれる事になるから、俺としては何方でも良いと言うのが本当の所だ。

 まぁその辺りの話は、おいおい話をして行くとして。


「おし、じゃあ、まずは飯に行くぞ。

 久しぶりの街だ。明日ぐらいは甘い物を食べにでも行くか」

「やったーっ! 師匠っ、大好きっ❤︎」

「あはははっ、調子の良い奴め」


 この街に来るまでに頑張ったんだ、御褒美くらいはあった方が良いだろう。




 =========================

【冒険者ギルド】




「オークの耳と魔石が十三匹分、そして薬草類が・」

「薬草系は此奴に付けてくれ」

「畏まりました」


 収納の鞄に満載の処理済みの薬草や薬木は、何時もならもう少し加工して魔導具屋などに売り込みに行くのだが、レンのギルドレベルを上げるためもあるから、今回収集した薬草類の殆どをレンの名義でギルドに卸す事にした。

 二人で採った物を誰か一人の功績にしてギルド貢献値を稼ぐのは、ハッキリ言って卑怯ではあるが、無理な討伐を受けるためではなく更新期間を延ばすためでもあるから、レンを魔物を引き寄せる餌代わりに使うって訳ではないので、そんな冷たい目で睨みつけないでもらいたい。

 家族登録してあるからな、その当たりを確認した上で疑ってくれ。

 二十歳くらいの中々の美人で、豊満な身体の受付嬢に優しく微笑まれるならともかく、軽蔑し切った冷たい視線に晒されて喜ぶ変態趣味はないので、本当に勘弁してほしい。


「おうっ、カイラルじゃねえか、随分とスッキリとした顔に戻っちまったな。

 折角顔が良いのに、あんな胡散臭え姿をしているより、よっぽどそっちの方がマシってもんだぞ」

「ダルスか、元気そうで何よりだが、俺としては気にいっていたんだがな。

 と言うか、胡散臭さではダルスには勝てねえぞ」


 買取の手続きをしていると、ギルドの奥から山賊の親父と間違えそうな凶悪な顔の男が声を掛けてくるが、此れでもれっきとしたギルドの職員で、ギルドの仕事の合間に、武術師範で新人どもを鍛えていたりする。

 大きな街のギルドだと、簡単な戦闘訓練をしてくるところがある。

 俺としては、冒険者としてやっていけるための基本を教えて貰いたいものだが、荒事に対応できる技術も必須だからな。

 それに冒険者としての基礎は地味と言うのもあるが、時間がとにかく掛かる。

 流石にそれほど双方に余裕が無いから、無理だと言うのが現実なのだろう。


「俺のは厳つい男らしさっていうんだ。

 それで、とうとう胡散臭い事に気が付いたのか、それとも女でも・」


 其処まで言ったところで、ダルスは買取手続きを終えたレンが俺の所に来たのに気が付いたのか、眉をしかめて。


「オメエさん趣味が変わったのか?

 だとしても、流石にそんな小さな子を相手は病気だぞ」

「違うわっ!」


 まったくどいつも此奴も、人を何だと思っているのか。

 俺の好みは、昔も今も、女性らしいふくよかな人間で、包容力のある大人の女性だ。

 間違っても、小児性愛好者(へんたい)の趣味は持ち合わせていない。


「事情があって弟子にしただけだ。

 だいたい弟子にした時は男だと思っていたしな」

「つまり、そっちの趣味があったと。

 どおりで、あんな綺麗な子に迫られてても、反応なしな訳だ」

「待て、なんの話だ」

「いや、だから好きなんだろ、小さい男の子が」

「んな訳あるかっ、馬鹿野郎っ」

「がははっはっ」


 まったく、相変わらず人を玩具にしやがって。

 俺がそんな小児性少年愛好者(ドヘンタイ)に走るだなんて、冗談でも思われたくもない。

 朝っぱら酒でも入っている訳でもないのに、まだ笑ってやがるダルスを睨みつけてやるが、荒くれが多い冒険者達を見慣れたダルスに、俺みたいな若造が睨んだところで怯む訳もない。

 だが誤解だけは解いておかないとな。


「あと、レティの事を言っているのなら誤解だぞ。

 色々助けられはしたが、いい様に使われてもいたからな。

 俺なんざパシリ扱いだよ」


 追い出されたとは言え、元パーティの仲間だっだ訳だし、追い出された時はレティ達はいなかった訳だから、追い出された事とは関係ない。

 どんな間違いだとしても、俺となんて噂は彼女にとって不利益でしかないだろうからな。しっかりと否定しておかなければ。

 そもそも幾ら年上と言っても一つ、二つしか違わないし、童顔で無い無い尽くしの彼女は、俺にとっては妹のマリーと同類で、我儘な世話の掛かる妹扱いと言うのが本音だ。

 やたらと年上ぶってはいたけどな。


「……はぁ、この朴念仁が」


 ん? 何か呟いていたようなだが、後ろの買取カウンターの騒ぎの音で聞こえてこなかった。

 騒ぎに意識を向ければ、どうやらオークを持ち込んだらしいのだが。


「なるべく持って来てくれと聞いたから、こうして態々持って来てやったのだろうが」

「ですか食べれる程度に、新鮮な物でなければ」


 ……解体もしていないのに此処まで臭うって事は、中の肉は完全に駄目だな。

 大方、討伐した後で肉を冷やす事すらせずに、この陽気の中を持って帰って来たんだろう。

 そんな腐りかけた肉は買い取りは出来ないと言われて、文句を言っているみたいだ。


「幾ら高級肉でも、腐っちゃ意味ねえな」


 まったくダルスの言う通りだ。

 オークの肉は、繁殖した豚肉よりも旨い高級肉。

 腐らせるぐらいなら、美味しく食べてやれっていうんだ。

 せめて解体して、塩漬けにしておけば違っただろうに。


「おいカイル、お前さん、肉は持ってねえのか?」

「あるにはあるが、この陽気だから殆ど加工済みだぞ」


 オーク十三頭分だからな。

 そのまま持ってくるよりも、ベーコンや干し肉に加工した方が量が減るし日持ちもする。

 加工した上で、魔法で氷漬けにした肉と一緒に入れ、収納の鞄でしまっておけば更に日持ちをする。

 当然、売り先はギルドより高く買ってくれる肉屋だ。


「オメエさんの考えは分かるが、偶にはこっちを立てろ。

 今はちと訳ありでな、加工済みなら肉屋と同等の値段で買ってやる」


 同等なら悪くないが。


「彼奴等への見せしめも兼ねてだと、俺等が恨まれそうなんだがな」

「其処はさせねえよ。

 と言うか、オメエさんが加工したオーク肉なら、そもそも比較する事すら間違ってる」


 ……ん~、面倒ごとは嫌なんだが、ギルドに協力しておくのは長い目で見れば悪くないし、不興を買っても厄介だからな。


「貢献値を、この子に振り込んでくれるなら、今回は受けよう」

「あのなぁ、どう見ても駆け出しだろうが、そんな子のギルドカードに加算できる訳が……分かった分かった。

 だが一応は理由は聞かせてもらうぞ。

 山賊面だろうが、此れでもギルドの職員なんでな。

 新人が危険に晒されるのを、黙って見逃す訳にはいかねえからな」

「Eランクに上がれば、魔物の討伐が出来るからな。

 此の子のレベルをある程度の所まで上げてから、本格的な修行に入りたい。

 今のままでは、たいした事は教えてやれない」


 能力値を手っ取り早く上げるのは、魔物を倒してレベルを上げる事。

 まだレベルが低いレンなら、ある程度の所までは早く上がるし、俺が守りに付いてやれば、比較的危険を排除した上でレベル上げを行なえる。

 魔力と魔法力を上げて、生活魔法程度で良いから精霊と契約させれれば、本格的な魔法の修行に入れる。

 ダルスは俺を睨みつけるかのように、俺の顔を覗き込んでいたが、やがて息を小さく吐き。


「嘘を言っているようには思えねえな。

 まぁ良いだろう。その代わり肉は全部だせ」

「分かった、肉は(・・)全て出す」


 話が付いたのなら、馬鹿がまだ騒いでいる内に買取専用のカウンターの一つに戻り、担当は馬鹿共の相手をしている受付嬢ではなく、ダルスが担当。

 収納の鞄から出しているように見せかけながら、その中に入っている収納の革袋から肉を()カウンター台に取り出してゆく。

 オーク十三頭分相当の、ベーコンと、ハムと、塩漬けと、干し肉。

 まぁ一部は食料として食べたが、其処は冒険者の醍醐味という事で。

 あと、ホップイヤーラビットの肉を64羽分と、鹿の肉八頭分の燻製肉。

 それと……。


「おいおいっ、深緑王大双蛇までもか。

 やっぱりオメエさん、独立してからの方が腕が良くなったんじゃねえのか?」

「偶然に出会えたのもそうだが、罠に掛かってくれたし、運が良かっただけさ。

 此奴は燻製も美味いが、甘ダレに漬け込んで炭火で炙った方が上手いからな、半身は生を冷凍してある」


 本当に偶然で、レンを生餌にしたとかではない事は念を押しておく。

 そう言う輩もいるのは確かだからな。

 此奴は目や匂いではなく、体温で獲物を見ているらしいから、鹿の屑肉部分を集めて薬を混ぜてから固めた後、お湯の入った革袋を抱かせて罠を仕掛けたのだが、上手く罠に掛かったかは見ての通り。


「此奴の革はどうした?」

「勿論加工して別の所に売る。肉だけ(・・)の約束だろ」

「ちっ、まぁいい。約束は約束だ。

 それにしても、相変わらず良い仕事をしているな。

 これで一杯やったら、最高だろうな」

「当然だろ。肉の状態で値段が左右されるのは常識だ。

 これからどんどんと暑くなる時期だから、此れくらいはして当然の事だろ。

 氷漬けにするなり塩漬けなりしておかないと、直ぐに腐って売り物にならないゴミになっちまう。

 だが巧く加工すれば、倍近くも値段が変わる事もある。

 その為の工夫をするかしないかは、当人達の才覚次第だがな」


 ダルスの後半部分と、今言った俺の言葉は、誰かさん達に聞こえる程度の声で、敢えてゆっくりと遣り取りする。

 気配で嫌な顔をしているのがだいたい分かるが、事実は事実だ。

 そいつらを相手をしていた受付嬢も、俺とダルスの遣り取りが半ば応援だという事に気が付き、少しホッと安堵の息を吐いているのが分かる。


「だが、此れだけの物があるのは助かるな。

 実は近々領主の屋敷で大きな催しがあるらしくてな、最高の肉をと依頼が来ていたんだ。

 深緑王大双蛇の肉なら、最高の肉の一つだ。

 間違っても傷んだオークの肉なんぞ出せねえからな、そんな物を納めた日には、下手すれば肉を持ち込んだ奴等に手配が掛かったかもしれん、助かったぜ」

「ほう、其れなら、当然色を付けてくれるんだろうな?」

「おうっ、領主に貸しを作れるからな、市場の相場で買わせてもらおう。

 当然、貢献値も依頼がある分、割り増しだ」


 なるほどな、領主からの依頼が入っているから、此方の要求をアッサリと呑む訳だ。

 その情報を知って肉屋に持ち込めば、此処で売買する以上の値段で取引で来ただろうが、その情報を知らなければ、通常通りの取引だっただろう。

 向こうからしたら、仕入れ値が安いに越した事はないからな

 今回は此方の要望も通って、何時もと大差のない値段で売れた上に貢献値も入るのなら文句はない。

 それとなくサービスもしてくれたしな。

 おそらく一部は、身内で楽しむために低価格で売買するってところか。

 話しに無かったサービスは、それに対する礼と口止め料だろう。


「すごすごと尻尾撒いて行きやがったぜ」

「ダルスが出てきた事と、アレを自分達で食えと言われたら、無理だと自分達でも分かっていたからだろ」


 俺達の遣り取りが聞こえていたらしく、問題の連中は早々に建物から出て行ったが、まぁ止めはダルスの『領主から手配が掛かる』かもと言う言葉だろうな。

 俺の常識と皮肉で分からせ、ダルスの遠回しの脅しで引き挙げさせる。

 アレなら俺ではなく、領主に対して引かざるを得なかったと言う形になるから、さして自尊心も傷つかないだろうから、ダルスの『させない』と言う約束通りと言えるか。


「有難うございます。

 あと、先程は失礼な態度を取ってしまい、誠に申し訳ありませんでした」

「礼ならダルスに言ってくれ、俺は頼まれただけだからな」


 買取の受付嬢が礼を射てくるが、思わず胸に行きそうになるのをグッと耐えて

そう流しておく。

 流石にさっきの今で、立派な胸に視線が行くのを気が付かれたら、ばつが悪いからな。

 うん、勿体無いが仕方ない。


「おう、アレ位は対応して貰いたいが、無理そうだと判断したら、それとなく応援を呼べ、そのための俺等が裏にいるんだ」

「は、はい、すみません」

「謝るんじゃねえよ、たくよっ。

 ほらっ此奴が査定結果だ。これで処理しておけ」




 =========================




「むふ~~~❤︎」


 フルーツのタルトを一切れ、幸せそうに口の中に放り込む弟子の姿は、呆れ半分、微笑ましさ半分と言った所か。

 男の振りして生きてきたレンが、俺の弟子になって女物の服を着て、女として生きるために言葉遣いを直しているのは知ってはいるが、なら、大口を開けて食べるのはどうかと思う。

 実家に居た頃なら、男であっても間違いなく叱責ものだ。

 だが、本当に美味しそうに食べる姿は、まぁ良いかとも思ってしまう。

 見苦しい程大口と言う訳では無いし、歳の割りに幼いレンの容姿には寧ろあっていると言える。

 なにより貴族ならともかく、庶民ならこんな物なのだろうしな。


「美味いか?」

「うん❤︎」


 少なくとも、この素直な笑みが間違っているとは俺には思えん。


「んん~~~~❤」


 余程甘味に餓えていたのか、それとも此処のがそれほど美味しいのか、悶えるレンの姿は可愛らしくはあるが、その内、礼儀作法も教えておかんといかんな。

 もしこのまま大きくなったら、嫁の貰い手もいないかもしれん。

 ……まぁ、あと一、二年経ってからでいいか。


「幸せ~~♪」


 450モルトのケーキセットで済む幸せなら、随分と安いものだな。


「でも、本当に師匠は食べないの?」

「甘い物は嫌いと言う訳では無いが、好きと言う訳でもないからな、一人前も要らん。

 俺の事は気にせずに、じっくりと味わってくれ」


 此方は本を読んで時間を潰していると言わんばかりに本を掲げて見せ、再び本に視線を戻す。

 俺の天啓スキルは『賢者』。

 例えレベルが低くても、知識は武器になるし、固有スキル『全知無能』によって得た知識を忘れる事なく、知識を溜め込めるから、こう言う時間は意外に貴重だ。


「はい、師匠」

「……、……」


 レンの呼び掛けるような声に、再び視線を上げて見れば、其処にはフォークに刺した一口分のタルトを此方に差し向ける姿が目に入ってくる。

 手とフォークの角度から、受け取れと言う意味でない事は確かだが……、それはアレか?

 俺にアレをやれと言う事か?

 何処かの馬鹿ップルがやっているような事を、こんな人目のあるようなオープンカフェで俺にやれと?


「落ちちゃうから早くして」

「……、ふぅ…」


 オマエなぁと小言を言おうとしたが、レンの真っ直ぐな目に文句を言うのを止めた。

 俺を揶揄う訳でも面白がる訳でもなく、単に無邪気な姿に馬鹿らしくなる。

 大人と子供の差がある俺とレンに、下らない外聞を気にするだけ意味が無い。

 

「ん、美味いな」

「でしょう♪」


 素直にレンの好意を受け取り口にしたタルトケーキは、中々に美味い。

 使われているカスタードクリームの滑らかな口当たりに、完熟した果物の甘味を計算に入れ甘すぎないのも良い。

 なにより、タルトの出来が秀逸だな。

 これは甘い菓子を食べなれていないレンが、悶えるのも分かる。

 適当に入った店だが、この店は当たりだったようだ。


「ねぇ、この街にはどれくらい滞在するの?」

「予定していた作業が無くなったからな、五日~十日程だ。

 後は天候次第だな」


 結局、レンのランク上げには、僅かに貢献値が足りず、あと少しだったため、深緑王大双蛇の革をギルドに納める事で、なんとかランクを上げれた。

 一応は皮から革に加工し終えていたため、皮の儘で売るよりマシだったが、店に売るより三割近く安く買い叩かれた。

 まぁ本来はもっと安い値段だっただろうし、ダルスも頑張ってくれはしたんだが、此ればかりは仕方があるまい。

 そもそも家族登録してあるとはいえ、本来はまだギルドレベルが低くて魔物の素材を貢献値として加算出来ないレンに、貢献値を全て入れろだなんて無理を言っている自覚もあるしな。


「今の内に御風呂に入り溜めだね」

「その前に、勉強溜めだな」

「げっ」

「しっかりと勉強できる機会だ。

 みっちり扱くぞ」

「ふみぃ……」


 森の中でも勉強はさせてはいたが、周りを警戒しないといけないし、座り心地も悪い。

 せっかく安心して集中できる環境があるなら、使わない手はない。

 と言う訳で、泣いてもやらすから覚悟しておけ。




 =========================




「師匠、何作ってるの?」

「自分の事に集中しろ」

「終わった」


 レンの言葉に作業の手を止め、差し出された魔法の羊皮紙の束を覗き込み………。


「3番と7番、そして14番が間違えている、設問を(・・・)よく読んだ上で計算をし直せ、答えが合う迄は寝れると思うなよ」

「うえっ」


 悲鳴を上げるが、甘やかしても仕方がない。

 計算の練習だと思って、文章の練習ではないと思い込むのは間違いだ。

 計算そのものは合ってはいるが、設問の意味を間違えているため、計算式そのものが間違ってしまっているから答えが間違って当然。

 此れで計算違いと思って計算だけやり直していたら、夜中まで寝れないだろうな。

 当然、寝る前に魔力の循環鍛錬も行なう。

 鬼とか言われても知らん。

 やるかやらないかだし、これでも俺の子供の頃に比べたら、だいぶ楽だぞ。


「ゔぅぅ……、これがこうなって、……あれ?」


 苦労して身に付けた物は、そうそう忘れん。

 今はせいぜい、苦労しながら色々な見方があると学ぶんだな。

 さてと、俺は俺で作業の続きだ。

 と言ってもたいした作業ではない。

 何処の魔導具屋にも売っている様な物の組み合わせだ。

 小型の魔導ランタンと、高い所に設置した照明の魔導具に魔力を補充する魔法石。

 此れ等の材料も、魔導具屋に売っていたり、普通に雑貨屋に売っていたりするような物。

 俺の場合、レベルが低くても『錬金』と『魔導具作成』と『魔力付与』の組み合わせ、そして『装飾』と『金属加工』でそれなりに見た目よく作れる。

 後は此処に、魔法陣を書いた羊皮紙の上に魔石を乗せ。


(大地よ、その大いなる懐に間の水を受け止め賜え)

(水よ、貯えた魔の恵みを、我らに与えたもう)


 流し込まれた魔力が、魔法陣を吸い取り魔石へと流れ込み、うっすらと輝きを放っていたが、次第にその輝きは薄らいで行き、魔法石へと変化する。

 よしっ、後は此れを小型の魔導ランタンの下部に固定し、魔力補充用の魔法石と繋ぐ。

 後は、此れに魔力を流し込めば。


 ピカッ! ピカッ!

 ピカッ! ピカッ!


 設計の段階で最大光量に設定した魔導ランタンが、内部の魔力を一瞬で使い切り、作ったばかりの魔法石から魔力を一気に吸い出し、魔力が補充されたら、再び最大光量で一瞬だけ灯るを繰り返す。

 小型の魔導ランタンに仕込んだ魔法石は、魔力を使い切るまで補充をせず、そして容量を少なく設定した魔法石に満ちるまで、ランタンを灯らせない特殊な設定。

 そしてランタンで使う魔力以上に、後付けの貯蔵用の魔法石に溜め込めるようになっているため、連続して発光できる仕組み。

 う~~ん……、光るだけじゃな。

 せめて光に色を付けるか。


「眩しいっ! 集中できないっ!」

「集中力がない証拠だ。気になるなら背中を向けておけ」

「ピカピカやられたら無理っ」


 レンの苦情はもっともだと思うが、まぁだいたい出来たから、あとは調整だからな。


「だいたい、何を作ってるの?」

「いや、昼間の件でな。

 ほらギルドの買取カウンターで、いちゃもんを付けていた連中がいただろ。

 ダルスの奴が応援呼べとか言っていたけど、意外に助けを呼ぶのは難しくてな、下手をすれば相手に暴れられる。

 だから、此奴をカウンターの下にでも固定し、魔力を流せば魔力伝達用の線の先にある此奴が光って助けを呼べるんじゃないかなと思ってな」


 元が生活用魔導具だから、誰にでも使えるし、使用する魔力もそれほど多くない。

 普通の人間でも2つ数えるくらい魔力を流せば、10数えるくらいは光らせておける。

 我ながら良い発想だと思う。


「……」


 だと言うのに、レンは呆れたような、それでいて冷たい視線を送ってくる。

 何か、俺が気が付かない欠点があるのかもと思っていると。


「そう言えば、胸の大きな人だったよね。

 師匠、時折、視線を下に向けてたし」

「ぐはっ!」


 まさかのレンからの暴言に、血反吐を吐きそうな思いに駆られる。

 なんでバレてる?

 いや、そんなには見てないぞ。

 柔らかそうだなぁと思いはしたが、気が付かれる程見てはいないはず。

 偶々其処に目が行っただけと、何故、そう捉えてくれない。


「不潔」

「はぐっ」


 俺は悪くない。

 たとえレンの言う通りだとしても、男ならごく自然程度のはず。

 そんな不躾な目で見てはいないはずだし、変な想像はしてはいないのに、何だこの罪悪感は……。

 いや、大人として子供の見本になるべきなのに、それを悟られた時点で俺が悪くなるのか?

 だが、例えそうだとしても、事は一瞬だったはず。

 なんで気が付かれた?

 いや、今はそう言う事を気にすべき時ではなく。


「あのな此れは別に、あの受付の為ではなく、ああ云う場所で使えるだろうって事で、他にも使い道がありそうだからでな」

「万に一つも入っていないと?」


 其処は十に一つとか、百に一つじゃないのか?

 万に一つって、どれだけ信用されていないのかと問いただしたくなる。

 だが、まぁ此処は大人の余裕でもって。


「……ない」


 多少、口籠ったが伝わったはずだ。

 四か月弱と短いとは言え、俺とレンが気付いてきた仲だ。


「怪しい」


 くっ、あの信頼しあった日々は何だったのだ。


「と、とにかく、明日は世話になっている商会に此奴を売り込みに行く。

 ついでにギルドにもな。

 くだらん根拠のない事を何時までも言ってるな。

 ほれっほれっ。とっとと勉強に戻れ」


 こうなったら、強硬手段。

 師匠命令の発動っ!

 こらこら、其処で大人気ないとか言うな。







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