仇となる、強硬派
「ええ、成功したわ、彼の子を産めるはずよ」
彼女は言う。
そして電話口でそうかそうか、それは結構、それだけでも上等だ。と老人の声。
そして短く会話し、電話を切る。
そして…
「でも避妊魔法、あるからぶっちゃけ出来ないんですよね〜」
「ええ、そうね、お祖父様は過信してるけど、無理そうね」
「私達、血統主義で仕方ないですけど本当は不知火さんカッコいいですもんね」
「あら?そうなの?普通にしか見えないわね」
「色さんは特殊ですから、見えますね〜隠してます」
「魔術師の常識を知らない人だと思っていたけど、調べたのね、割と」
「保険が効いてますね〜不幸が身近な人に起こると百では有りませんが、本格的に危ないと働きます〜」
「お祖父様のことだから、次の刺客を…かしら、あなた危険だもの、私が毒殺しろと言うでしょうね」
「カウンターでお祖父様が毒殺事件に変わり、四神さんが危険ですね〜犯人として〜」
「毒をそのまま元凶に返すカウンターね?どんな魔法陣かしら?もしくは詠唱」
「まずは魔力増やしてからですね〜割と重いので…常時演算させるのに、完璧に未来予知まで入れると」
「私なら出来ますね!たぶん?」
コッテと首を傾ける無極色。
「安定してからにして下さいね、秘密の魔力源を」
「ねえ…名前に意味は有るわ、無極というと…」
「普通は無敵に見える気がしますが、成功例でしょうね〜」
「……納得したわ、あなたの秘密、少し」
「察しのいい同級生はどうしたら良いか…と検索してみましょうか、ネットで」
スマホを操作する不知火。
「大金ですか〜では、カードを教えましょうか、これが仮想通貨のカードです〜」
「嬉しいわ〜キャー…とでも?」
「…子ですか?」
「残念なことに生き残る秘訣は犯罪ね、魔術師は」
「私も小遣いに欲しいですが家は裕福で大金はその気になれば宝くじ当てますね…」
「冷静に困った…な〜あと色さんは合法ですね…年齢以外」
「で?どうするの?」
「まだ特製スープ作りましょうか…今度は劇薬ではなく特注の秘密を込めたドリンクを…」
「あと知識ね、まだ何か隠してるのでしょう?あなたの事だもの」
「へへへ…これが日頃の成果か…あんまり言えなくて基礎が有れば多少良いですよ〜」
「たぶん、破滅するタイプの知識ですね、基礎と言うことは、不知火さん、あのドリンクで基礎作れません?」
「色さん、出来ますが、制御できる範囲は経験ですね〜裏技は有りますが賢者の石下さいとか聖杯下さいレベルですので流石に…ですね〜」
「そうね、命が関わっている訳じゃないし、急ぐことも無いわ」
「では、電話番号教えて貰いましたし、今日はもう解散しましょうが…お祖父様にはテレパシーを本物の電波からSearchして送りましょう〜」
「本当に電波ね…脅しになるかしら?」
「魔力感知が馬鹿なら深淵を覗かせてちょっと…」
「待って、居なくなると困るわ、千歳にもうすぐよ?魔力感知はすでにその猫から私には分からないけど異常だと言ってたわ、テレパシーで十分よ」
「ん〜その辺感知して無いですね…危機は感じれますが…じゃあテレパシーで送りましょう、避妊は成功したと」
「馬鹿では無いからダメ元だったのかしら?」
「かもですね〜何が…本来未来で起きるのか…色さんかもですね…毒と思いましたが単に魔力込めすぎてカウンター…ですね、たぶん」
「ええ、そうね、あなたが原因もあり得るから、子を産めない理由は…政治的にお祖父様も苦しいわ、ダメ元で行動しないの」
「ですねー…」
「私もたぶん、同じ結末ですね…不知火さんにはバレてるはずですが秘密連絡、しましたもん…」
「双子で悪魔でも一人なのに二人で保険かけてるらしいですしね…バレて後が怖いのは当然でしょうか」
「ヒ・ミ・ツが移動します!」
「ですね~」
「どこも、怖いわね、普段身内には冷たい訳じゃないけど目標への到達、スキルという謎のあなたを狙っているもの…でしょ?」
「どうでしょうね〜」
「興味は有りますね、不知火さんの秘密!」
「まあ、自重してませんが、どうなんでしょ?」
「基礎は大事ね、やっぱり、無極さん見ると」
「え?」
「真理の到達と言われても困りますね〜」
「そうね…普通…」
では解散しましょうとそれぞれ解散し、当然、後で電話が直接かかって来たがニュースに謎の変死者が流れ、不知火に対して強硬派の魔術師は消えた。