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第五話『戸惑いと涙』

六月のある日、恵は体育館の裏にいた。

「あの…貴方は?」

「手紙の贈り主さ」

「えっと…神坂直樹さん ですか?」

「そう」

「あの…ボクは」

「知ってるよ。それでもいい…」

「ごめんなさい!!考えさせてください!!」恵は走り出した。後に残った直樹はポツリと呟いた。

「…君の為ならなんでもやるさ」。



恵は走り続けた。どこまでもどこまでも。

《どうして?ボクは男だし、ヲタクなんだよ…。どうしてボクがいいの?普通の女の子だっているじゃない!!》

家に着いた恵は自分の部屋のベットに突っ伏してないた。物影に隠れていた光は心配そうに見ていた。



時を遡り朝。

恵はいつもの様に下駄箱の上履きをとろうとしたときに気がついた。封筒が入っていた。封筒の表には『東条 恵様』と書いてあり、裏にはこじんまりと『神坂 直樹』と書いてあった。恵もバカではないためそれが何なのかはすぐにわかった。そう『ラブレター』とやらである。

トイレ(女扱いなので女子トイレ)に駆け込み封筒の中身を見た。

『東条 恵様。あなたが男性であることは知っています。ですが、僕はあなたに恋をしました。一度話がしたいので今日の放課後すぐに体育館裏に来て下さい。神坂 直樹』と書いてあった。

その日の授業は何一つ頭には入らず、ただボーッとしているだけだった。時間は刻々と過ぎていき冒頭のことが起こった。



恵は何もやる気がおきない中風呂に入り寝た。机には例の手紙が置いてあった。そこへたまたま様子を見に来た光が見てしまった。

「そんな…」光はまた元の場所に戻し静かに部屋を去っていった。

「姉ちゃんが男に告られた…」。光はただ夜空を見上げる事しか出来なかった。

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