第二話『学校』
恵の心は少しずつ変わっていった。そして、制服のポロシャツを着てズボンをはいた。最後にブレザーを羽織る。そう、恵は学校に行くのだ。両親は開いた口が塞がらなかった。
「ママ。幻覚かい?」
「現実よパパ」二人は号泣していた。
職員室。
「そうか。君が東条 恵だな。よし、教室に行こう。」グラサンの担任こと若本 和が言った。今年で28歳の割とイケメン教師である。教科は体育。脅威の身体能力を有している。噂では昔いじめられっ子で生死の境目をさ迷い続けたかりしい。人間離れしている。なぜなら、五十メートルを三秒代で走るらしい。因みに千五百は三十秒代で走る。
ガラガラ。
「お前達席につけよ〜。ついに今日はクラス全員が揃ったぞ。入れ」
「えっと、東条 恵です。一応男です。」クラス中の全員が顔を赤く染めていた。
「「「かわいい〜!!」」」
「え!?えぇぇぇ!!」恵は以外にも人気者となった。
クラス全員の意見は
『女子の制服で来い』だった。
結局次の日は女子の制服で行った。クラス中から
「キタコレ女装少年萌え〜!!」なんて聞こえる。結局女子扱いとなってしまった。
「はぁ〜。ボクって一体…」
呆れながらも恵はクラスになじめた事を嬉しくなった。
メールが届いた。
『よぉ。モテモテだったじゃねぇか。』勇助からだった。
『そんなことないよ』と返した。疲れたのかその日は眠ってしまった。
その夜、両親から連絡をうけた東条 月は弟恵に会うためにアパートを出たのだった。