奇跡の石碑
リリーは王宮に戻る前に1つ寄り道をした。
鏡夜「ここは?」
2人が着いた場所は見渡す限り近くに建物は一つなく、ただ広場の中央にポツンと石碑が置いてある原っぱに辿り着いた。
リリー「ここはこの戦争のルールが書かれた石碑が置いてある場所です」
と言うとリリーは石碑の近くまで緋龍を誘導した。
リリー「この石碑は奇跡の石碑と言われており、ここでの戦闘は一切禁止されている場所なのです。それにこの石碑は神の加護がかけられており、我々全人類では傷1つ付ける事のできない物となっております」
鏡夜「傷1つ……ねぇ」
緋龍は試しに刀を抜き石碑に振り下ろしてみたが、案の定石碑の周りにバリアが張られ弾き返されてしまった。
リリー「戦争のルールと言っても条件は単純です。」
『下界の最大の力を持つモノに聖杯を授ける』
鏡夜「下界の……と言うのはこの世界の事か。最大の力というのは?」
リリー「国家の広さ……又は戦力と思われます」
鏡夜「なるほど…だから他の国を滅ぼし、自分の国を強くするって方針か。分かりやすい世界だ」
自分の町が理由もわからずに滅ぼされた緋龍にとってはようやく理解のできる納得さがあった。それと同時にオーガに対する憎悪が増したことも同じであった。
リリー「しかし戦力と言っても、これは同盟も可と思われており、今私達は獣人族のビーストと竜人族のリザードマンと同盟を組んでいるのも事実です」
人間が獣、竜族と同盟を組んでいるように、オーガもドワーフと同盟を組んでおり、国の勢力は五分五分に等しかった。
鏡夜「リリーは俺の……ブランクの力を頼りたいと言っていたが、他の国にもブランカーは居るのか?」
これから戦場に出る身。ブランカーと戦う事は確認しておきたかった。
リリー「はい。ビースト、リザードマンにもブランカーが居ることは確認されているので恐らくオーガやドワーフにも少なからず存在していると思います」
鏡夜「だいたいこの世界のルールは分かった。じゃあ…リリーの王国に向かうとするか。話はそこからだ」
リリー「はい、父には私から説得してみます。……私が勝手に行った行為なのですから……」
リリーはそう言うと王宮が見えるヴァラニアス王国に向かうのであった。
To be continued
久々に続きを書きましたが、これからが本編なので伸び伸びと書いていきたいと思います