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九十六話・番外編15 ミルナ対セーファ


「じゃ~!いっくよ、ミルナさん...ハアァァァッ!」


セーファが、左手を大きく横へ一閃に振ると、そこからバチバチ唸る

スパークする球体が無数に現れ、その光の球体がふわふわとその場を

浮いている......


そして指をパチンッとセーファが鳴らすと、ミルナに目掛けて光の球体が

一斉に飛んでいった!


「うわ...!本当...相変わらず、その無詠唱は厄介だ...ねっとっ!」


僕もセーファ同様、杖を大きく横へと一閃に振ると、飛んできた光魔法を

次々と消し飛ばしていく!


「やれやれ...天使族の私の魔法を、杖の一振りで消し飛ばすなんて...どちらが

厄介なんで.........わっとぉ、あぶないっ!?」


セーファが悠長に話している途中で、ミルナはいきなり魔法をぶっ飛ばすが、

素早い動きで避けられた!


「ち、避けたか!」


「あはは、ミルナさんは躊躇ないですねぇ~。問答無用とばかり空間魔法を

飛ばしてくるなんて......ねっ!!」


ニコッと笑うセーファが大鎌を身構え、空中を蹴り上げるとイナズマの様に

飛び、ミルナ目掛けて突進して行く!


「やあぁぁぁぁ――――っっ!!」


空気を切り裂く音を響かせて突撃し、目標の相手を視線に入れると、

大きく振りかぶった大鎌で豪快に斬りかかるっ!


「させるかぁぁぁ―――――っ!!」


ミルナは大地を思い切りと蹴り上げて、セーファの大鎌攻撃を横っ飛びで

勘よく交わす。


『残念、まだまだ危ないですよ~!ライトニング・シャワァァァ―――ッ!』


セーファが油断大敵と言わんばかりな表情で手を上にかざし、魔法を詠唱すると

頭上に現れた数々の光の矢達が、ミルナの頭上に降り注ぐ!


『させるか!空間断絶――ッ!』


ミルナが手刀で空中を切る様に大きく振ると、手刀の軌道の空間が割れて、

そこに光の矢が全て消えていく!


『そこ!グラビティーボォォールッ!』


間を入れず、僕は詠唱した魔法をセーファに叩く様に打ち込む!


『ふふ...させませんよ!ライトボォォ――ルッ!』


ミルナが放った魔法に対抗し、セーファも魔法を放つ!


...のだが!


セーファが放った魔法を、ミルナの打ち出した魔法が唸りを上げながら

次々と消し飛ばし、そのまま相手に目掛けて飛んでいく!


「イヤ~酷いな、それ...ヨッと!本当、卑怯なチート魔法ですよね~ハッとっ!」


セーファは悪態をつきながらも、ミルナの魔法を皮一つくらい間隔で懸命に

魔法を交わしている。


「ハイハイ...黙って消えろ...アホ天使......」


ミルナは詠唱し終えた魔法を撃つ為、両手を上に突き出す...


『空間断然ビィィィィ――――ムッ!!』


そして技の名を叫ぶと、突き出した両手から黒い球体が次々と

セーファの頭上に飛んでいき、その球体に魔法の波動がどんどん

溜まっていく...


「うわ...物凄いオーラですね......」


セーファが呟き困惑していると、球体に収束された波動から黒い

光線が轟音を唸らせながら、一気にセーファへ目掛けて無数に

降り注がれていく!


「はは...これは交わせませんかねぇ...♪」


轟音を唸らせ、次々と降り注がれる黒い光線がセーファに当たった瞬間、

大きな爆発がその場所中に響き渡り、その周りには爆煙が巻き起こっている!


「ち、これでも駄目か...!」


僕は轟音を立てて爆煙が噴き出している場所の上高くを見上げると、

そこに余裕な顔を見せたセーファが、翼をはばたかせ浮いていた。


「いや~あぶないあぶない!本当に間一髪って、感じでしたよ♪」


「たく...空中を飛べる方が、よっぽどのチートだよね...」


僕は余裕な微笑みを浮かべているセーファを、ジト目で睨みながら見ている。


『じゃ、ミルナさん、次...いきますよ♪舞い上がれ、天使の翼......

ホーミング・フェザァァ―――ッ!』


セーファがバサッと翼を広げると、その翼から無数の羽根が舞い上がり、

羽根がターゲットを見つける如くミルナに向くと、一斉にその羽根達が

ミルナへと次々と飛んでいく!


「おお...なんか、天使っぽい技がきたっ!」


「あ!そうそう...ミルナさん。その羽根に当たっちゃうと、あなたの時が

たま~に少しの間、止まっちゃうから気をつけてね~♪」


「と、時が止まるって...本当にあんた、一体どれだけのチート技を

持っているのよ!」


次々と飛んでくる羽根を交わしながら、僕はセーファに対し愚痴をこぼす。


「あはは...さっすが、ミルナさんだね。その攻撃を交わすなんて...

一応その魔法には、命中アップの添付魔法がついているんですけどねぇ~」


セーファは相変わらずのニコニコ顔で、困惑の言葉を述べる。


「どうする?まだやるの?」


全ての羽根を交わした僕が、挑発するかの様に余裕の笑みをセーファへと

向ける。


「当然ですよ。私はまだ楽しみたいですから♪」


「僕は却下したいんだけどね...!」


「アハハ...私はその意見は却下しますよ~!それ、それ、それ、それ、それ!

そして、私も飛びます...よっとっ!」


セーファは否定の言葉を投げると無詠唱魔法を数発撃ち出し、それと同時に

自分もミルナの懐へ目掛けて、飛び込むように大鎌で切りかかっていく!


『この...戦闘マニアがっ!グラン・スプラッシュ!』


相手の魔法を空間魔法で消し飛ばして、大鎌は体を反ってギリギリ交わす!


そして直ぐさま僕は魔法を詠唱し、空間魔法の粒を連続でセーファに打ち出す!


「それをあなたが言っちゃいますか...?その魔法が一発でも当たったら、

私の体が穴だらけになっちゃう魔法を平気で撃ってくる...貴女がっ!」


ミルナの空間魔法の粒を、セーファが大鎌を回転させて全て消し去った!


「僕は別に戦う事には、生き甲斐を持っていないしね!」


「それもそうですね。だって、ミルナさんって...盗賊だろうが、ドラゴンだろうが、

パパッて一撃魔法を撃って、そのまま消し去って終了って、スタイルですものね!」


ミルナとセーファはお互いを牽制しながら、相手の出方を身構えて待っている。


「さて...いつまでこうしてても、拉致があかないな...」


しかし、あの戦闘凶暴者の隙を作るのは、結構、ホネがいるしなぁ...


これの状況を打破するには...どうしたらよいのやら......


僕がその考えを巡らせている時、奥の方にあるこの部屋の出入り口から

突如、誰かの声が聞こえてきた。


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