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八十四話・聖剣のコンボ攻撃


「はは...何気に薦めてみたものの、まさかガーネットの奴もライ殿に

惚れ込んでいたとは...本当にライ殿は凄いのう...」


ガーネットの恍惚な表情を見たダーロット王が、目を丸くして驚きを

隠せないでいる...。


「でも...本当によろしいですか、ガーネット様...それにネイ様?

前にリオ様にも言いましたが、俺は単なる一般市民ですよ?」


「何を言っているんだ、ライにぃには!単なる一般市民が帝国四天王を

倒せる訳がないじゃないか♪」


「な、なんじゃとぉぉ!帝国四天王を倒したじゃとぉぉぉ――――っ!?」


ネイの口から発される衝撃な事実に、ダーロット王がひっくり返るくらいに

驚きを表している。


「ふふ...お父上、それだけで驚いてはいけません。このライ様は、なんと

サイカ様...聖剣サイカー・フォースがお認めになられた、聖剣使い様なの

ですよ!」


「ええええ!?ライ殿が、聖剣に選ばれたじゃとぉぉぉ―――――ッ!?」


次にガーネットから発された更なる衝撃な事実に、ダーロット王があまりの

驚きで、とうとうひっくり返ってしまう。


「え...お父様、そんなにビックリしてどうなさったのですか...?ネイから

聖剣の事や四天王の事を聞いていませんの!?」


「ああ...今、初めて聞いたわい...」


倒れた体をゆっくり起こし立ち上がったダーロット王が、リオの言葉を聞いて

静かにコクンッと首を縦に振る。


「ちょっと...ネイッ!?」


「たはは...ごめん、リオねぇね。ライにぃにの事でつい興奮しちゃって、

サイカねぇねの事を伝えるの忘れていたよ♪」


ネイが舌をチロッと出してニガ笑いを浮かべると、言い忘れた事を素直に

謝ってきた。


「では...その聖剣に選ばれたという話や、四天王の事を改めて、詳しく

聞かせてもらおうかの...」



――――――――――



「な、なんじゃとぉぉぉぉ――――――――――ッ!!?

そ、その娘が聖剣じゃとぉぉぉぉぉ――――――――――ッ!!!?」


「ええ、そうッスけど...いくらなんでも、それは少し驚き過ぎッスよ...」


ダーロット王のビックリ仰天の動揺に、サイカが引き気味で呆れている。


「イヤイヤイヤ!驚くじゃろ!行方不明になっておった聖剣が女の子の姿に

変わって現れたんじゃぞ!これをビックリせず、何をビックリするんじゃ!」


目を見開き、喫驚したダーロット王が叫声を荒らげる。


「まぁまぁ、落ち着いて下さい、お父上!そんなに興奮しては王として

少しみっともないですよ?」


「とにかくダーロット王。なっちゃったものは、なっちゃったんッスから、

素直に現実をけ入れ欲しいッスよ」


サイカがそう言って、ダーロット王の肩をバンバンと叩く。


「か、軽いな...この聖剣さん...。何か、ライ殿にそっくりじゃのう...」


「ちょっと、ダーロット王!これと俺のどこが似ているんですか!俺は

どっちかって言うと、慎重派なんですよ!」


「お―――い!主様っ!?これって言い方はあんまりッス!本当に主様は

おくびにもせず、ハッキリと言うッスよね...!もう撫で撫でギュッのコンボを

してあげないッスよ!」


「すいません!許して下さいませ!」


俺は即座に土下座を...それは完璧にキレイな土下座をしてサイカに謝った。


「うにゃ...そ、そんなあっさりと謝ってくるなんて...よっぽど、主様は

あのコンボをされたかったんッスか...」


誰が見ても完璧にキレイな土下座をかますライに、サイカがそこまで自分の

包容を受けたいのかと思うと、顔を真っ赤にして照れてしまう。


「あ、あの...サイカ様。その撫で撫でギュッって、一体なんなんですか?」


「え...それはそのままの意味ッスよ。ほら...さっき、ネイ様とガーネット様が

やっていた...。あれにプラスして...こんな風に...ギュッとして撫で撫でぇッス♪」


「はにゃ!?い、いきなりのコンボ攻撃ですか、サイカさんっ!?......ふにゃ」


リオ様に説明するより実行をして見せようと、サイカが自分の懐に俺を抱き寄せ、

ギュッとして頭を撫でてきた。


ああ...やっぱ、サイカさんのコンボは最高っす......。


頭を撫でるサイカの手の温もりと、顔に当たるサイカの至福の感触に、俺の頬が

フニャッと緩む。


「ま...こんな感じッスよ、リオ様♪」


「うわ...こ、これが撫で撫でギュッですか...ハア、それ、いいですわね!」


サイカの包容を見たリオが、羨ましそうに指を加えている。


「ん...?なんッスか?リオ様もこのコンボをしてみたいんッスか?」


「ハイッ!やってみたいですっ!だって、ネイもガーネットお姉様もギュッて

していらしたのに、私だけやっていませんもの...だから、是非!やらせて

下さいませ!!」


サイカの言葉を聞いたリオが、間入れずにビシッと敬礼を見せ、肯定の返事を

キラキラした笑顔で返した。


「確かにそれは不公平ッスね...それじゃ...ほいっと!」


「えっ!?ち、ちょっとサイカ様!キャンッ!?」


リオの返事を聞いたサイカがライの身体を掴むと、ポイッとリオの懐に

放り投げてきた。


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