表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

83/98

八十三話・新たな婚約(仮)その2


「は、はい!実は聖剣の事で......ハヒャッ!?」


「嫌なの...オレとの婚約、そんなに嫌なの...?」


ダーロット王へ改めて聖剣の話しをしようとした瞬間、突然ネイが

ライの顔を自分の胸に挟み込んでギュッとすると、うるうる涙声で

問いかけくる。


「そ、それは......ハヒャアッ!?」


俺が言い訳の為に口を開こうとすると、ネイ様がさせないとばかりに、

自分の胸へ俺の口をふさぐよう、ギュッと強く抱きしめてくる。


「ねぇ...いいよね...?オレと婚約してくれるよね...?」


そしてネイがうるうるした表情でジィィ――ッとライを見つめながら、

再び婚約の事を口にする。


はわわ...!?オッパイサンド&乙女の恍惚な視線攻撃...


このダブル攻撃...『恋人いない=年齢』の俺には、いくらなんでも

破壊力がありすぎるっ!?


確かにネイ様は可愛いし、このオッパイも魅力的だ...。


だが...リオ様だけでも、いっぱいいっぱいだと言うのに、二人目の

王族と婚約だなんて...ただの市民の俺に、耐えられる筈がない!


だから、婚約を断る!それだけは何としてでも死守しなければ!


く...仕方がない......。リオ様を利用するようで少し気が咎めるが、

ここはリオ様をダシにさせてもらう...。


「で、でもですよ、ネイ様!俺は既にネイ様のお姉様である...

リオ様と婚約(仮)をしている状況の身でして...。ですので、

その妹君であるネイ様と婚約をするのは、リオ様に悪いと言い

ましょうか......」


俺は背に腹は変えられんとばかりに、リオ様を引き合いに出して

何とかネイ様を説得する。


「あら...私は別に構いませんですわよ?」


「えええぇぇっ!?」


ま、まさかのリオ肯定発言っ!?


「うふふ...ネイには悪いですが、ミルナ様と戦うなら、数が多いに

越した事はありませんからね...」


リオは悪どい表情浮かべると、ライ達に聞こえないくらいの細い声で

そう呟く。


「それじゃ、ネイも私と同じく、婚約(仮)って事で...いいですよね、

ライ様?」


「い、イヤ...リオ様や俺が認めても、ダーロット王が絶対に許しませんよ!

二人の娘...王族の娘を、同じ人物に婚約させるなんて言語道断とっ!」


今度はダーロット王を引き合いに出して、婚約への抵抗を試みる。


「ん...?わしも別に構わんぞい!」


ライの抵抗空しく、ダーロット王があっさり迷う事なく肯定発言を

口にする。


「何せ、わしはライ殿の未来をかっておる!それに自分から嫁になんて、

今まで一度もなかったネイが、ここまで惚れた男じゃ...。ここは本人の

意思を尊重するぞい!」


実にあっけらかんと、自分の娘二人をライの婚約(仮)へとお認めるになる、

ダーロット王だった。


「おほほほ...そうじゃ、ついでにガーネットも貰ってくれんか?」


「お、お父上!?」


「はいぃぃっ!?」


リオ様とネイ様でいっぱい、いっぱいの状態なのに、まさかの三人目...

ガーネット様との婚約(仮)を提案してきた。


「こやつも中々、婚約の話に乗ってこなくてのう...この間なんぞ、

見合いの相手を...おお、思い出したくもない!」


ダーロット王が、何か思い出したくない事を思い出してしまったのか、

その身をブルブルと震わせている。


「お、お父上!ライ様の前で何を口走っておられるんですか!

ち、違うんですよ、ライ様!見合いの相手が金持ち貴族で、

その態度が鼻について...つい...」


つい...?つい...何を仕出かしたんですか、ガーネット様!?


「そ、それで...どうなんでしょうか、ライ様...?」


ガーネットが恥ずかしいのか、チラチラとライへ目線を向け、

もじもじしながら聞いてくる。


「どうなんでしょうか...とは?」


「いえ...だから、先程のお父上の話ですよ...わ、わたくしと、

こ、こん...恥ずかしい!」


ガーネットがそこまで言うと、顔をボンッと真っ赤にしてあわあわして

動揺している。


「ほら...ガーネットねぇねも婚約を認めてもらう為に、ライにぃにを

ギュッってしてやりなよ!」


「ギュッですか...ちょっと恥ずかしいですけど、婚約者になられる御方に

そんな事ではいけませんね...」


そう言ったガーネットが鎧の装着部分をカチャッと外すと、着ていた鎧が

地面にガシャンッと落ち、鎧の中からボヨ~ンッと豪快な音を立てた

ナイスオッパイが露になった。


ひ、ひゃああっ!?ガーネット様のオッパイ...でっかぁぁぁ――――っ!?

あ、あれは、魔法書のオッパイお姉さんと互角...いや、それ以上なのでは!?


あれを今まで、鎧の中に隠していたなんて、なんと勿体ない事を!?


「こ、コホン...。で、では...ライ様...失礼して...いきます!えいっ!?」


ガーネットがかけ声をあげ、ライの頭を両手でバッと掴むと、そのまま

自分の胸に目掛けて埋まる様に押し込んだ。


う、埋まる~!?タユンじゃなく、埋まっちゃう!?な、何なの、

この柔らかオッパイッ!?至福過ぎて、気絶しちゃいそうっ!?


「ど、どうでしょうか...ライ様?わたくしは婚約者として、合格で

しょうか?」


このガーネットの問いに、ライは静かにサムズアップを突き出した。


「おお!ではわたくしも、リオ達と一緒に婚約(仮)でよろしいですね...!

やりましたわ♪」


「やったね、ガーネットねぇね!これで三姉妹で婚約(仮)が決定だ♪」


「それではライ様!私達三姉妹を、これからも末長くよろしくお願いいたし

ますね♪」


「ライにぃに!オレの事もリオねぇね、ガーネットねぇねと共々、たっぷり

可愛がってくれよな♪」


「あ、あの...ふつつかな者ではありますが、わたくしの事も他の姉妹同様、

よろしくお願いしますわね、ライ様!」


「あ、はい!こちらこそ、よろしくお願いし......って、ちょっと待って!

その勢いは流石にキツ――――――うぷぅぅっ!?」


リオ様、ネイ様、そしてガーネット様がそれぞれの笑顔を浮かべると、

その笑顔のまま、俺の懐へ思いっきり飛び込んでくるのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ