表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

70/98

七十話・ライの本気


「ちょ、嫌だって、何でさ!?」


「嫌に決まっているッスよ。だって、あの二人ってさっきの魔王の

配下ッスよね?」


「配下かどうかは知らないが、ユユナの善き仲間なのは間違いないな...」


「なら、絶対に嫌ッスよ!それに何で主様も魔王の仲間を助けようと

してるんッスか!」


「それは俺にとっても、知り合いだからさ!」


「本当ッスか?本当に主様とあの二人は深い知り合いなんッスか?」


「う...そ、それは...」


た、確かに、キジュさんとはちょっとしか会ってないし、クーイと呼ばれていた

もう一人に至っては、会った事すらない。


「大体主様、ギルドで言っていたじゃないッスか!その場のノリで命を張る程、

俺は聖人君子じゃないって!それなのに、深い知り合いでもない二人の為に

無謀な勝負に出るなんて、ナンセンスもいい所ッスよ!」


だな...。お前の言う通り、俺は博愛主義の精神なんてもんは一つも持ち合わせて

なんかいないよ...。


「だから、ここはそんな道徳心で危険を犯さず、さっさと逃げた方が主様の為

なんッスよ!」


それもわかってる...命あっての人生だもんな...!


でも、ここで逃げたらキジュさん達はどうなるんだ...。もし何かあった時、

俺はアイツにどういう顔をすればいいんだ...。


それは......嫌だっ!!


「はは...そっか、俺にもあったんだな...」


「あったって、何がッスか?」


突然と薄ら笑いを浮かべるライを見て、サイカが心配そうな顔をしている。



「それはな―――」


『双月斬ッ!!』


「グギャアアアアァァァァ――――ッ!!」


「なにぃぃっ!?俺の飛竜がぁぁぁっ!?」


「今だ!」


『もう一丁食らえぇぇぇ!三段斬りッ!!』


双月斬の波動が飛竜の両の翼を切り刻み、竜騎士がバランスを失った瞬間を

狙ってジャンプし、更に追い込みの三段斬りを撃ち出す!


しかし、三段斬りの波動が竜騎士の両脇を抜けて飛んでいく...。


「ギャハハ!どこを狙ってやがる!折角の不意討ちを外すとはなっ!」


「いいや、外しちゃいないぜ...!」


「何を言ってやがる......ハッ!し、しまったっ!?」


よし、三段斬りの波動が起こす空気圧にキジュさん達が上手く乗って、

アイツから遠ざける事に成功した!


「はは...さあ、ここからが、本番だ...!」


空気圧に乗って木の葉をクッションにして落ちたキジュさん達を確認した後、

その木への道筋の前に俺はスッと立ち、竜騎士相手に身を構える。


「主様!...何を...笑っているんッスか?」


「ああ、何かさ...。俺にもあったみたいなんだよ...!男なら...そこで逃げるな、

カッコつけろ!それが男だろ!...てヤツがな!」


俺はドキドキしている鼓動を耳に聞き、緊張感なのか、高揚感なのか、

どちらかわからない気持ちをグッと吐き出した叫声をサイカに向け発する。


さて...奴に勝つには、今あるアイテムをうまく使っていけば、恐らく

十パーセントの確率で勝てると思う...。


十パーセントか...少なねぇ...!イヤ...俺とアイツの実力差を考えれば、

この数字は多いと考えるべきだよな...!


「どうした、かかってこないのか?それとも、さっきの不意討ち攻撃が

精一杯の攻撃なのか?」


「全く、ベラベラよく喋る騎士様だな、こんなのが竜騎士ってのになれるなんて、

お里がしれてるなお前んとこの国も♪」


「な、何だと!貴様、誰に向かっての口の聞き方だぁ!」


「誰にって、一般市民に大事な飛竜を潰された、お間抜けな竜騎士様にですよ♪」


「き、貴様!もう許さん...!くたばれやぁぁぁぁっ!!」


挑発に乗った竜騎士が、憤怒全開でライに目掛けて槍を突き出し、凄いスピードで

突進してくる!


「ふ...甘い!それっ!」


俺に向かって突進してくる竜騎士の前に、リュックから取り出した閃光弾...

『閃光』を放り投げる。


「ギャアァァッ!目、目がぁぁぁぁ―――――ッ!?」


「食らえっ!双月ザァァァァァ―――――ンッ!!」


「く、貴様!グハアアハァァ――ッ!?」


俺は目をやられ、のたまっている隙を狙って双月斬を叩き込むと、その衝撃で

近くの大木に竜騎士が吹っ飛ばされる!


「そりゃ、次々と繰り出すぜ!」


『もう一度、双月斬ッ!そして、弧月斬ッ!』


俺は間を入れずに、剣義を連続で竜騎士へと撃ち出した!


双月斬と弧月斬、それぞれの波動が重なり合う様と、空気を切り裂く音を

響かせ相手に目掛けて飛んで行く!


「グハガアアァァァァ――――――ッ!!」


「やったか...!?」


俺は双月斬と弧月斬が巻き起こした爆煙が晴れるのを身を構えて待つ。


すると煙の中に人影が浮かび上がり、その人影がゆっくり、ゆっくりと

こちらへと近づいて来る。


「はは...今の攻撃じゃ、やっぱりあいつには届かないのか...」


「く...そが、よくも...この俺を帝国...四天王の一人...爆槍のヂガンに

こんな...屈辱を与えやがって...!」


煙の中から出てきたヂガンは、肩で息をする様にゼーゼーと呼吸しては

いるが、ダメージというダメージは全くと受けていない様だ。


「あのコンボでこんだけのダメージしか通らないのか...はは」


渾身の一撃を放ったのに、殆どダメージを受けていないヂガンを見て、

俺は乾いたニガ笑いが口から洩れる。


何とか、七十話に到着!

評価やブクマ、感想に誤字報告、本当に感謝です!


後、同時に執筆中だった、2つの番外編がもうちょっとで完成しそうです。

でも、本編がこの番外編に追い付いていないので、投稿はまだ先の話...(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ